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​MSLG ブログ

法律ノート 第1516回 弁護士 鈴木淳司

3/30/2026

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信じられない位、ガソリンが値上がりしています。何のために戦争を始めて何のために人が死んでいるのか、政治的なコメントはここでは避けますが、一体アメリカという国はどこに向かっているのでしょうか。アメリカ人の友人と会っても、皆ため息ばかりです。


さて、前回から「カリフォルニアの田舎に主人の仕事の都合で住んでいます。アジア人はあまり周りにいません。今の主人と私、そして前の婚姻でできた息子と暮らしているのですが、最近息子の同級生同士(息子は関係ない)が喧嘩になり、一方の親から、私の息子も他方に加担して、あたかも犯罪行為を一方が行っていると学校内で吹聴しているので名誉毀損で訴える、という手紙が届きました。息子に聞いても、この手紙を送ってきた家の子に問題があったと言っており、そのことを学校内で話しただけだ、ということでした。今の主人は、そのようなものは放って置けば良い、ということですが、裁判までする、ということを言っているのでなにか対応を考えた方がよいでしょうか。」といういただいた質問を考えてきました。今回続けていきましょう。


前回は、「事実関係をちゃんと聞き取ることは重要だ」という内容を考えました。ここで、今回の舞台が「学校内」であるという点に注目する必要があります。カリフォルニア州の教育法(Education Code)には、生徒間のいじめや嫌がらせを防止するための厳格な規定がありますが、同時に生徒の表現の自由も考慮されています。特に、学校内で起きたトラブルについて生徒同士が情報を共有することは、直ちに法的責任を問われるような性質のものではありません。むしろ、相手方の親御さんがお子様に対して「訴える」と強く迫る行為が、状況によってはお子様に対する「威圧」や「嫌がらせ」とみなされる可能性すらあります。

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法律ノート 第1515回 弁護士 鈴木淳司

3/16/2026

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イランの戦争の話題でもちきりですが、ガソリンの値段が異常に値上がって生活にも打撃になっています。私と同様に、色々皆さんも意見はあると思いますが、戦争の話題は気持ち良いものではありませんね。これからアメリカはどこに向かっていくのでしょうか。

さて、今回は皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいているメールをまとめると、「カリフォルニア州で米国人の夫と二人で住んでいます。私は永住権保持者です。最近、私の姪(日本国籍)が単身アメリカに日本から遊びに来ました。コロナもあったことから、とても久しぶりに遊びに来たのですが、アメリカ入国で1時間以上拘束されたようです。私どもも迎えに行って、長らく待つことになりました。このようなことが頻繁に起きているのか、対策はないのか教えてください。姪は日本で大学に通う学生です。」というものです。

姪御さんがせっかく日本から訪ねてこられたのに、入国審査で1時間を超える拘束を受けられたとのこと、心中お察しいたします。質問者の方も心待ちにしていた再会が、不安な待ち時間から始まってしまったのは、心苦しい出来事であったことが質問から察することがでいます。

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法律ノート 第1514回 弁護士 鈴木淳司

3/6/2026

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■       2026年3月に入ってからの移民法に関する動向

最近、寒暖差が激しいですが、皆さんどのようにお過ごしでしょうか。私は、たぶん花粉の影響だろうと思いますが、目が痒くなることがあります。生まれてはじめてです。花粉アレルギーの方は、季節的には良いけど、体調には過酷な時期なのかもしれません。2026年3月に入り、米国移民法関連もどんどん変化が生まれています。今回も、移民法のトピックを考えさせてください。皆さんにも影響するかもしれないトピックです。心苦しいですが、皆さんからの質問にお答えするのは先延ばしにさせてください。

まず3月4日に連邦最高裁判所は「ウリアス=オレリャーナ対ボンディ事件(Urias-Orellana v. Bondi)」において、難民申請(アサイラム)の審査基準に関する極めて重要な判決を下しました。この判決で最高裁は、移民控訴委員会(BIA)、つまり移民行政機関による「迫害」の有無の判断を連邦控訴裁が再審理する際、政府側に有利な「実質的証拠(Substantial Evidence)」基準を適用すべきであると全員一致で判示しました。もともと、移民法において「迫害」というのは、ある程度の状況証拠を示せば認められる傾向にありましたが、現状では具体的に「迫害」を受けてきた、という証拠を出さなくてはいけないのです。そして、一度行政段階で「迫害には当たらない」と判断された場合、裁判所がそれを覆すハードルが非常に高くなったことを意味しており、申請者は自国で迫害を受けていたことにつきより具体的な証拠の提示が求められる状況になりました。イコール難民申請はかなり認められにくくなっています。


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法律ノート 第1513回 弁護士 鈴木淳司

2/28/2026

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天気が格段に良くなってきましたね。日焼けするほど日差しが強く、朝晩はまだ寒いものの、花も綺麗です。キャンディーズではないですが、もうすぐ春ですね。一方で、私の友人は「花粉が、花粉が、」と怯えています。花も自分の子孫を残そうと必死になっているかもしれませんが、アレルギーがある方には辛い季節なのでしょう。さて、今回も皆さんからの質問にお答えするのを一旦休ませていただき、移民法に関する直近の状況を皆さんと一緒に考えていきましょう。移民に関してはかなり締め付けが活発になっています。現政権が当選した後ろ盾になった移民政策をここで活発化させることにより中間選挙を意識した政治的な動向といえるかもしれません。

まず、亡命制度の新規則案が発表されました。2026年2月20日、国土安全保障省(DHS)は「亡命申請者に対する就労許可制度の改革」を官報に公示したのです。この改正案の核心は、亡命(アサイラム)申請を、安易な就労目的の手段として利用することを法的に遮断することにあります。具体的には、申請者が就労許可証(EAD)を申請できるようになるまでの待機期間を、現行の150日から365日へと大幅に延長する内容が含まれています。さらに特筆すべきは、USCIS(市民権・移民局)の処理能力が一定の閾値を超えた場合に、新規の就労許可申請の受付を一時停止する権限を当局に付与する条項です。これにより、亡命審査を待つ数年間にわたり法的に働く手段を奪われる申請者が急増すると予測されており、申請件数そのものを抑制する「水際対策」としての機能を果たすことが企図されています。

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法律ノート 第1512回 弁護士 鈴木淳司

2/20/2026

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カリフォルニアの山間部では大雪が降って死者もでています。先週は半袖でも良いような気候でピンク、白、黄色の花が綺麗な時期なのに、天気というのは不思議なものです。春が訪れる前に、天気が暴れています。さて、すでにニュースになっているとは思いますが、トランプ政権が大統領令を通して出していた、いわゆる「関税」について、司法が判断をしました。一法曹として、アメリカの三権分立がどのように作用するのかという点で注目していました。

2026年2月20日、米国の連邦最高裁判所は「Learning Resources, Inc. v.
Trump」事件において、現代の通商政策の根幹に関わる判断を提示しました。本判決の核心は、1977年に制定された「国際緊急経済権限法(IEEPA)」が、大統領に対し議会の承認なき関税賦課を認めているかという点でした。実際のところ、現政権がアグレッシブな政策を取り始めた一年前から、アメリカの連邦最高裁は、どちらかというと政権に近い共和党の考えに近い判事が多かったので、現政権寄りの判断が多かったわけです。まあ、現政権寄り、というよりも「口はださない」という方が妥当かもしれません。しかし、今回、共和党が指名したロバーツ最高裁長官が執筆した法廷意見を通じて、IEEPAは大統領に関税権限を付与するものではないと断じました。

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法律ノート 第1511回 弁護士 鈴木淳司

2/14/2026

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先週の週末にもう30数年付き合いのある弟分が遊びに来ました。15年以上ぶりに直接会って酒を飲み思い出話などに耽りました。そのような週末だったので、法律ノートを書きそびれてしまい申し訳ありません。書く暇がまったくありませんでした。彼は、志望大学に入学できず、早稲田大学の政治経済学部を卒業し、そのまま学生を導く大手塾講師を続けています。ずいぶん人気講師のようで、早大受験指導が一段落したということで遊びに来たわけです。まあ、変わらずの弟分で、可愛いものでした。私が就職せずに塾講師をやったほうが良いとアドバイスしたとか。

さて、寒暖激しい2月ですが、移民法を巡る情勢は緊迫感が増しています。特にここ二週間、2026年の幕開けと共に矢継ぎ早に発表された新政策や運用変更が、在米日本人コミュニティや日本企業の駐在員・人事担当者にとって、無視できないレベルの影響を及ぼし始めています。今回は、この短期間に起きた変化を、実務に即して皆さんと考えてみたいと思います。いただいている質問にお答えできないのは心苦しいですが、移民法は、じんけんニュースでは賄いきれないほどの変化がありますのでタイムリーに考えたいと思っていますので、許してください。

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法律ノート 第1510回 弁護士 鈴木淳司

2/1/2026

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  •        移民関連法の現在、日本国籍でアメリカに滞在する方たちにできること

今回は、皆さんからの法律問題にお答えするのを休み、最近の話題について考えてたいと思います。ご存知な方はいると思いますが、ジョージ・フロイド事件、すなわちブラック・ライブズ・マター運動のきっかけになったミネソタ州で、移民問題を端緒にして米国市民2名が死亡する事態に発生しました。2026年現在、アメリカにおける移民政策と法執行の環境は、これまでにないほど厳格な局面を迎えています。私が憂慮しているのは、2025年9月に合衆国最高裁判所が下した判断(Noem
v. Vasquez Perdomo
等に関連する一連の判断)は、ICE(移民・関税執行局)による「人種や言語、職業などの情報を総合的な判断材料(Totality
of the Circumstances)として、移民調査のための呼び止めに使用しても問題ない」という、事実上のプロファイリングを容認する姿勢を鮮明にしたことです。皆さんが日本からアメリカに来られて、英語にアクセントがあれば、滞在資格を疑問視し、拘束をしても違法とは言えないということを容認したことです。

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法律ノート 第1509回 弁護士 鈴木淳司

1/26/2026

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この週末、米東部の友人からの連絡で全体的に冷凍庫のようになっている、というニュースと写真が送られてきました。数日前に州都サクラメント郊外に行ったのですが、通常では観ない濃霧でした。なかなか冬の天候も異常だった夏に引けを取らないように違ってきているようにも思います。皆さんのお住いの地域はいかがでしょうか。

さて、前回、アメリカで外国人が家を買うときになにか制限があるのか、という質問を考えましたが、その質問を見た読者の方から類似する質問をいただきました。今回内容が似ているので、考えておきたいと思います。いただいている質問をまとめると「日本企業からの駐在としてカリフォルニアでマンションを借りて住んでいます。最近転職をして米国の企業に移りました。今年、マンションの契約更新を迎えるのですが、現在ビザの更新中なので、賃貸借に影響しないのか不安です。前回の法律ノートは、不動産購入に関してでしたが、賃貸借についても教えていただけると幸いです」というものです。

まず基本となるのは、カリフォルニア州において、賃借人の移民ステータスは居住権とは全く切り離されたものであるという原則です。州法(民法1940.3条等)は、家主が入居者に対して市民権の有無や詳細な移民ステータスを調査することを厳格に禁じています。今回質問されている方のように、例えビザが失効間近であったとしても、あるいは更新手続き中であったとしても、それは家主があなたを強制的に追い出したり、差別的な条件を突きつけたりする正当な理由にはなり得ません。一度有効な賃貸借契約を結んだ以上、皆さんは国籍やビザにかかわらず、カリフォルニア州法が定めるすべての「テナントとしての権利」を享受する資格があります。

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法律ノート 第1508回 弁護士 鈴木淳司

1/18/2026

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今年2月にはサンノゼ近くのスタジアムでスーパーボールが行われるので、地元のチームである49ersが勝ち上がらないかと期待をして、仕事をちゃんと終わらせ、この週末のプレーオフの試合を観ていたのですが、シアトルに完敗しました。シアトルに昨年から着任したマクドナルド監督は、すごいチームをつくりました。スター選手や監督が去っていく時期でもあり、少し寂しい気持ちはありますが、若い世代に代替わりしているシアトルにはどんどん頑張ってほしいですね。

さて、今回から皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「現在家族とカリフォルニア州に住んでいます。私は3年前に日本企業から命じられてカリフォルニア州で駐在をしていました。帰国命令に合わせて転職しました。家族のために家を買いたいと思っています。現在H-1Bビザ(専門職ビザ)で滞在していて、永住権を申請している状況です。現在のビザ保持をしている状況で、外国人排斥の動きもあるなかで、住宅ローンというのを普通に組めるのでしょうか。」というものです。

アメリカにおいて、住宅ローンを借りられるかどうかは、アメリカ人だけではなく、アメリカに定住しようとしている外国人にとっても深刻な問題です。住居費が高い国ですから、家賃の値上げに左右されることがない不動産の購入は魅力的と考える人は少なくないわけです。現在、昨年からの外国人に対する締付の傾向がキツくなっているという状況があります。米国市民権または永住権(グリーンカード)を保持していない外国人であっても、一定の条件を満たすことでカリフォルニア州の不動産購入のためのローンを取得することが可能なのでしょうか。

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法律ノート 第1507回 弁護士 鈴木淳司

1/12/2026

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アメリカでは新年になると、アメフトが盛り上がってきます。ちょうどワイルドカードやプレーオフなど、年始から忙しく行われます。私の地元の49ersもこの原稿を書いている日に、試合があるので、それに合わせて仕事をしています。やはりアメリカにいるとアメフトは冬の風物詩になります。私の友人の弁護士は、スーパーボウル(2月初旬)までは、正月から酒を一切飲まないことを自分に課したりしているそうです。私も、今年のスーパーボウルは地元近くで行われるので、今から楽しみにしています。さて、前回も新しいカリフォルニア州の法改正を考えましたが、今回も色々な分野での法改正が行われていますので、皆さんと一緒に考えていきましょう。前回は、1として労働関係法、2として、移民関係法を考えましたので、今回ここから続けていきます。
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法律ノート 第1506回 弁護士 鈴木淳司

1/3/2026

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2026年最初の法律ノートです。皆さんあけましておめでとうございます。今年も法律ノートをどうぞよろしくお願いいたします。毎年恒例になりましたが、2026年から発効する新しい法律を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
 
2026年のカリフォルニア州は、労働者の権利保護、気候変動対策、そしてテクノロジー規制において全米をリードする重要な法律が発効します。特に労働法や移民・外国人居住者に関わる法律が数多く施行・更新されるため、在住者や企業にとって注意が必要です。
以下に、2026年に発効、または重要なフェーズを迎える法律を、労働法など外国人にも影響するものを優先して考えていきます。
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法律ノート 第1505回 弁護士 鈴木淳司

12/29/2025

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2025年最後の法律ノートです。今回はいったん皆さんからの質問にお答えするのを休ませていただき、今年の振り返りをしていきたいと思っています。まずは、法律ノート読者の皆さん、また質問をくださっている皆さん、法律ノートをご愛顧いただきありがとうございました。1500回に到達したのも感慨深いのですが、皆さんが読んでくださり、フィードバックをくださりしていることが続ける糧になっています。また2026年もどうかよろしくお願いいたします。

2025年の業務で目覚ましかったのは法律業務におけるAIの発展だと思います。多くの作業の効率化が図れました。連邦や州など、多岐にわたるアメリカの法律や判例を調査することや、法律事務のアシストが可能になってきました。10年ほど前までは、人的なリソースがある法律事務所であれば、大型の事件もできるといった風潮でしたが、AIがこの流れをガラッと変えていくように感じます。経験が豊富に備わっている弁護士であれば、AIを駆使できれば、人的リソース如何にかかわらず、事件が進行できるでしょう。一方で、これから弁護士としてやっていこうとする若手は、AIの存在が脅威になってくるのかもしれません。私の肌感覚では法律事務の8割程度はAIに置き換えられてしまう将来は遠くないかもしれません。では2割は何かというと、人が必要になる法律業務です。クライアントからの聞き取り、裁判をする業務などでしょうか。AIが台頭しても、人間のニーズがあるものは残っていくでしょう。葬儀社、理容・美容などもニーズはなくならないわけですし、同じ様に、人が関わる法律業務は残るのではないかと考えています。まだ、私が個人的に弁護士として関わっているクロスボーダー的な案件の数々は、AIでははっきり追いついて来ていませんが、そのうちに、世界中の法律や判例がAIで使用可能になると状況は変わるかもしれません。
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法律ノート 第1504回 弁護士 鈴木淳司

12/20/2025

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今年になって、いきなり米国の関税問題がもちあがり、米国内でのインフレが止まりませんでした。クリスマスのイルミネーションが街を彩る季節となりましたが、なんと今年はプラスチックでできたイミテーションツリーがかなり値上がりしている一方、生の木の値段は昨年と変わらないそうです。皮肉なものですね。来週はもうクリスマスですが、体調を崩す人が顕著に多くなっています。人の集まりもおおくなりますので、注意したいところではあります。さて前回、日本にお住まいの親御さんがアメリカに持つ土地を「生前売却」するメリットについてお話ししましたが、前回の記事を読まれたのか、今回は少し異なる角度からのご相談をいただきました。続けて取り上げて皆さんと考えていきましょう。
「現在ラスベガスに家を所有していますが、高齢になってきたため、自分の死後は今そこに住んで管理をしてくれている会社の職員の方に譲り渡したいと考えています。どのような手続きが必要でしょうか」という内容です。

長年ご自身の財産を支えてくれた方に報いたいというお気持ち、非常に素晴らしいことだと思います。一方で、アメリカ、特にネバダ州(ラスベガス)における不動産の譲渡には、事前の法的準備が不可欠です。何も対策をせずに亡くなってしまうと、前回も触れた「プロベート(裁判所による遺産管理手続き)」という、時間も費用もかかる非常に煩雑なプロセスに巻き込まれることになります。では、「特定の個人への不動産譲渡」をスムーズに行うためには、どのような方法が考えられるでしょうか。
最も一般的な方法は遺言書に記載することです。しかし、前回も述べた通り、遺言執行の際には裁判所が介入するプロベートを避けることができません。ネバダ州でもプロベートには通常数ヶ月から数年以上かかることがあり、その間、受取人である職員の方は法的な所有権を得られず、手続きのための弁護士費用なども発生します。したがって、ベストな選択肢とは言えないかもしれません。
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法律ノート 第1503回 弁護士 鈴木淳司

12/15/2025

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先週、小型化したAEDの機器について、旧知の日本人医師と話す機会がありました。私自身もファーストレスポンダーの資格を持っているので、AEDの使い方はそれなりに知っていますが、びっくりしたのは、日本では7分に一人が心疾患で亡くなっていて、その半数がAEDをちゃんと使える状況であれば蘇生は可能という事実です。もっとAEDが一般的にも使いやすく軽量化すれば世の中を良くできるという医師の熱をもった話を聞いて、私もなにかできることはないかな、と心を揺さぶられました。

さて、前回から「アメリカのカリフォルニア州に以前両親と共に住んでいました。父親のアメリカへの海外赴任が終わり、日本に戻り、家族は全員日本に住んでいます。父親がアメリカに赴任している間に、カリフォルニア州の田舎に土地を買い、今でも持っているようなのですが、高齢になってきたため、その土地を売った方が、子供達に迷惑がかからないのではないか、と言うことを言い始めています。父親としては、相続をして欲しいと思う反面、迷惑をかけたくないと言う思いもあるようです。私が娘として助けているのですが、どのようにするのがベストか教えてください。」という質問を考え始めました。

今回は、土地をお父様が「生前売却」した場合のメリットについて考えてみたいと思います。前回考えたように、相続を経てしまうと残された人たちに煩雑な手続き等が残る可能性があります。そこで、お父様と話をして、お父様が納得することが前提になりますが、お父様がご健在で判断能力があるうちに土地の売却を完了する「生前売却」を選択することが考えられます。お父様が生前に不動産を売却した場合、実際に相続時に発生する可能性がある数多くの深刻な負担を回避することが可能となります。

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法律ノート 第1502回 弁護士 鈴木淳司

12/8/2025

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師走です。付き合いのある企業は皆忙しくしていますが、同時にホリデーシーズンでもあり、毎年色々な意味で「特別」な月であります。私自身も12月になってから、いきなり忙しくなり、なかなか疲弊しています。年末になると、今までご無沙汰していた方たちとも連絡が生まれ、懐かしくなるシーズンではあります。かなりの時を経て、私は来週、弁護士としての私を作ってくださった先生に本当に久しぶりに会う機会をいただいて少々興奮しています。ビデオ会議も良いですが、ちゃんと時間を取って、実際に人と会う機会も大切にしていきたいと年末になって思っています。皆さんは、お世話になったり、感謝したりする機会を大切にされていますか。

さて、今回からまた皆さんからいただいている新しい質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「アメリカのカリフォルニア州に以前両親と共に住んでいました。父親のアメリカへの海外赴任が終わ李、日本に戻り、家族は全員日本に住んでいます。父親がアメリカに赴任している間に、カリフォルニア州の田舎に土地を買い、今でも持っているようなのですが、高齢になってきたため、その土地を売った方が、子供達に迷惑がかからないのではないか、と言うことを言い始めています。父親としては、相続をして欲しいと思う反面、迷惑をかけたくないと言う思いもあるようです。私が娘として助けているのですが、どのようにするのがベストか教えてください。」という内容です。

今回の質問でお父様の抱える「相続してほしい」という思いと「迷惑をかけたくない」という配慮は、多くの国際的な資産を保有するご家庭が直面する問題であり、結論として、将来のご家族の負担を最小限に抑えるためには、現時点での「生前売却」が最も良い、最善の選択肢である可能性が高いと思います。以下考えていきたいと思います。

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法律ノート 第1501回 弁護士 鈴木淳司

12/1/2025

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皆さんはサンクスギビングをどのようにお過ごしになったのでしょうか。私は美味しいターキーやハムを食べ、いつもは会わない人たちと楽しい会話をして、良い気分転換になりました。今回は一回皆さんからの質問にお答えするのをお休みさせていただき、最近扱った事件について考えさせてください。

カリフォルニアの山の奥にある車の保管場所(ヤード)で、私と既知の友人男性は工具を持って、ぐちゃぐちゃになった事故車から被害者の持ち物を引き上げていました。かなりの大事故でドアもうまくあかないので、私の力では足りず、助けを借りていたわけです。そこに別の事故車を見に女性が来て、罵詈雑言を吐き散らしていました。何かと思って見に行くと、娘が事故に遭ったということでした。まだ高校生で運転し始めたばかりなのに、母親の車を借りているところで、対向車がレーンをはみ出てきてぶつかってきたということでした。私がヤードに入るときに登録していた連絡先にこの母親から電話が入ってきたのは数日後でした。この女性はこのヤードのオーナー夫婦でした。話があるということなので、次に機会を見つめてその夫婦と娘さんに会うことにしました。

娘さんは白人でしたが、事故の影響かさらに青白く、細く見えました。事故の話を聞きましたが、神がいるとすれば、彼女を助けたのだと思いました。飲酒運転で操舵不能になったトラック運転手が対面通行の道路をはみ出し、被害者のいるレーンに入ってきました。この娘さんの前を走るSUVに正面衝突し、夫婦がなくなりました。そして、そのトラックは宙を舞い、娘さんの車にぶつかりました。うまく娘さんがハンドルを切っていたこともあり、外傷はありませんでした。この前を走るSUVのおかげで命を守ってもらったという結果といえるかもしれません。
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法律ノート 第1500回 弁護士 鈴木淳司

11/22/2025

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旧知の友人が子供を連れてベイエリアに遊びに来ていたので付き合っていました。今まで行ったことがなかったのですが、サクラメントにある鉄道博物館にも行きました。かなり圧倒されました。億劫がらずに行ってみるものですね。色々新しいことを習いました。やはり男の子は、鉄道や自動車が大好きみたいで、彼の行動を見ていると自分の子供の頃の興味について思い返すこともありました。博物館の方から聞いたのですが、シカゴとサンフランシスコを結ぶ電車の旅はまだあるそうです。3泊らしいですが、時間ができたらぜひ乗ってみたいものだと思いました。

さて、法律ノートも1500回に到達しました。一年で単純にいうと52回進むわけですから、自分が弁護士になって30年になっている経験年数とあまり誤差のない進みようです。今、書くのをやめるつもりはないですが、できるだけマンネリ化しないようにがんばっては来たつもりです。今では便利になったもので、AIがなんでも聞けば答えを出してくれるので、法律ノートのように、皆さんからの質問にお答えするというパターンもどこかで代替されていくのではないかと思っています。

今回は皆さんからいただいている質問にお答えすることを一回休ませていただき、ちょうど弁護士30年目の節目でもありますので、この30年を簡単に振り返って備忘録代わりにもさせていただこうかとわがままを考えています。

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法律ノート 第1499回 弁護士 鈴木淳司

11/17/2025

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現政権の指示で、今後1セント通貨の新規発行が廃止されました。日本の一円玉も作るのに1円以上かかるそうですが、通称ペニーと呼ばれる1セント通貨も同様にコストが上回るそうです。お金もデジタルに移行しつつあり、割り勘をするにもスマホがあれば済む時代になったわけです。アメリカの小さな商店に行くと、レジ脇にトレーがあって、ペニーがあれば置いて、手持ちが足りなければそこからもらったりするということもこれからはなくなっていくのでしょうね。道端に落ちているペニーを拾うと幸運が訪れるというラッキーペニーという言葉も廃れていくのでしょうか。一円を笑うものは一円になくという諺も変化していくのかもしれません。

さて、前二回、リビングトラストのことについて皆さんと考えましたが、その法律ノートを読んでくださった読者数名の方から関連する質問をいただきました。子供がいない夫婦に関しての質問です。ここでいただいた質問の一つを取り上げて考えていきたいと思います。ここで取り上げる質問はよくまとまっていて感心しましたが、さらに少しまとめると「米国籍で子供のいない夫婦です。主人と前妻(米国籍)との間に3人(米国籍)の子供がおりますが、私との間には子供はいません。財産は全て金融資産で、不動産はありません。主人名義の金融資産財産の受益者は配偶者である私になっているものと、銀行口座が共同名義のものとあります。このような場合、相続のために敢えてリビングトラストを作成しなくても良いでしょうか。それと夫の前妻との間にいる子供たちには私が亡くなった後の金融資産の受益者として彼らの氏名の記載があります。」

今回質問されている御夫婦は不動産をお持ちにならないということです。そして、すでに、銀行口座がジョイントアカウントであること、他の金融資産は受益者が明記されているということから、結論から言うと、信託(リビングトラスト)の作成は必要ないかもしれません。一方で、ご夫婦になんらかの特別な目的がある場合などは、リビングトラストを作成することで、利点が活かせる可能性はあります。

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法律ノート 第1497回 弁護士 鈴木淳司

11/2/2025

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週末の野球、ワールドシリーズ第7戦はすごい白熱して最後まで動けませんでした。友人たちもこの話をしたら、一夜明けても疲れたなどといっていました。両チームとも卓越した野球をやって歴史に残る試合になったと思います。日本人選手の活躍もかなり光りましたね。ジャイアンツもマネージャーを変えて来年がんばってもらいたいものです。皆さんの週末はいかがだったでしょうか?

さて今回から新たに皆さんから頂いている質問について考えてみましょう。読者の方で法律的な質問がある方は法律ノート([email protected])にぜひ質問をされてください。場合によっては、直接お答えして終わる場合もありますが、できるだけ早いうちに法律ノートで取り上げていきたいと思います。今回考える質問をまとめると「カリフォルニア州在住の者(女性)です。アメリカ人の主人と結婚してすでに30年ほどカリフォルニアに住んでいます。一昨年夫は他界しました。子供はいません。最近になって、私も一人になり日本にいる姪っ子に財産を残したいと思っています。しかし、アメリカにある財産を日本にいる姪っ子に残すということができるのか、不安になっています。アメリカに住む人に相続させたほうが良いのでは、という友人もいます。現在私が持っていて相続させたいと思っている財産は、私が住んでいる自宅が一件と投資口座一つが主なものです。」というものです。
カリフォルニア州に居住されている方が、日本に居住されているご家族に対して、ご自身の財産を遺言(Will)または信託(Trust)によって遺贈あるいは譲渡することは、カリフォルニア州法によると有効です。この手続は、カリフォルニア州の法律が国際的な財産移転に対して柔軟な規定を設けていることから実現可能であります。特に、カリフォルニア州相続法によると、遺言の形式的有効性や信託の設定に関する幅広い規定を設けており、国境を越えた財産承継の道を開いています。

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法律ノート 第1496回 弁護士 鈴木淳司

10/24/2025

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(最近、回数の付け方が間違っていて申し訳ありません。今回確認したところ1496回でした。読者の方から指摘を受けました。もうすぐ、1500回に至るところです。)

何をどうやったのかわかりませんが、連邦の保安隊をサンフランシスコに派遣するということになっていた事態に関し、現政権がこの数日間に派遣を撤回したというニュースが話題になっていました。ロサンゼルスやオレゴンではかなりのニュースになっていた連邦保安隊の派遣ですが、サンフランシスコでは一時停止のようです。なんでも、サンフランシスコの犯罪がかなり減っているということが理由のようですが、結構小さい犯罪は減っていないように思います。連邦政府が入ってくるかどうかは置いておいて、犯罪を減らすための保安強化という側面ではもう少し、サンフランシスコ警察の行動もなんとかしたほうがよいのかなぁ、と私見を持っています。

さて前回から考えてきた「日本でアメリカ人男性と結婚し、その後カリフォルニアに移住して20年ほど暮らしています。私達には一人息子がおりまして、来年には大学に進学したいと本人も願っています。できればカリフォルニアにいてもらいたいと両親は願っていますが、色々な考えを息子はもっています。大学進学について興味を持って私自身も親として調べていたところ、大学入学の際のアファーマティブ・アクションが撤廃されている、といった記事を多くみかけます。アファーマティブ・アクションというのは、一般的に差別等の歴史があることから、人種が絡んでいる政策ということは理解しているのですが、一方でこの撤廃というのが、どのように私の息子の大学進学に影響するのか漠然としかわかりません。どのように法律が変わって現在に至るのか、私が理解できるように取り上げていただけないでしょうか」という質問を今回続けて考えていきたいと思います。

前回は、公民権運動の法律に関する歴史について考えました。今回はアファーマティブ・アクションについて考えていきましょう。前回同様、今回もできるだけ客観的に考えるようにしmす。さて、前回考えた公民権法と投票権法の成立により、法律上の差別(de
jure discrimination)は終わったことになりました。日本人なら良くわかりますが、本音と建前は違うのが現実です。様々な分野で、経済的、実質的な差別があるという主張がなくなることはありませんでした。こうした状況に対し、「単に機会の平等を宣言するだけでは不十分だ」という認識が広がり、実質的な平等を達成するために、「より積極的な介入が必要である」という考え方が生まれました。これが「アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)」です。
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法律ノート 第1945回 弁護士 鈴木淳司

10/18/2025

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 先月、財界要職の方のお招きで前経済再生担当の赤沢亮正大臣と夕食を共にさせていただき連絡先の交換までさせていただきました。アメリカ連邦政府との関税交渉の過程についてかなり日本の行政、特に財務省や経産省の優秀な方たちも活躍されたということを聞きました。本当にお疲れ様でした、と言う所感です。そしてその夕食から一ヶ月も経たないうちに、また日本の政局は混乱し、あらたに組閣されるであろうということです。強いリーダーが出てきません、というか出にくい状況に日本の政治はあるのでしょう。本当に国益を考えて政治家の方たちは動いているのだろうか、憂慮しています。国内の諸問題の解決や経済の充実もありますが、せっかく築いてきたアメリカとの外交はどうなってしまうのでしょうか。理念は良いのでしょうが、方向性が明らかな、プラグマティックな政治というのが今日本には必要ですよね。

 さて、今回からまた皆さんと新しくいただいている質問について一緒に考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると、「日本でアメリカ人男性と結婚し、その後カリフォルニアに移住して20年ほど暮らしています。私達には一人息子がおりまして、来年には大学に進学したいと本人も願っています。できればカリフォルニアにいてもらいたいと両親は願っていますが、色々な考えを息子はもっています。大学進学について興味を持って私自身も親として調べていたところ、大学入学の際のアファーマティブ・アクションが撤廃されている、といった記事を多くみかけます。アファーマティブ・アクションというのは、一般的に差別等の歴史があることから、人種が絡んでいる政策ということは理解しているのですが、一方でこの撤廃というのが、どのように私の息子の大学進学に影響するのか漠然としかわかりません。どのように法律が変わって現在に至るのか、私が理解できるように取り上げていただけないでしょうか」というものです。

 ちょうど、今の時期は大学進学のための申請が佳境を迎えるときですから、このトピックもかなり以前にいただいていましたが、時期的には良いものだと思って取り上げさせていただいております。長い文章の質問をいただいて端折って取り上げさせていただいていますが、白人ではないアメリカ人男性と日本人女性の間に生まれたお子さんの大学進学について、憂慮されて質問をされているということだと思います。

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法律ノート 第1494回 弁護士 鈴木淳司

10/10/2025

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 秋が本格的に訪れてきました。皆さんのお住いの地域でも少し暑さは和らいできたのでしょうか。しかし、今年は暑い日がありました。日本でも全国的にサウナ状態でしたが、アメリカでも異常な暑さでした。そしてすぐに冬になってしまうと、本当に秋が短くなってしまいますよね。短くてもとにかく秋を楽しもうと、きのこや秋の魚を買って食べていますが、皆さんはどのような食材で秋を感じられていらっしゃるのでしょうか。ぜひ教えて下さい。

 さて、前回から考えてきた、「カリフォルニアのIT企業に勤めています。最近、会社内でリストラが行われるという噂があり、戦々恐々としている状況です。なにか退職のためのパッケージが用意されるという話もありますが、一方で自衛のために失業手当を受けられるか、どの程度の額を受けられるか知りたいと思います。州によっても違うと聞いているので、カリフォルニアにおける枠組みをわかりやすく教えていただけないでしょうか」という質問を今回続けて考えていきたいと思います。

 前回、失業手当というのは一時的な審査で継続的に給付を得られるわけではなく、継続的に仕事をみつける努力など、給付を受けるかわりに、いろいろな義務を負うことになります。さて今回はまず失業手当の審査について不適格とされてしまう場合を考えていきましょう。

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法律ノート 第1493回 弁護士 鈴木淳司

10/6/2025

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皆さんは秋の味覚を楽しまれていますか。まだ暑い日があっても、きのこやサンマは本当に美味しいですね。季節を感じられるということは生きていることの特権であります。もうハロウィンがすぐそこに来ていると思うと一年経つのは早いな、とつくづく思います。みなさんは、どのような秋を楽しまれていますか。

さて、今回取り上げる質問をまとめると「カリフォルニアのIT企業に勤めています。最近、会社内でリストラが行われるという噂があり、戦々恐々としている状況です。なにか退職のためのパッケージが用意されるという話もありますが、一方で自衛のために失業手当を受けられるか、どの程度の額を受けられるか知りたいと思います。州によっても違うと聞いているので、カリフォルニアにおける枠組みをわかりやすく教えていただけないでしょうか」というものです。

今回の質問はカリフォルニア州における失業手当の受給についてのものです。以下、全体像をみていきますので、参考にしていただければ幸いです。まずカリフォルニア州の失業手当に関しては、カリフォルニア州失業保険法(California
Unemployment Insurance Code)が適用されることになります。この失業保険法においては、法定の受給資格基準、失格事由となる理由、給付金を受け取る者が継続的に満たすべき要件、そして適用される例外規定などについて定めらています。この法律を理解することが重要になるわけです。失業手当を受けるためには、個人が受給開始時の要件とその後、継続的に満たさなければならない要件をクリアーしなければなりません。

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法律ノート 第1492回 弁護士 鈴木淳司

9/30/2025

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ドジャースがナショナルリーグ西地区の優勝を決めましたね。おめでとうございます。ジャイアンツファンとしては、うむ、という感じですが、日本人選手の活躍はとても嬉しいです。ジャイアンツは最終的には微妙な結果にはなりましたが、来年に期待したいところです。もうアメリカンフットボールの季節になりました。リセットして、今度は49ersを応援していこうと思います。みなさんは、夏っぽい秋ですが、秋を楽しまれていますか。

今回は、時事の移民法に関するトピックをまた取り上げていきたいと思います。何件も似たような質問を法律ノート宛([email protected])にいただいているので、憂慮されている方々も多いようです。今回直近でいただいた質問をもとにお答えしていきたいと思いますので、今まで質問を送られて来た読者の方たちには申し訳ないです。いただいている質問をまとめると「毎回法律ノートをじっくりと読ませていただいています。そうなんだ、と教えてい頂いております。つい先日米国法令の遵守に関して再度の注意喚起のメールが日本国総領事館から届きました。その内容で気になったことがあります。そこには、「米国への不法入国、不法滞在やその他の法令違反(飲酒運転等)は、逮捕・罰金・懲役、さらには査証・滞在資格が取消され、国外退去となり、その後再入国禁止となる可能性がありますので、注意してください。」とありました。実は家族が15年ほど前に飲酒運転で捕まった事がありました。科せられたことは全て済ませ普通に暮らしてきておりますが、海外から戻ってくると必ずイミグレーションで止められてしまいます。聞く所によれば、10年経てば履歴は消える筈らしいのですが。この度の領事館からの注意喚起で不安を覚えています。我が家のケースの様に15年も前の飲酒運転でも、拘留や国外退去の対象になりうるのでしょうか?私達はグリーンカードを1998年に取得して今に至っております。」という質問です。とても端的に心配されているポイントを纏めていただき質問をされていただいたものですので、同様の質問もありましたが、代表的に取り上げさせていただきました。

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法律ノート 第1491回 弁護士 鈴木淳司

9/22/2025

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■2025年9月19日に発令されたH-1Bビザに関する大統領令について

金曜日だった、2025年9月19日に突然、まったく何の前触れなしに、H-1Bビザ発給についてかなりの締付となる大統領令が発令されました。オンラインの翻訳記事には、「布告」という単語を使っていますが、明治時代に「布告」は廃止され「法律」か「命令」のどちらかに法律用語ではなりましたので、ここでは大統領令の発令ということで統一します。

 今回は、皆さんからいただいている質問にお答えするのを一回休ませていただき、日本人だけではなく多くの外国人学生でこれから職をアメリカ国内で探すことを考えられている方々に多大な影響をもたらす可能性がある大統領令ですので、この法律ノートを書いている時点(2025年9月21日)でわかっている内容をご紹介したいと思います。現状では、大統領令と、一つ補足となる政府からの通達がでているだけですので、まずはその内容を正確に把握したいと思います。

 H-1Bビザというのは、毎年度発給数が決められているビザですが、いわゆる「専門職」ビザと呼ばれるものです。昔からアメリカに留学してきた外国人学生が、卒業の際に自国に戻らずアメリカで就職したいと思った場合に利用するビザとして使用されてきました。学生ビザであるFビザから、H-1Bビザで就職し、就職している間に永住権を申請する、という王道の就労系で永住権を取得する方法でした。多くの学生は、この道を通って永住権を取得していくというのがパターンになっていました。したがって、アメリカン・ドリームを夢みる学生には、H-1Bビザはなくてはならない就労ビザでありました。企業側も、特に2000年代以降は、エンジニアやIT関係などの分野において、不足している人材を採るのにH-1Bビザを利用していました。一時期は、H-1Bビザの年度発給数を上げるような措置もしていて、特に多くの中国人・インド人学生がIT分野でアメリカでの就職を目指していました。一方で、H-1Bビザの申請を濫用する事例も多くでてきて、申請内容とは別の就労を実際にさせたり、傀儡的な企業を使って、別の用途にビザを利用したりする事例もありました。最近ではH-1Bは応募人数が発給枠を大きく超えてしまったことから、何度も同時に抽選に応募したりする潜脱事例が表面化するなど問題も多く発生していました。また、IT系では給与の高い外国人が多いことから、アメリカ国民の利益が害されるという意見も出てきていました。
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