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法律ノート 第1536回 弁護士 鈴木淳司

8/10/2026

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8月に入り、アメリカでは、もう新学期がはじまりました。日本では夏休み真っ盛りの時期ですが、アメリカでは、すでに6月から休みのところも多いわけです。スクールバスや送り迎えの車で道が急に混みはじめ、ああ夏も後半なんだな、と実感させられます。皆さんはいかがお過ごしですか。

さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「一部個人のデータを扱う日本企業からカリフォルニアの企業に出向している日本人です。現在、アメリカのデータ関連企業と業務を提携しているのですが、最近DROPに気をつけなければならないということを聞きました。私はアメリカに出向しているだけですが、所属会社自体は日本にあるので、このDROPはアメリカの企業には影響しても所属元の日本企業には適用されないと考えてよろしいでしょうか」というものです。

ご質問ありがとうございます。今月から本格的に施行されたばかりの新しい制度ですが、質問をいただいた方も言われているように、以前から、企業では結構議論がされている内容です。結論を先にいってしまうと、「会社が日本にあるから適用されない」と考えるのは危険です。ただ、その理由を理解していただくには、まず制度の仕組みを整理する必要がありますので、今回と次回の二回に分けて考えていきたいと思います。

前提となるのは、カリフォルニア州の個人情報保護法制です。カリフォルニア州には消費者プライバシー法(California Consumer Privacy Act・CCPA)という法律があり、消費者に対して、事業者が保有する自分の個人情報の開示、削除、販売停止などを請求する権利を認めています。その後、住民投票による改正を経て、執行機関としてカリフォルニア州プライバシー保護局(California Privacy Protection Agency・CPPA)が設置され、規制は年々強化されてきています。
いるといわれています。

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法律ノート 第1535回 弁護士 鈴木淳司

8/1/2026

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今年の夏はやはり北カリフォルニアでも暑いようで、まだ8月のはじめだというのにワイングレープの収穫がはじまっているようです。白ワインから収穫がはじまりますが、一ヶ月近くもはやくワインになるそうです。近年では、若い人があまりワインを飲まなくなったということで、ワイン業界全体がダブついているようですが、季節に左右される商売は大変です。
さて、引き続き考えている質問をもう一度確認しておきましょう。いただいている質問をまとめると「私は日本から移住してきて、アメリカ人の夫と30年ほど一緒に住んでいました。子はいません。一昨年夫が病気でなくなりました。友人はたくさんおりますが、私の家族はアメリカにはおりません。妹が日本におり、甥っ子、姪っ子の2人がいます。将来は私も日本に戻ることも考えていますが、現在日本に住んでいる妹の子ども二人に財産を相続させたいと思っています。財産は家と銀行口座の預金です」というものです。

これまでに、無遺言のままでは原則として妹さんが法定相続人となってしまうこと、そして、甥御さん・姪御さんに確実に承継させ、かつプロベート(Probate・検認手続)を回避するためには、撤回可能生前信託(Revocable Living Trust)を軸としたエステートプランニングが有効であることを考えてきました。今回は、多くの方が気にされる税金の問題と、将来日本へ帰国される場合の注意点です。

まずアメリカ側です。アメリカには、亡くなった方の遺産そのものに課税する連邦遺産税(Federal Estate Tax)があります。もっとも、遺産税には大きな基礎控除(Exemption)があり、2026年現在、一人当たり1500万ドルという水準です。アメリカに住所(Domicile)を有する方が亡くなられた場合、遺産の総額がこの金額を超えなければ、連邦遺産税は課税されません。また、カリフォルニア州には、州独自の遺産税や相続税はありません。したがって、アメリカ側の税金は、多くの方にとって現実には大きな問題にならないことが多いのです。

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法律ノート 第1534回 弁護士 鈴木淳司

7/27/2026

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最近のニュースで驚いたのが、あるAIが他社のAIに自動的に侵入していた、というものです。人間が関知せずに、勝手にAIが動いて、いわば他人の家に入って飯を食べているようなものです。こわいですね。今、AIがウイルスにも利用されていて、詐欺やハッキング被害が増えていますが、これからはAIを導入してAIと対峙するという世界になっていくのでしょうか。
さて、前回から考えている質問をもう一度確認しておきましょう。いただいている質問をまとめると「私は日本から移住してきて、アメリカ人の夫と30年ほど一緒に住んでいました。子はいません。一昨年夫が病気でなくなりました。友人はたくさんおりますが、私の家族はアメリカにはおりません。妹が日本におり、甥っ子、姪っ子の2人がいます。将来は私も日本に戻ることも考えていますが、現在日本に住んでいる妹の子ども二人に財産を相続させたいと思っています。財産は家と銀行口座の預金です」というものです。
前回は、何も対策をしないまま亡くなられると、無遺言相続(Intestate Succession)の法定順位により、原則として妹さんが相続することになり、甥御さん・姪御さんに直接残したいというご希望は実現しない、というところまで考えました。今回は、前回の最後に触れたプロベート(Probate・検認手続)の中身と、その回避方法を考えていきます。
プロベートというのは、亡くなった方の財産を、裁判所の監督の下で、人格代表者(Personal Representative・遺言執行者や遺産管理人のことです。)が集めて債務を清算し、相続人や受遺者・受益者(Beneficiary)に分配する手続です。ここで注意していただきたいのは、遺言を書いておいてもプロベートは原則として必要になる、という点です。遺言は「誰に承継させるか」を指定する意思表示ですが、その内容を実現するためには、やはり裁判所の手続を経る必要があるのです。カリフォルニア州では、一定額を超える遺産についてプロベートが必要とされており、ご自宅のような不動産をお持ちの場合には、原則として対象になると考えていただいたほうがよいと思います。

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法律ノート 第1532回 弁護士 鈴木淳司

7/13/2026

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​ 夏真っ盛りのカリフォルニア州ですが、私は来週から色々会議に追われそうです。夏は旅行の季節ですが、「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」ということで、仕事以外の時間も楽しみではあります。みなさんは気分転換などでどこかにいかれていますか。私も週末に友人家族らと山間部にある川にいって涼んだり水遊びをしたりして気分転換になりました。

 さて、前回に引き続き、本年7月1日にカリフォルニア州で施行された重要な新法を続けて考えていきたいと思います。前回は、チェーンレストランにおける食物アレルゲン表示の義務化(SB68)、食品の日付表示の統一(AB660)、各市・郡および業種別の最低賃金の引き上げ、そしてガソリン税の引き上げという、食品・消費者保護と労働・税に関する新法を取り上げました。今回は、住宅、交通、テクノロジー、そして銃規制に関する五つの新法を考えていきたいと思います。

1 公共交通機関の近くにおける高密度住宅開発の促進(SB79)
 カリフォルニア州の深刻な住宅不足への対応として制定された「Abundant and Affordable Homes Near Transit Act」と呼ばれるSB79は、鉄道の駅や主要なバス停等の公共交通機関の停留所から半マイル(約800メートル)以内の地域について、地方自治体の制限的なゾーニング(用途地域規制)に州法が優先し、高密度の集合住宅の開発を可能にするというものです。交通機関への近接性に応じて、建物の高さと密度についての州全体の最低基準が設定される一方、開発者には一定の手頃な価格の住宅を敷地内に供給する義務や、既存の賃借人の立ち退きを防止するための保護措置が課されます。また、地方自治体には段階的な導入のための代替的な遵守方法が認められ、山火事の高リスク地域や歴史的地区については一時的な適用除外もあり得ます。不動産の所有・開発・投資に関わる方には影響の大きい法律ですので、対象地域に不動産をお持ちの方は確認をお勧めします。東京には、よくある「駅近物件」の建設を促進させていこうという方針を取っているのがわかります。

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法律ノート 第1531回 弁護士 鈴木淳司

7/4/2026

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【お詫び】読者の方から第1531回を受領していないという連絡を受けました。
メーリングリストの送信で手違いが発生したようです。再度、読者の皆様にお送りします。

 7月4日の独立記念日を迎え、アメリカは花火や祝祭で賑やかな季
節となりました。「夏真っ盛り」ですね。カリフォルニア州では、新法の施行日(Effective Date)は原則として1月1日とされていますが、州の会計年度が始まる7月1日に合わせて施行される法律も少なくありません。本年も7月1日付で、私たちの生活やビジネスに直結する重要な新法が数多く施行されました。今回は、読者の方からのご質問に対するお答えを休ませていただき、今回と次回2回に分けて、特に重要と思われる新法を取り上げたいと思います。今回はまず、食品・消費者保護と労働・税に関する新法を考えましょう。

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法律ノート 第1530回 弁護士 鈴木淳司

6/29/2026

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 今回は皆さんからの質問にお答えするのを一回休ませていただいて、自分への戒めも兼ねて、最近私が体験したことをご紹介させていただきたいと思います。
 
ロサンゼルスエリアに弁護士の免許も持たないのに、あたかも弁護士のように振る舞い、そして日本人が被害に遭っている事例の救済を最近頼まれました。弁護士の資格がないのに、法律業務を行うのは非弁行為といって、最悪の場合には刑事罰も適用されます。数年前、この非弁をしている人の酷いミスで、事件がぐちゃぐちゃになった案件を途中から救済しました。あまりにも酷いので、弁護士会がこの輩に制裁したのですが、先週になって、またこの非弁行為者による被害者の相談を受けました。どうも故意に新たにビジネスをつくり、非弁行為を続けているみたいなのです。ここまでいくと病気だと思います。違法なビジネスを潰されても何度もやるくらいのエネルギーがあるなら、まともに勉強して法律家になればよいのにと思います。一方でこのような輩がのさばるのは、依頼をしてお金を払う人がいるからです。騙されているのか、安くてよいか、と思うのか、動機は色々あると思いますが、たとえばカリフォルニア州の弁護士会に登録すると登録番号をもらえます。私の番号は184738ですが、まず相談をするときには、懲戒処分をされた履歴があるのか、弁護士登録番号があるのか、程度はチェックするべきだと思います。また、最近では「Web検索で上位にくるから頼んで失敗した」といった事例も持ち込まれますが、できれば紹介の方が良いと思います。私自身も、ほぼ日本やアメリカの同業者の方々から紹介を受ける例が大半です。紹介というのは、今も昔も一番依頼者にも弁護士にも安心できる方法だと思います。依頼をする方々においても、誰に頼むかは慎重に考えた方が良いですし、まずはお互いに信頼関係が結べるのかが鍵になります。その信頼には、ちゃんと弁護士免許をもっていて、登録をしているということが、そもそもの基礎としてなければいけないわけです。皆さんも「弁護士」かどうかは少なくとも確認してから依頼はされてください。

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法律ノート 第1529回 弁護士 鈴木淳司

6/22/2026

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​今までサッカーにはあまり興味がなかったのですが、ワールドカップを実際に観戦してとても楽しく盛り上がる体験をしました。90分間全力で走り回るだけでも大変でしょうが、競り合っていかなければならないわけですので、これは過酷なスポーツです。少し歳を取るだけでも重圧になるでしょう。長年、出場し続けている選手もいますが、体のコンディショニングもストイックにならなければ、国の代表はなれないのでしょうね。また、国ごとの戦いというのもプライドや自国愛などで特別な雰囲気をつくっていますね。皆さんはワールドカップを観ていらっしゃいますか。
 
さて、前回から引き続き「日本から駐在に夫が駐在に来ていて私も同行しています。子供はまだいません。夫の勤める会社の現地社長(日本から赴任)が最近逮捕されたようで、私も夫も不安です。どうも、ポルノ動画関係らしいということなのですが、調べてもピンときていません。実は私の夫もポルノ動画などを見ていることは薄々わかっているのですが、夫もなにかトラブルに巻き込まれないか心配です。ポルノを観ると処罰されるのかアメリカの法律を教えていただけないでしょうか」という匿名の方からいただいた質問を考えていきたいと思います。処罰される児童ポルノ(CSAM)に焦点を当てています。
 
前回は、カリフォルニア州の犯罪としてのCSAMを考えましたが、今回は続けて連邦法についても考えていきたいと思います。

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法律ノート 第1528回 弁護士 鈴木淳司

6/15/2026

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​ワールドカップがアメリカでも始まりました。アメリカ人の友人は「点が全然入らないし、つまらない」と言ったりしているものの、至る所で盛り上がっています。ただ、観戦チケットの値段が元値でも高すぎますね。もちろん4年に一度のお祭りというのはわかりますが、1000ドルが当たり前というのだと、一般の人たちはなかなか気軽にはいけない値段です。みなさんはサッカー観戦楽しまれていますか。
さて、前二回、移民関係の速報をさせていただきましたので、さらに遡って二回続けて考えた匿名の方からの質問、「日本から駐在に夫が駐在に来ていて私も同行しています。子供はまだいません。夫の勤める会社の現地社長(日本から赴任)が最近逮捕されたようで、私も夫も不安です。どうも、ポルノ動画関係らしいということなのですが、調べてもピンときていません。実は私の夫もポルノ動画などを見ていることは薄々わかっているのですが、夫もなにかトラブルに巻き込まれないか心配です。ポルノを観ると処罰されるのかアメリカの法律を教えていただけないでしょうか」というものを今回続けて考えていきたいと思います。間が空いてしまいすみませんでした。前回までで、どのようなポルノ動画が問題になるのか、どのような捜査方法で、犯罪者を特定するのかを考えました。今回は児童ポルノ(CSAM)の罪とはどのようなものか、罪に問われるとどのような射程で罪が考えられるのかを考えていきたいと思います。
 さて、アメリカにおいて刑事罰というのは、連邦の法典にも記載されていますし、各州の法律でも制定されています。まず、カリフォルニア州における刑罰について考えます。

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法律ノート 第1527回(じんけんニュース号外)弁護士 鈴木淳司

6/5/2026

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サッカー・ワールドカップがもうすぐアメリカで始まりますね。ベイエリアでも試合が行われるということで賑やかになって良いことです。サッカーファンには4年に一度の貴重な機会です。一方で、米国移民局も多く会場に出動するという話が取り上げられていて、不安が煽られています。何が起こるかわかりませんが、政府としてクリアーな移民局の活動指針をだしてもらえると嬉しいところです。

 さて、皆さんからいただいている質問への回答が中断されていますが、また日本人も含めアメリカで暮らす外国人ビザ保持者には気になる移民行政の指針が発表されましたので今回も前回に続き、移民に関する話題を取り上げたいと思います。主に、H-1Bビザでアメリカに滞在されている方に影響します。H-1Bビザというのは、雇用主が固定されていて、雇用主が変わる場合には、再度申請をする必要があります。トランスファーという場合もありますが、基本的には取り直し、ということになるわけです。この雇用主の変更についてスムーズにいかない場合もありますので、雇用主を変更する間の空白期間において、Bビザを使うということが今までは行われていました。この空白期間について今回、移民局の通達で物言いがついたということなのです。雇用主を変えるということはアメリカではよくあるわけで、レイオフ(解雇)も珍しくありません。ですので、H-1Bビザをもつ外国人にとって、今回の通達の影響は大きく響く可能性があるのです
。
今回は少し長くなりますが、まず、非移民ステータス変更(Change of Status、以下「COS」といいます)の一般論から説明させてください。COSとは、移民国籍法(INA)第248条(8 U.S.C. § 1258)および連邦規則集第8編第248条(8 C.F.R. § 248.1)に定められている法的手続です。米国内に適法に在留する外国人が、いったん出国・再入国することなく、現在の非移民ステータスから別の非移民ステータス(たとえば、学生ビザから就労ビザ、就労ビザから就労ビザなどです。)へ変更するための制度です。例外はありますが、基本的に、申請するためには、(1)申請時において適法な非移民ステータスを現に維持していること、(2)当初の入国に付された条件に違反する行為がないこと、(3)INA第214条(a)が定める出国命令に違反していないこと、および(4)変更後のステータスの実体的な内容に合致する申請内容である、という4つの要件を満たさなければなりません。

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法律ノート 第1526回

6/1/2026

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今回は、前回まで考えた児童ポルノ犯罪に関して一度お休みさせていただき、移民法に関する行政ルールの変更について考えていきたいと思います。

 2026年5月21日、米国市民権・移民局(U.S. Citizenship and Immigration Services、以下「USCIS」)は、アメリカ国内からのグリーンカード(永住権、Lawful Permanent Residence)申請手続きに関する新たな政策覚書(Policy Memorandum PM-602-0199)を発表しました。この変更は、アメリカに合法的に在留している数十万人規模の外国人に対して甚大な影響を及ぼし得るものであり、移民法実務に携わる弁護士として、読者の皆さんに緊急で情報をお伝えする必要があると判断し、移民法に関することなので、じんけんニュースの号外とも位置づけて考えていきたいとおもいます。大きな観点からは今回USCISが発表している変更は、法律の変更ではありません。したがって議会の承認は不要という建前です。USCIS内部の運用変更という位置づけでの発表ですが、実際には永住権申請に重大な影響を及ぼすことになりそうです。

まず、アメリカで永住権(グリーンカード)を取得するための手続方法は、大きく分けて二つのルートがあります。一つ目は「Consular Processing(在外公館審査)」、二つ目が「Adjustment of Status(身分調整手続、以下「AOS」)」です。
 在外公館審査とは、申請者が本国またはその他の国に設置された米国大使館・領事館において移民ビザ(Immigrant Visa)を申請し、査証(ビザ)が発給されてアメリカに入国した時点でグリーンカードが付与される手続きです。申請者がビザなどでアメリカに滞在している場合、いったんアメリカ国外に出て、そこから申請することが求められる方法論です。

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May 26th, 2026

5/26/2026

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​法律ノート 第1525回 弁護士 鈴木淳司
 
 私が関わっている案件でも、海上のロジスティクスに影響が出始めています。石油が手に入らないと生活に直接、間接影響することが身にしみますね。しかし簡単に戦争は終わりません。そもそも戦争は議会の承認がアメリカでは必要ですから、色々な名前をつけて戦争という定義を曲げていますが、どうみても実態は戦争だと思います。かりに現状が解決したとしても、上がった価格が落ちるのか。令和のオイルショックですね。皆さんの生活はいかがですか。
 
さて、前回から考え始めた質問を今回も続けて考えていきたいと思います。匿名の方から「日本から駐在に夫が駐在に来ていて私も同行しています。子供はまだいません。夫の勤める会社の現地社長(日本から赴任)が最近逮捕されたようで、私も夫も不安です。どうも、ポルノ動画関係らしいということなのですが、調べてもピンときていません。実は私の夫もポルノ動画などを見ていることは薄々わかっているのですが、夫もなにかトラブルに巻き込まれないか心配です。ポルノを観ると処罰されるのかアメリカの法律を教えていただけないでしょうか」というものでした。
 
今回は、どのような端緒から犯罪が明らかになっていくのか、現在のテクノロジーを踏まえて考えていきたいと思います。

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法律ノート 第1524回 弁護士 鈴木淳司

5/22/2026

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イランとの戦争が始まってから、石油の価格が1.5倍になっていると思います。なんでいきなりアメリカはイランを攻撃したのか、というと謎ではありますが、私の推測ではペトロ・ダラーが絡んでいるのだと思っています。今回いきなりアメリカが中国にまで、ビジネスの人たちをぞろぞろ連れて行ったのは、中国が石油におけるペトロ・ダラーを揺るがしている元締であるからでしょう。今度はホワイトハウスに中国を招待すると言っていますが、それまでに戦争は終わらないかもしれません。自動車に乗って移動するだけでも高い現状はこのまま続いてしまうのでしょうか。
 
さて、最近移民法ばかりを取り上げていましたが、数件気になる相談が寄せられています。すべて似たような事例ですが、かなりプライベートな相談ですので、知り合いを通じて私宛に「緊急」ということで、電話をかけてきたりする方もいます。そして、実際に今私が受任している事件にも似たものがあります。いただいている質問をまとめると、匿名の方から「日本から駐在に夫が駐在に来ていて私も同行しています。子供はまだいません。夫の勤める会社の現地社長(日本から赴任)が最近逮捕されたようで、私も夫も不安です。どうも、ポルノ動画関係らしいということなのですが、調べてもピンときていません。実は私の夫もポルノ動画などを見ていることは薄々わかっているのですが、夫もなにかトラブルに巻き込まれないか心配です。ポルノを観ると処罰されるのかアメリカの法律を教えていただけないでしょうか」
 
まず、アメリカでは表現の自由というのがありますから、一般的にポルノは禁止されているわけではありません。もちろん各州で色々な規制はあるのですが、基本的にはポルノをインターネットで閲覧することが法に触れるわけではありません。
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法律ノート 第1523回 弁護士 鈴木淳司

5/12/2026

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最近のカリフォルニア州の裁判所の人手不足は、法曹にとって危機的なものだと感じています。一体、裁判所に与えられる税金は少なくなる一方なのでしょうか。前回、実は私が以前裁判官をしていた部署に継続する部署に簡単な申立の案件で出席していたのですが、実に3時間半くらい待たされ、実際のヒアリングは5分でした。色々な部署の事件を一つの法廷にまとめて今はやっているのでしょう。もう、裁判所の仕事には戻れないかな、と思わされました。ある裁判所に訴状を提出しても、審査に1か月近くかかっているところもあります。こういった今回の社会のサービスが回っていないのは法廷弁護士をやっていて、憂鬱になります。30年も弁護士をやっていて、これだけ司法にまわってくる税金が少ないのか、と心が痛くなります。

 さて、前二回 「日本在住の者です。アメリカに住んでいる長年の友人が退職をして、新しくビジネスをはじめるということで、一緒にやらないかと誘われています。そこまで貯金があるわけではないですが、相当額を出資してくれれば良い、という話です。不動産を買い、運用するというビジネスです。出資するにあたり、法人をつくるということでその持ち分を渡すと言われていますが、ピンときていません。どのような法人がアメリカにはあって、私が出資する際にどのような法人だと安心できるのでしょうか。」という質問を考えました。前回は、LLCとLPが不動産投資では一般的であるということを考えました。今回は、質問されている方が、最低限確認すべき事項を整理します。最も重要なのは、Operating Agreement(またはLimited Partnershipの場合はLimited Partnership Agreement)の内容を精読することです。友人の口約束だけでは法的保護を受けることができません。

 第一に、出資比率と持分(Membership Interest)の割合です。「相当額を出資すれば持分を渡す」という口頭の約束が、書面上では何パーセントの持分として表現されているかを必ず確認してください。出資額と持分比率が明確に対応していない契約書には警戒が必要です。


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法律ノート 第1522回 弁護士 鈴木淳司

5/5/2026

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オンラインの放送で、OJシンプソンのドキュメンタリーを見ていました。私がちょうど法律を勉強し、弁護士になる当時のことでした。実際のトライアルを担当した裁判官であったIto判事とも個人的に話す機会があったことと相まって感慨深い事件の反芻ドラマでした。テレビを法廷にいれてしまうと、法曹だけでなく、メディアも一般の人たちにも多大な影響を良くも悪くも与えた事件でした。実際に私もかなり影響を受けたな、とこのドキュメンタリーを見ながら思っていました。

 さて、前回から考えてきた「日本在住の者です。アメリカに住んでいる長年の友人が退職をして、新しくビジネスをはじめるということで、一緒にやらないかと誘われています。そこまで貯金があるわけではないですが、相当額を出資してくれれば良い、という話です。不動産を買い、運用するというビジネスです。出資するにあたり、法人をつくるということでその持ち分を渡すと言われていますが、ピンときていません。どのような法人がアメリカにはあって、私が出資する際にどのような法人だと安心できるのでしょうか。」という質問を今回も続けて考えていきましょう。前回は、ビジネスにおける形態をいくつか取り上げました。

 さて、前回考えたビジネス形態のうち、不動産ビジネスにおいて最も広く利用されているのはLLCです。その理由は大きく三点あります。

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法律ノート 第1521回 弁護士 鈴木淳司

4/27/2026

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先日、プロ野球の試合を観戦していると、今年からビデオ判定が本格導入されたことに気づきました。微妙なプレーのたびに審判がイヤホンで指示を受け、AIが解析した映像をもとに最終判定を下す光景は、かつての職人的な審判の姿とはずいぶん異なります。「AIに仕事を奪われる」という話は弁護士業界でも他人事ではありませんが、グラウンドの審判台にまでその波が押し寄せていることを目の当たりにして、少し複雑な気持ちになりました。

さて、今回からまた新しい質問を皆さんと一緒に考えていきましょう。いただいている質問について固有名詞を削除して、まとめると「日本在住の者です。アメリカに住んでいる長年の友人が退職をして、新しくビジネスをはじめるということで、一緒にやらないかと誘われています。そこまで貯金があるわけではないですが、相当額を出資してくれれば良い、という話です。不動産を買い、運用するというビジネスです。出資するにあたり、法人をつくるということでその持ち分を渡すと言われていますが、ピンときていません。どのような法人がアメリカにはあって、私が出資する際にどのような法人だと安心できるのでしょうか。」

老後の資産を、信頼する友人のビジネスに投じるという行為は、一見すると「人間関係に基づく安心感」があるように思えます。しかし、法的観点から見れば、出資とは契約行為であり、それに伴う権利と義務は感情や信頼感とは切り離して考えなければならないと思います。まずはアメリカにどのような法人形態があるのかを整理した上で、出資者として注意すべきポイントを考えていきましょう。

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法律ノート 第1520回 弁護士 鈴木淳司

4/17/2026

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具体的には書きませんが、この二週間、弁護士の資格は持っているが、法律実務や一般の常識がない人間に複数名接して苦笑いするしかない経験をしました。弁護士の資格なんて勉強すれば取れるものですから、読者の皆さんも弁護士だからといって自動的に信用しないほうが良いです。常識というのはいわゆる難しい勉強しても身につかないものなのだと、つくづく思いました。ある程度歳を重ねても、社会人としての常識がないというのは見ていて憐れです。人生は長いようで短いでですから、関わらなくて良い人とはできるだけかかわらないようにしようと思いました。

さて前回から「私はアメリカ在住ですが、日本から家族が入国する際に毎回心配になります。昨今入国審査が厳しくなっていますが、虚偽の申告が最大のタブーであることは承知しています。過去に2〜3ヶ月アメリカに滞在した女性が審査で理由を聞かれた場合、なんと答えるのがよいでしょうか?「英語を学びたかった」「退職後のんびりしたかった」など、何を言っても怪しく聞こえてしまいそうで…。」という質問を取り上げました。入国審査において「観光でした」というシンプルな回答が最善であろうということを考えました。前回の法律ノートを読まれた読者の方から、さらに「ずいぶん前ですが、親戚の女性が半年くらいの間に2,3か月滞在を2回しています。今年入国する際に、そこを突かれないかと懸念しています。」という質問がありましたが、以前の出入国にも問題がなければ「観光でした」とシンプルに答えるのが最善なわけです。今回は、いくつか、具体的な受け答えのシナリオを考えてみましょう。

第一点目ですが「過去の長期滞在」を聞かれた場合、例えば、審査官に "You were here for almost three months last time. What were you doing?" と聞かれた場合、次のように答えましょう。

"I was here as a tourist. I traveled around the US — I visited Los Angeles, and San Francisco. I stayed with my friend in California for a
while."(観光で来ていました。ロサンゼルスとサンフランシスコを旅行しました。カリフォルニアの友人のところにしばらく滞在しました。)

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法律ノート 第1519回 弁護士 鈴木淳司

4/13/2026

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野球シーズンが本格的にはじまりましたね。私の所属する事務所はサンフランシスコの球場からすぐなので、ビルの周りにも人が多く賑わいはじめました。もちろん変な人も増えるのですが、夏みたいな気候と相まって、楽しいワクワクする季節であります。地元ジャイアンツも頑張ってほしいですが、ロサンゼルスドジャースには、往年のマイケル・ジョーダンみたいな選手が何人もいますが、日本人が主軸というのは、日本人にとっては誇りですが、ジャイアンツもぜひ日本のスター選手を引っ張ってきてもらいたいものです。

さて、皆さんからいただいている質問で、プライオリティが前後しますが、移民法に関するものをいただいています。このご時世ですので、優先的に取り上げた方が有益かなと思い、今回考えます。いただいている質問をまとめると「私はアメリカ在住ですが、日本から家族が入国する際に毎回心配になります。昨今入国審査が厳しくなっていますが、虚偽の申告が最大のタブーであることは承知しています。過去に2〜3ヶ月アメリカに滞在した女性が審査で理由を聞かれた場合、なんと答えるのがよいでしょうか?「英語を学びたかった」「退職後のんびりしたかった」など、何を言っても怪しく聞こえてしまいそうで…。」というものです。
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法律ノート 第1518回  弁護士 鈴木淳司

4/6/2026

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この週末はなかなか忙しくて、ずっと仕事をしていました。最近は人に直接会わなくても、オンラインでミーティングができるのは助かります。もちろん信頼関係は大事ですし、オンラインでいろいろ物事を行うと双方にとってメリットがあることが多いようにも感じます。ただ最近、あまりにもオンライン化が進んでしまうと、相手方が本当にどういう人間かがわからないことが多いなぁと言う気がします。AIと話をしているだけなら良いのですが、やはり人間を扱う弁護士としてはAIと人間の共存を考えていかなければならない分岐点には来ているかなあとは思います。
 
さて今回から皆さんから新しくいただいてる質問を考えていけたらと思います。いただいた質問をまとめると「昨年やっと2年ほど待って、アメリカ市民権を得ることができました。過去25年アメリカに住んでいましたが、3回飲酒運転で捕まったことがあります。現政権は市民権を持っていたとしても、帰化をした人たちに対して市民権の剥奪も考えていると言うことを打ち出していると思いますが、このような状況で私は市民権を維持できるのでしょうか」と言う質問です。また移民に関する法律の質問ですが、今の状況考えると、市民権をとっても不安が募る時期だと思います。
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法律ノート 第1517回 弁護士 鈴木淳司

3/30/2026

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信じられない位、ガソリンが値上がりしています。何のために戦争を始めて何のために人が死んでいるのか、政治的なコメントはここでは避けますが、一体アメリカという国はどこに向かっているのでしょうか。アメリカ人の友人と会っても、皆ため息ばかりです。


さて、前回から「カリフォルニアの田舎に主人の仕事の都合で住んでいます。アジア人はあまり周りにいません。今の主人と私、そして前の婚姻でできた息子と暮らしているのですが、最近息子の同級生同士(息子は関係ない)が喧嘩になり、一方の親から、私の息子も他方に加担して、あたかも犯罪行為を一方が行っていると学校内で吹聴しているので名誉毀損で訴える、という手紙が届きました。息子に聞いても、この手紙を送ってきた家の子に問題があったと言っており、そのことを学校内で話しただけだ、ということでした。今の主人は、そのようなものは放って置けば良い、ということですが、裁判までする、ということを言っているのでなにか対応を考えた方がよいでしょうか。」といういただいた質問を考えてきました。今回続けていきましょう。


前回は、「事実関係をちゃんと聞き取ることは重要だ」という内容を考えました。ここで、今回の舞台が「学校内」であるという点に注目する必要があります。カリフォルニア州の教育法(Education Code)には、生徒間のいじめや嫌がらせを防止するための厳格な規定がありますが、同時に生徒の表現の自由も考慮されています。特に、学校内で起きたトラブルについて生徒同士が情報を共有することは、直ちに法的責任を問われるような性質のものではありません。むしろ、相手方の親御さんがお子様に対して「訴える」と強く迫る行為が、状況によってはお子様に対する「威圧」や「嫌がらせ」とみなされる可能性すらあります。

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法律ノート 第1516回 弁護士 鈴木淳司

3/23/2026

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ベイエリアはこの一週間異常な暑さでした。今までの最高気温を塗り替えた場所もありますが、場所によっては30度を超える日もありました。アメリカで一番冷房の普及率が低いサンフランシスコですが、もしかしたらもう、冷房なくては生活できなくなるかもしれませんね。山の雪も溶け出して、スキー場も営業をやめるという話です。少し前には雪害が話題になったのですが。一気に暑くなったのが原因かはわかりませんが、アメリカでも花粉で苦しんでいる方が多くいます。やっと春なのに、色々な問題が起こるものです。

さて、今回から皆さんからいただいている質問を新たに考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると、「カリフォルニアの田舎に主人の仕事の都合で住んでいます。アジア人はあまり周りにいません。今の主人と私、そして前の婚姻でできた息子と暮らしているのですが、最近息子の同級生同士(息子は関係ない)が喧嘩になり、一方の親から、私の息子も他方に加担して、あたかも犯罪行為を一方が行っていると学校内で吹聴しているので名誉毀損で訴える、という手紙が届きました。息子に聞いても、この手紙を送ってきた家の子に問題があったと言っており、そのことを学校内で話しただけだ、ということでした。今の主人は、そのようなものは放って置けば良い、ということですが、裁判までする、ということを言っているのでなにか対応を考えた方がよいでしょうか。」というものです。


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法律ノート 第1515回 弁護士 鈴木淳司

3/16/2026

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イランの戦争の話題でもちきりですが、ガソリンの値段が異常に値上がって生活にも打撃になっています。私と同様に、色々皆さんも意見はあると思いますが、戦争の話題は気持ち良いものではありませんね。これからアメリカはどこに向かっていくのでしょうか。

さて、今回は皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいているメールをまとめると、「カリフォルニア州で米国人の夫と二人で住んでいます。私は永住権保持者です。最近、私の姪(日本国籍)が単身アメリカに日本から遊びに来ました。コロナもあったことから、とても久しぶりに遊びに来たのですが、アメリカ入国で1時間以上拘束されたようです。私どもも迎えに行って、長らく待つことになりました。このようなことが頻繁に起きているのか、対策はないのか教えてください。姪は日本で大学に通う学生です。」というものです。

姪御さんがせっかく日本から訪ねてこられたのに、入国審査で1時間を超える拘束を受けられたとのこと、心中お察しいたします。質問者の方も心待ちにしていた再会が、不安な待ち時間から始まってしまったのは、心苦しい出来事であったことが質問から察することがでいます。

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法律ノート 第1514回 弁護士 鈴木淳司

3/6/2026

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■       2026年3月に入ってからの移民法に関する動向

最近、寒暖差が激しいですが、皆さんどのようにお過ごしでしょうか。私は、たぶん花粉の影響だろうと思いますが、目が痒くなることがあります。生まれてはじめてです。花粉アレルギーの方は、季節的には良いけど、体調には過酷な時期なのかもしれません。2026年3月に入り、米国移民法関連もどんどん変化が生まれています。今回も、移民法のトピックを考えさせてください。皆さんにも影響するかもしれないトピックです。心苦しいですが、皆さんからの質問にお答えするのは先延ばしにさせてください。

まず3月4日に連邦最高裁判所は「ウリアス=オレリャーナ対ボンディ事件(Urias-Orellana v. Bondi)」において、難民申請(アサイラム)の審査基準に関する極めて重要な判決を下しました。この判決で最高裁は、移民控訴委員会(BIA)、つまり移民行政機関による「迫害」の有無の判断を連邦控訴裁が再審理する際、政府側に有利な「実質的証拠(Substantial Evidence)」基準を適用すべきであると全員一致で判示しました。もともと、移民法において「迫害」というのは、ある程度の状況証拠を示せば認められる傾向にありましたが、現状では具体的に「迫害」を受けてきた、という証拠を出さなくてはいけないのです。そして、一度行政段階で「迫害には当たらない」と判断された場合、裁判所がそれを覆すハードルが非常に高くなったことを意味しており、申請者は自国で迫害を受けていたことにつきより具体的な証拠の提示が求められる状況になりました。イコール難民申請はかなり認められにくくなっています。


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法律ノート 第1513回 弁護士 鈴木淳司

2/28/2026

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天気が格段に良くなってきましたね。日焼けするほど日差しが強く、朝晩はまだ寒いものの、花も綺麗です。キャンディーズではないですが、もうすぐ春ですね。一方で、私の友人は「花粉が、花粉が、」と怯えています。花も自分の子孫を残そうと必死になっているかもしれませんが、アレルギーがある方には辛い季節なのでしょう。さて、今回も皆さんからの質問にお答えするのを一旦休ませていただき、移民法に関する直近の状況を皆さんと一緒に考えていきましょう。移民に関してはかなり締め付けが活発になっています。現政権が当選した後ろ盾になった移民政策をここで活発化させることにより中間選挙を意識した政治的な動向といえるかもしれません。

まず、亡命制度の新規則案が発表されました。2026年2月20日、国土安全保障省(DHS)は「亡命申請者に対する就労許可制度の改革」を官報に公示したのです。この改正案の核心は、亡命(アサイラム)申請を、安易な就労目的の手段として利用することを法的に遮断することにあります。具体的には、申請者が就労許可証(EAD)を申請できるようになるまでの待機期間を、現行の150日から365日へと大幅に延長する内容が含まれています。さらに特筆すべきは、USCIS(市民権・移民局)の処理能力が一定の閾値を超えた場合に、新規の就労許可申請の受付を一時停止する権限を当局に付与する条項です。これにより、亡命審査を待つ数年間にわたり法的に働く手段を奪われる申請者が急増すると予測されており、申請件数そのものを抑制する「水際対策」としての機能を果たすことが企図されています。

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法律ノート 第1512回 弁護士 鈴木淳司

2/20/2026

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カリフォルニアの山間部では大雪が降って死者もでています。先週は半袖でも良いような気候でピンク、白、黄色の花が綺麗な時期なのに、天気というのは不思議なものです。春が訪れる前に、天気が暴れています。さて、すでにニュースになっているとは思いますが、トランプ政権が大統領令を通して出していた、いわゆる「関税」について、司法が判断をしました。一法曹として、アメリカの三権分立がどのように作用するのかという点で注目していました。

2026年2月20日、米国の連邦最高裁判所は「Learning Resources, Inc. v.
Trump」事件において、現代の通商政策の根幹に関わる判断を提示しました。本判決の核心は、1977年に制定された「国際緊急経済権限法(IEEPA)」が、大統領に対し議会の承認なき関税賦課を認めているかという点でした。実際のところ、現政権がアグレッシブな政策を取り始めた一年前から、アメリカの連邦最高裁は、どちらかというと政権に近い共和党の考えに近い判事が多かったので、現政権寄りの判断が多かったわけです。まあ、現政権寄り、というよりも「口はださない」という方が妥当かもしれません。しかし、今回、共和党が指名したロバーツ最高裁長官が執筆した法廷意見を通じて、IEEPAは大統領に関税権限を付与するものではないと断じました。

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法律ノート 第1511回 弁護士 鈴木淳司

2/14/2026

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先週の週末にもう30数年付き合いのある弟分が遊びに来ました。15年以上ぶりに直接会って酒を飲み思い出話などに耽りました。そのような週末だったので、法律ノートを書きそびれてしまい申し訳ありません。書く暇がまったくありませんでした。彼は、志望大学に入学できず、早稲田大学の政治経済学部を卒業し、そのまま学生を導く大手塾講師を続けています。ずいぶん人気講師のようで、早大受験指導が一段落したということで遊びに来たわけです。まあ、変わらずの弟分で、可愛いものでした。私が就職せずに塾講師をやったほうが良いとアドバイスしたとか。

さて、寒暖激しい2月ですが、移民法を巡る情勢は緊迫感が増しています。特にここ二週間、2026年の幕開けと共に矢継ぎ早に発表された新政策や運用変更が、在米日本人コミュニティや日本企業の駐在員・人事担当者にとって、無視できないレベルの影響を及ぼし始めています。今回は、この短期間に起きた変化を、実務に即して皆さんと考えてみたいと思います。いただいている質問にお答えできないのは心苦しいですが、移民法は、じんけんニュースでは賄いきれないほどの変化がありますのでタイムリーに考えたいと思っていますので、許してください。

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