前回から新しい質問にお答えし始めましたが、少々緊急性が高く、読者の方にも周知させていただきたいことがありまして、一回皆さんからいただいている質問にお答えするのは、休ませていただきます。 ちょうど先週、消費者系の事件を多く扱う日本の弁護士と話をする機会がありました。その際に、去年までは副業に関する詐欺的な行為が多かったが、去年から今年にかけて、国際ロマンス詐欺のような事例が急増しているということでした。日本国内にいる日本人をターゲットにして外国人がアクセントのある日本語でSNSなどを通して近づいてくるそうです。多いものでは数ヶ月で数千万円も騙し取られたという事例もあるそうです。手口がどんどん巧妙になってきているそうで、最初は、簡単な副業でお金儲けをしませんか、ということで近づいてきて、気付かないうちに、だんだんエスカレートしてくるそうです。ある程度仕掛けが成功したときに、恋愛話を持ちかけたり、一緒にビジネスをしようと持ちかけたり、といった方向になるようです。また詐欺はお金を詐取することをもちろん目的にしているのですが、銀行振込だと受取人口座が最近日本でも法改正があり、差し押さえが容易になってきましたので、足がつく。そこで、仮想通貨を買わせて、取引させるという手口が頻繁になってきているそうです。とにかく会ったこともない人や、まったく実態の掴めない会社などに対して、SNSで気軽にやり取りをしてお金を送るのは、一切詐欺であるという前提で身構えるべきだと思います。 この数日間に少なくとも二件の問い合わせが私の所属する事務所にありました。すぐに詐欺であるということを伝え、絶対に連絡をしてはいけないとアドバイスしました。私の所属する事務所も詐欺に使われるほど有名になったということでしょうか。以下、今回の詐欺についてメールをいただいた方一名については、やり取りをさせていただき、その手口を教えていただきました。もちろん、私の所属する事務所は実際に依頼がなければ連絡をしません。私の所属する事務所を語るような連絡があった場合には、すぐに連絡を取らず、必ずメールでも電話でも良いので、私どもに確認の連絡をいただければと思います。 今回、とても丁寧に情報を提供していただいた方の文面を、匿名性を確保しながらご紹介したいと思います。いただいた内容は、「Marshall Suzukiのカリフォルニア州弁護士の田口を名乗る女性から私は昨日携帯に電話を受けました。日本人の国際ロマンス詐欺の案件で、犯人グループがカリフォルニア州内に特定でき、詐欺金額を一部回収する案件に今関わっているところ、犯人グループの持つ被害者情報の中に、私の名前と携帯番号があった。ついては私についても、被害金額を回収できる可能性があるので連絡した。今後の連絡を取り合うためにSignalアプリをインストール頂き、連絡を取り合うこととしたい」との内容だったと言います。そもそも、証拠を残すことが職業の一部である弁護士が、過去の履歴が消えてしまうSNSのSignalをインストールしろ、などというのは不審に思えます。私の所属する法律事務所に「田口」などと名乗る女性は存在しません。仮に、カリフォルニア州弁護士というのであれば、登録番号があるはずですから、その登録番号を聞くことも重要だと思います。それにして、方法論について手が込んでいます。たぶん、Signalというアプリを通じて、今度は着手金を仮想通貨で送れといった内容になるのでしょう。この記事は、私の所属する事務所のWebページにも貼り付けるようにしますが、読者の皆さんも、何か私の所属する事務所から、不可解な連絡を受けた場合には、まず私どもにご連絡いただき、必ず確認していただくようお願いします。 今回、私に通知をしてきてくださった方は、数年前に詐欺のFXサイトを通して、資金を振り込んでしまい、気づいた後に日本で弁護士に依頼をされて、送金先を特定しようとされているようですが、まだ特定はできていないようです。この方が推測されるには、このFXサイトの詐欺グループが、被害者リストを有しており、その被害者リストが出回ってしまったのではないか、ということでした。そして、詐欺FXサイトによる元々の被害を回復するという虚偽の建前で、私の所属する事務所の田口弁護士という設定をしたようです。 被害者を救済する仕事の弁護士まで語って、詐欺の被害者から、さらにお金を詐取しようというのは、言語道断、卑劣な行為を平気で行う人間がいるものだとかなり私自身も憤りを感じています。とにかく、儲け話、恋愛話、表面的には利益になる話、などの連絡が来たらまず疑うべきですし、さらにお金を送金したり、仮想通貨を買えなどという話が来たら、レッドアラートだと割り切って、絶対に信用してはいけません。私の所属する事務所を語る犯罪で被害が出るのは絶対に避けたいですので、Marshall Suzukiの名前を使って、心当たりのない連絡があれば、必ずメールでも電話でも良いので、まずは確認のご連絡をください。いつでも優先的に、ご回答差し上げます。 しかし、この詐欺グループをどうにかして捕まえてとっちめてやりたいものです。許せないですね、弁護士名義を語って詐欺をするなんて。ということで、今回は、被害者を絶対出したくないので、緊急性をもって記事にしました。また、通報をしてくださった方々には、本当に感謝しております。ありがとうございました。 Comments are closed.
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