弁護士費用というと「高い」とか、「明確」ではない、と巷ではよく言われます。人によっては理由はともあれ弁護士に対しても、お金について良く思われていない方もいるようです。MSLGのメンバーの給与は、弁護士費用から支払われています。やはり、お金をいただかないと業務をすることはできません。一方で、お金についていく弁護士にはなれないのは、MSLGの根底にあります。MSLGは今までにどの事務所よりもお金について、明確にしようと努力をしています。依頼する企業・個人から見れば、どの程度お金がかかるのかというのは非常に大事な点だからです。
よくアメリカで耳にすると思われますが、成功報酬制といい、事件が解決するまでクライアントが払わなくてもよいというケースはほとんど相手方に保険会社のある損害賠償請求事件のみです。通常、弁護士に依頼するには着手金が必要です。着手金は事件の難しさ、責任の重さ等から一定の基準で決まります。ですので、お会いしてお話しを聞かないと、通常、どの程度の費用で、事件を受任できるかわからないのです。もちろん、一般的な書類を作成するケースについては、固定の定額請求という形で明確にできますが、訴訟ともなると、どんなにシンプルな事件だと思っても、実は問題が鬱積していた、という場合もありますし、複雑だなと思っても、簡単に話し合いや電話で解決してしまう場合もあるのです。 たとえば、皆さんがお寿司屋さんだったとしましょう。お客さんがカウンターに座り、1,000ドルあげるから、好きなだけ食べさせて、と言われ、気軽に引き受けて、実は家族や友人も100人呼んだり、実は1ヶ月毎日食べるということを前提にしていた、なんてことになったら大変なことになってしまいますよね。訴訟事件を引き受けるとき、たとえ、単純な離婚事件だとしても、どの程度の問題で、どの程度の労力を要するか、だれにもなんとも言えません。他人が絡んでいるからです。ですから、弁護士としても、予測が立たない事件があり、どうしても時間チャージという形をとる事件が少なくないのです。 また、人によっては弁護士にいろいろ電話をして「安い」ところを使いたい、と考えていらっしゃる方もいるようですが、たとえばサービス面で「安い」法律事務所より高かろうと、サービスの緻密さが重要な仕事です。それでも、MSLG としては、リーズナブルな費用を請求しています。 MSLGができることは、事件の流れをよく説明し、どの程度の労力、時間等が必要になるか理解を得、それから事件に取りかかるように所内で心がけています。そういう心構えを忘れずに業務に取り組んでいます。 なお、誤解されないでいただきたいのは、料金の明確化というのは、事件の内容を聞き、最初にご説明を申し上げることを指しているのであって、法律業界では値段をウェブや出版物に載せることは無責任だと考えています。MSLGはすでに無数の案件に接していますので、適正な価格以上の対価は受け取りません。医師はレントゲンを見なければ、適切な診断ができないように、弁護士も事件の内容を聴取しなければ、はっきりした料金等は示せないのです。逆にはっきりした料金を示せるということは、手を抜く機会もあるということになってしまいます。散髪をするとして、値段はピンキリだと思います。髪の毛は生えてくるとは思いますので、安かろうでも良い場合があると思います。しかし、法律業務は人の権利、場合によっては人生にも影響する場合があります。ですので、簡単に弁護士の費用を示すことができなく、もどかしい部分もあります。 「無料相談」という言葉があります。実際の事案を聞いて、「相談にのる」ということと、最初に事件の内容を聞き、一般的な診断をすることとは別だとMSLGは考えています。クリアーなラインがある訳ではありませんが、やはりクライアントに弁護士と話しやすい環境をつくるためには、初回は無料で内容を聞くと言うことも多くあります。弁護士の側からの考えでは、無料で仕事道具を提供することを約束するのはいわば自殺行為ですから慎んでいますが、信頼関係ができている場合、クライアントの方も弁護士が時間を割いてくれているということを認識していただける場合には、喜んでお話ししています。ただ、とくに移民法に顕著なのですが目的が最初から「情報だけひきだしてやれ」と考えられている方も結構いるもので、一般的に弁護士が警戒するきっかけを与えてしまっている事実は一般的にあることは念頭においてください。もし、友達に 無利子の借金を頼みたいと企んで、いろいろあの手この手で説得しても、信頼関係が崩れてしまうこともあると思います。 よく「事件が終了したら費用を払います」、という方がいらっしゃいますが、MSLGではそのような形での依頼は受任していません。弁護士の自衛策です。世の中にはいろいろな人がいます。お金にルーズな人、主観的に不幸だと思うと、ずっと不幸な人、いいがかりをつけることで利益を得ようとする人、企業でもひどいところがありますので、個人事件においては、びっくりするような人をクライアントにしてしまうケースも少なくありません。問題があるから訴訟になるということも多々あるのです。お金に関するトラブルを避けるためには、最初にお約束して、そのことをお互いに守るということをMSLGはお願いしています。 製造業などは、一分間に一 万個でも商品をつくり、売ることができますが、弁護士はそれができません。家内制手工業に近い業務ですので時間は貴重であり、持ち合わせている時間で業務を行わなくてはいけません。ですので、カスタマーサービス等のサービスとは性格が違うということも理解していただきたいと思っているのです。やはり、時間には限りがありますから、事件に全力投球するためには、アシスタントや事務所のシステムもいつも充実させておかなくてはいけません。ですので、仕事のクオリティに悪影響を及ぼすような対応はできない場合も多々生じてしまいます。 弁護士の費用が「高い」ということだけで、相談ができないということは弁護士としては悲しいことです。まず、とにかく電話なり、面談なり、実際にどの程度の費用が必要なのか、どの程度の労力が必要なのか、自分でできることもないのか、など、考えられると良いと思います。自分で実際に弁護士に接してみることが第一歩だと思います。 |
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