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【小説シリーズ】陪審喚問の時(The Grand Jury)

5/29/2019

 
本記事は、本ブログ作成前(2000年代)にMSLGのメンバーが執筆した小説です。現時点の法律や制度を前提にしたものではありませんので、ご留意下さい。
毎週概ね月曜日に、20回に分けて配信します。今回は第18回目です。

=====================

第18章 監禁 (Incarceration)
 
冷たいコンクリートが頬にあたる感触で、私は目を覚ましました。頭がズキズキしますし、目も痛い。それに暗いのであたりも見えません。一瞬もう目が見えなくなったのかと思いました。自分がどこにいるのかよくわからず、何時なのかもよくわかりません。しばらく目を開けていると暗闇に目が慣れてきました。目の焦点も暗闇なので合っているのかわかりません。手で目をこすろうと顔に手を持っていこうとしても手が自由にならないことに気がつきました。ナイロン製のひもで後ろ手に、そしてご丁寧に脚まで、きつく縛られているらしくまったくが動きません。少々うめき声を出しながら一生懸命に手足をよじってみますが、どんどん手足にひもが食い込むばかりで、まったく逃れることができません。
「先生、小山先生…。大丈夫ですか。」
  かろうじて声の主が真治君だとわかります。
「真治君かい? そこにいるんだね?」
「どうしてこんなことに。」
「よくわからん、捕まってしもうた。生きているんだね、真治君。」
「先生、一体…。」
私は真治君が生きていることを確認しただけでもほっとしました。
「学校の帰りに連れてこられました…。」
声を聞くと相当に弱っています。それでも、真治君が生きていることに感謝しました。
「真治君、僕たちがいる場所、どこだかわかるかい?」
「わかりません。でも、自宅からそんなに遠いところじゃないと思います。目隠しをされて車のトランクに入れられた時間がそんなに長くないから。」
完全に目が慣れてきました。ドアの下の隙間から入ってくる光を頼りにまわりを見まわします。たくさんの箱が所狭しと積み上げられています。ひとつの白い箱の側面を目を凝らして見てみると、誰だか人の名前が書いてあるような気がします。人の名前といってもよく見ると、何々VS何々と書かれていることから訴訟で使われたファイルが入っている箱なのでしょう。とすれば、ここはカニングハムが過去に扱った事件のファイルをしまっている倉庫かもしれません。しかし寒い。
「先生…。」
と言った瞬間、真治君は咳き込んでいます。液体の混じる音が聞こえます。
「だ、大丈夫かい。」
「僕は大丈夫です。」
「お腹減ってないかい?」
「カップラーメンでもあればお湯沸かして欲しいですよ。」
心持ちは元気なことがわかって安心です。話をしていると頭がまた痛み出します。昨日の深夜に捕まったことはわかっています。ただ、どのくらいの時間がたって現在一体何時なのか見当もつきません。腕時計も取られてしまっているようですし、 携帯電話も見当たりません。私は水曜日の朝の法廷が気にかかりました。とにかく私は起訴取下げの申立ての審理に出なくてはなりません。
 (くそ、こういうときにマックブライドが来てくれたらいいんだよな、税金払ってるんだから。)
「先生、僕たちどうなっちゃうんでしょう。」
真治君は投げ出すように言いました。
「怖いかい、真治君。」
「ううん、全然怖くはない。」
「それはいいことだ。」
「先生は怖い?」
「僕は怖いというより、君の起訴取下げの申立ての審理に出れなくなっちゃうことが不安だ。」
「まだ仕事のこと考えているんですか。」
「最悪だよね。」
「でも、そんな仕事に熱中できる先生に会えて本当に良かったです。色々教えてもらった。」
「ぼくも、真治君に会えてよかった。君はタフな男になってきた。その過程を見れてうれしいよ。」
遠くから複数の足音が聞こえてきます。
「真治君、黙るんだ。」
押し殺した声で私は言いました。ドアが開かれる音がします。開いたドアから光が漏れ、真治君も私と同じように体を縛られている様子がわかります。暗くてよく見えませんが、真治君の体が血まみれになっている感じがして不安に刈られます。入ってきたのは二人の男達です。
「二人ともぐったりです。」
入ってきた一人が言いました。その男の一言に反応するようにもう一人の男が
「パームに付いては二人ともまだ吐かないんだな。」
といいます。どこかで聞き覚えのある声です。薄目を開けてよく目をこらしてみると、カルガモ一家のひとりです。一番若手の弁護士で、この間法廷でも出くわしています。私の体は汗ばみました。
「このガキは痛めつけても一切知らないで通している。弁護士の方に聞いてみる方がいいかもな。体まで張ってクライアントを守る馬鹿はいないだろう。」
そういってカルガモ弁護士と話をしていた一人が一旦部屋を出ていって、すぐに戻ってきます。手にバケツを持っています。
真治君も私もじっと息を殺しています。
その男の顔が見えました。サン・パブロのカジノでリック・ギャリソンと一緒にいた男でしょう。その男はバケツに一杯入っていた水を私にかけます。
「起きろ、小山!」
その男は叫びました。私はあえて返事をしませんでした。私が返事をしないことを覚るとその男はバットのようなもので私の体のあちこちを殴ります。私はうめきました。
「パームはどこにあるんだ。言え!」
「知らない。」
 拷問は相当長い間続きました。私は決してパームについてしゃべりませんでした。パームの行方がわからない限りは、カニングハムの喚問が終わるまでは私を殺さないであろうと読んでいたからです。私は血で床を汚していました。
しばらく傍観していたカルガモ弁護士は、私を殴っている男に中止するように言い、二人はドアを再度閉め出て行きました。
真治君が小声で、先生大丈夫ですかと何度も聞いています。私はうめき声が出るばかりで、声になりません。また気を失います。
どのくらい時間が経ったのでしょう。私は長い時間意識がありませんでした。それでも貪欲に眠っていたようで、気力はまずまず回復しています。私は起きて動かせるだけ自分の体を動かしてみます。骨は折れていないようです。真治君もじっとしていますが、声をかけると返事をしてくれます。
 しばらくどうやって抜け出すかひそひそ真治君と打ち合わせをしているとまた複数の足音が聞こえてきます。部屋の外で話し合う声が聞こえます。
「あとグランドジュリーまで時間は?」
「2時間少々ではじまります。」
「無事にすむことを祈っている。」
真治君と私は一切黙っていましたがもう水曜日になってしまっていることがわかりました。起訴取下げの申立ての審理が気になってしかたがありません。会話が途切れると、また男達が部屋に入ってきます。今度は開かれたドアから煌煌と明かりが差し込みます。太陽が上がっているのですね。よく見ているとまたベーツ&マコーミックのカルガモ弁護士に間違いありません。カニングハムの手下です。
「それじゃ、見張りはよろしく。」
もうひとりの男…あのサンパブロ・カジノで出くわした男でしょう…を部屋に残しカルガモ弁護士は行ってしまいました。私は歯軋りしました。口に食い込む口輪をなんとか緩めようと努力しました。声がしたほうで明かりがつきました。まちがいなく書類の置いてある倉庫です。その明かりで立っている男がカジノであった青い目の男だとわかりました。
一旦、明かりをつけたまま、青い目の男は倉庫を出て行きました。
真治君のほうに体を向けてみると、全身あざだらけでひざやひじが血まみれになっている真治君が目に入りました。
「大丈夫かい…。」
真治君はしっかりした目で私を見ました。
「大丈夫です。先生までこんなことになってしまって…。パームはどこだと訳のわからないことを言われて、何度も殴られました。」
「ごめんね…。」
「なんなんですか、パームって。」
私は一切のことを小声で話しました。真治君に危害が加わると思い黙っていたことも。突然、真治君は私の方に芋虫のように体を引きずって移動してきました。
「先生、なんとかこの縄解けないですかね。」
まず私は口輪を歯で引き千切って外しました。そして私は真治君が後ろ手に縛られている縄を口で一生懸命外しました。緩まったところで、真治君は手の縄を外すことができました。自分の手が自由になった真治君は自分の足や私の縄を解いてくれました。私はすかさず明かりのついた入り口に近づきます。真治君も私についてきます。
しばらく、無言の時が過ぎました。
 
「真治君、よく聞いてくれ。君のお父さんが持っていたパームは、今、真理子さんに預けてある。君に言わなかったのは君に迷惑がかかると思ったからだ。」
「真理子さんですね。」
「彼女になんとか連絡をつけて、そのパームをもらわなくちゃいけない。」
「わかりました。先生、なんとかやってみます。」
「とにかくがんばるんだよ。君の無実を晴らすため、それにお父さんの無実を晴らすためにはあのパームがいる。そして、覚えているかなぁ。君の事件で行ったあの裁判所で、今、カニングハムが喚問されている…。」
「カニングハム…って、あの弁護士のカニングハムさんですか。」
「そうだ、真治君。あのカニングハムがお父さんを落とし入れたんだ。あのパームの中にカニングハムが麻薬組織と繋がっているEメールがたくさん入っている。 だから、あのパームに入っている情報を、絶対に大陪審の前に持っていってもらいたい。」
「先生、大陪審っていうのはなんなんですか。」
「今説明しているひまはない。とにかく行くんだ、真治君。行ってみんなに説明するんだ。マックブライドもいるはずだ…。まず、真理子さんに連絡をつけて、早く裁判所に行くんだ。大陪審は9時からだから、もう時間がないはずだ。カニングハムは君が証言するのを防ぐために、証拠を隠滅するために、こうやって君と僕を監禁してるんだ。いいか、カニングハムは麻薬組織の大ボスだということがわかってるんだ。だから、なんとしてでも君は裁判所に行かなくちゃいけない。」
「先生、やってみます。」
そこで、私はちゃっかり暗記している真理子さんの電話番号を真治君に教えました。
「記憶しておくと、役に立つものですねぇ。」
こういう場面なのに、真治君はそんなことを言っています。
「それから、決して真理子さんや他の人にはここに来るなといっておくんだよ。」
 またこつこつと足音が聞こえますが、今度は一人だと言うことがわかります。ドアが開き、カジノで私をつけてきた青い目の男が入ってきます。私はとにかく襲いかかりました。真治君はその青い目の男の入ってきたドアから外に飛び出していきました。
私は、その男と取っ組み合いになりました。がむしゃらで全身を噛んだり殴ったり、 その男も突然の奇襲に対応するのがやっとでした。しばらくして、他の賊の一味が入ってきました。私が仲間と取っ組み合いになっているのを認めると、私を寄ってたかって殴り、挙句の果ては、利き腕である左腕の肩を銃弾で撃たれました。血まみれになった私は出廷しなければいけない今朝おこなわれる起訴取下げの申立ての審理のことを考えていました。裁判官が怒るだろうな、とか、私抜きで決定されたら嫌だななどと考えていました。咳き込むと暖かい液体が喉を通ります。味から血液だとわかります。また真治君のことが気にかかります。考え事をしているうちに、またわき腹を蹴られ意識が遠のいていきます。
「真治君…がんばるんだ…お父さんの無実をはらせ…君の無実をはらす…。」私は気が遠くなっていきましたが、真治君ががんばればすべてうまくいくんだ、そう思いながら記憶が遠くなっていきました。自分の体が冷たくなっていくのがわかります。
「真治君、がんばれ…、お父さんのためにも…。」
 
「はぁ、はぁ、はぁ…。どうなっちゃうんだろう。」
真治君に不安と恐怖がこみあげてきます。それでも真治君はビルの出口を探して走り続けます。倉庫を出た真治君は、明かりを頼りに出口を求めてさまよいます。まったく窓がついていないことから地下室であるとわかります。廊下を少し行くと、非常口の緑のサインが掲示されているのが見えます。真治君はそのサインにしたがって駆け足で出口を見つけて追っていきます。地下からの階段を登ったところに、うすく日が差し込んでいます。さび止めが塗られた二枚扉のあるところに着きました。真治君はその二枚扉を両手で押し開けて、外に出ます。非常ベルは鳴り響きませんでした。
外に出ると、もう陽がのぼっています。ただ、日陰に生えた草がまだ濡れていることから、朝だとわかります。真治君は自分がどこにいるのかもわからず、少々立ちすくんでしまいました。
「怖い。どうしたらいいんだ。」
真治君は自分の手足が血まみれになっていることに気がつきました。縛られた部分や床にこすりつけられた部分がかすり傷になって血がにじみ出ています。また、手やふくらはぎ、ももなど、何度も殴られたところが腫れています。きっと顔も腫れているんだろうな、と真治君は思います。まだうっ血が終わっていないようで、色は黒くなっておらず、赤く腫れている状態です。
真治君はとりあえず小走りに駐車場を出て、道に出ました。倉庫を振りかえると、大きくDate Storage Services(データ倉庫サービス)と書かれています。左を見ると海が広がっています。近くに港があることが、通り行く船の音でわかります。真治君は海岸近くに向けて走りました。
「とにかく、電話、電話。電話があれば。」
真治君は倉庫群の一角を海に向けて走ります。海に近づくと、水際にレストランが建っているのが見えました。朝なので店はやっていませんが、そのレストランの名前から、自分がサンフランシスコにいることはわかりました。朝早いのか、観光客など人はあまりいません。レストランまでたどり着くと、フィッシャーマンズ・ワーフの外れの外れの方にあるピア・3 (Pier 3:第3埠頭)であることがわかりました。そのレストランのまわりを一周すると、裏手に公衆電話を見つけました。真治君は受話器を上げ一生懸命コレクト・コールを呼び出します。
交換手に、さっき覚えたばかりの真理子さんの電話番号を無我夢中で告げます。電話が繋がったようで呼出音が真治君の耳に入りますが、頭を何度も殴られているため呼出し音でも頭に響きます。3回ほど呼出し音がなったところで真理子さんの声が聞こえました。
「はい。」
「あの、真治です…。」
「どうしたの、朝っぱらから!?」
「た、助けてください。今、多分フィッシャーマンズ・ワーフの外れ…ピア・3にいるんです。真理子さん、パーム、持ってきてください。」
「え?」
「今すぐ、パームが必要なんです。」
「…わかったわ。でも、どこにいるのか、はっきりした場所を教えて。」
「えっと、レストランの名前はSFベイ・レストランです。」
「あ、わかった。あの港の横にぽつんと建ってるレストランね。なんでそんなところにいるの?」
「話はあとで全部します。とにかくそこにいますから、パームをお願いします。」
「すぐ行くわ、動かないで待っていてね。」
 電話を切ると真治君はちょっとほっとしましたが、すぐにもう一回コレクト・コールにかけます。今度は私の事務所の電話番号を告げます。また電話の呼出し音が鳴り頭に響きます。
「はい、三谷法律事務所です。」
千穂さんです。
「あの、私、福本真治と申します。」
「真治君?」
千穂さんはすっとんきょうな声を出しました。
「どうしたの?小山先生は?」
「小山先生は、今捕まっています。」
「え、どこにいったか心配しているのよ。」
わけのわからない千穂さんは叫んでいました。
「二人とも捕まって監禁されていたんです。先生が僕だけ先に逃がしてくれたんです。先生はまだ捕まっているんです。何かあるかもしれません。警察に連絡してください、 ピア・3の近くのData Storage Serviceという建物の地下に先生はいます。僕は今から裁判所に行きます。」
真治君はとりあえず伝えたいことを並べてみました。千穂さんはまだ事情がよくわかっていないようですが、私の身の危険だけは理解してくれたようでした。
「すぐにマックブライドさんに電話するわ。」
受話器を置いた真治君は、その場で崩れ落ちました。もう気力がだいぶ失せてきました。少し気が遠くなります。真治君は目を軽く閉じ、たくさんの鳥がレストランの昨夜の残飯を食べに来ているごみ箱の陰にひざを抱えて座っていました。目をつむると、ぼんやりお父さんの顔が浮かんできます。
「お父さん、お父さん。僕はもう死ぬのかな。でも、お父さんの無実を明らかにしなくちゃいけないと思ってる。お父さん、お父さんが死んでからいろんなことがあった。小山先生をはじめにいろんな人に助けてもらった。いろんな人に勇気付けられてここまで来られた。お父さん…、これからお父さんの無実を明らかにするためにできるかぎりのことはやってみます。その勇気を僕にください。その勇気を…。」
真治君は自分の名前を呼ぶ声ではっと目を覚ましました。その声が近づいてきます。真治君は顔をあげました。真理子さんが来てくれたのです。
「真治君、大丈夫?けがしてるじゃない。」
「ええ、なんとか生きてます。」
「はい、これがパーム。」
真理子さんは自分のハンドバッグの中からパームを取り出して、真治君に渡してくれました。真治君は大事そうにそれを受け取りました。
「ああ、このパームはお父さんのだったんですね。」
真理子さんが優しい声で話しかけます。
「そうよ。それはあなたのお父さんのよ。」
真治君はぎこちない手つきでパームの中身を調べていました。そして、Eメールがいくつも入っているのを確認し、ひとつひとつ入念に読んでいきます。Eメールを読んでいく真治君の目に、大玉の涙があふれてきました。真治君は唇をかみしめています。どんなことが起こっていたのか、やっとわかったのです。真理子さんがぽつっと言います。
「小山弁護士は、あなたにこういうことをあまり知らせたくなかったのよね。」
真治君は黙っていました。しばし沈黙があった後、
「早くここから離れないといけない。」
真治君は思い出したように言いました。
「淳平さんは?」
「まだ倉庫にいます。もう千穂さんに頼んでFBIに急行してもらっています。すぐそこですけど。」
「それじゃ、行かなくちゃ。」
「先生が来るなって…言ってた。」
真理子さんは非常に心配そうな顔をしています。そうこうしているうちに、たくさんのパトカーがサイレンを鳴らし倉庫のほうに向かう音が聞こえてきます。真理子さんがパトカーを目で追っています。
「心配ですか。」
「もちろんよ。」
「でもプロに任せておいたほうがいいですよ、真理子さん。」
「でも、心配。」
「真理子さん、小山先生のこと…、それより真理子さん、ちょっと車で連れていってもらいたいところがあるんですけど。」
「え?どこなの?」
「裁判所です。連邦裁判所。ここからだったらすぐ行けるでしょ。」
「え、住所は?」
「シティーホールの近くです。」
「それならすぐよ。」
「今、何時ですか。もう裁判が始まっているかもしれない。」
「え、なに?」
「カニングハムの陪審喚問があるんだそうです。とにかく、このパームを持ってそこに行かなくちゃいけないんです。」
「あなた、そんな体で大丈夫?病院に行ってから…。」
「今、僕にできることは、早く裁判所に行くことだけなんです。真理子さん、早く連れて行ってください。」
真治君はそれ以上何も言わず、ちょっと離れたところに停めてあった真理子さんの赤い車の助手席に乗りこみました。真理子さんは車を走らせ、裁判所に向かいます。


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