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【小説シリーズ】陪審喚問の時(The Grand Jury)

5/21/2019

 
本記事は、本ブログ作成前(2000年代)にMSLGのメンバーが執筆した小説です。現時点の法律や制度を前提にしたものではありませんので、ご留意下さい。
毎週概ね月曜日に、20回に分けて配信します。今回は第17回目です。

=====================
 


第17章 証拠 (Evidence)
 
週末は真理子さんとも会えたし、今日も彼女と会えるということもあり、仕事以外の部分では非常に充実しているように目が覚めたとき感じました。しかし、そのフィーリングも現実の仕事のことを思い出すと、またまた心に雲がたちこめてきます。今週は真治君の起訴取下げの申立ての審理もあるし、忙しくなりそうで憂鬱です。私はのっそり起き上がります。
真治君はすでに朝ご飯を食べていたようで、私がキッチンにたどり着くまでにもう学校に行く支度をしていました。
「おはよう、真治君。」
「先生、おはようございます。眠れましたか?」
「まあまあだな。」
「それじゃ僕、学校に行ってきます。」
「がんばれよ。」
真治君は学校に向かいます。私は冷蔵庫までふらふら歩いていって牛乳をコップに注ぎます。ちょっと薄い膜がはいっているのでパッケージを見てみると賞味期限を2日ほど過ぎています。考えた挙句に飲んでしまいましたが、まだ大丈夫ですね。時計を確認するともう8時半。いやはや、事務所に行かなくては。
今日は法廷もないしお客さんにも会わないな、と思いちょっとカジュアルな風体で家を出ました。車に乗ろうと思いガレージを開けるとびっくりしました。車が見事に荒らされています。エンジンルームまでボンネットが開いて剥き出しになっています。どうしたものかと考えているうちに携帯電話がなりました。
「先生、大変です。」
千穂さんでした。
「こっちも大変なんだよ。あーあ、車のシートまでびりびりにされているよ。」
「事務所も荒らされています。早く来てください。」
「本当かい、機密書類を取られたんじゃ一大事だ。すぐに行くよ。」
電話を切った私は、エンジンルームの点火系の周りに不信なものがないか、ブレーキ関係が大丈夫か確認して事務所に向かいました。尾行者がついてきます。
事務所では三谷先生と千穂さんが大掃除をしているみたいでした。
「こりゃひどいね。」
「のんきに構えてないで手伝ってください。」
「そうだね。」
私は自分の部屋に直行しました。やはりコンピュータがなくなっています。頭を掻きながらコンピュータがなくなっていることを告げると、やはり三谷先生のコンピュータも千穂さんのコンピュータも持ち去られています。やはり敵はデータに興味があるのですね。
仕事もできなくなってしまって気分悪いですね。いつもがさつな机の上が更に汚されています。私は、無残な光景を見まわしながら、マックブライドに電話をします。
「小山弁護士、どうしました。」
「私の事務所にまで賊がはいった。事務所のすべてのコンピュータが持ち去られています。」
「えっ」
マックブライドは非常に驚いた様子でした。
「すぐに行きます。」
電話を置いた私はなるたけものに触らないようにしながら部屋を検分します。コンピュータ以外には何も取られている様子はありません。何本も電話が鳴ります。千穂さんは電話の応対で大変そうです。私の顧問先のクライアントも来て、目を丸くしながら、
「あらあら、事務所の大掃除ですか。」
などと言っています。
千穂さんが憮然として、
「淳平先生のせいなんです。」
などと、心外なことをつぶやきます。これでは業務ができないので、明日以降スケジュールを組みなおして、出直してもらうことにします。しばらくするとマックブライドが三人の捜査員を引き連れて私の事務所にやってきました。
きょろきょろ見まわしながらマックブライドは
「こりゃひどいですね。書類を整理するのも一苦労ですね。」
私は笑わずに、
「他人事だと思って…。」
というと、マックブライドもばつが悪そうな顔をしています。
「とにかく、早く見てください。」
千穂さんがせかします。
「わかりました。なくなったものはコンピュータですね。」
事務的にマックブライドが言います。
「そうみたいです、他は今思いつきません。」
千穂さんがきょろきょろしながら答えます。
FBIはあやしい指紋は検出できず、またその他の証拠も発見できない様子でした。マックブライドはつぶやきます。
「これもプロの仕業だな…。小山弁護士、いい加減に持っているお宝を出してくださいよ。」
「真治君の起訴を取下げてくださいよ。」
私は返しました。
FBIが帰り、片づけが一段落するともう昼の1時を過ぎていました。
「小山先生、三谷先生が昼食はどうかって聞いていますけど。」
と千穂さんが言います。私は腕時計を見るともう1時半近くになっているので、
「えっと用事があるから、お二人でどうぞ。」
「先生、どこか行かれるのですか。」
「ちょっと野暮用でね。」
「ふ~ん。用事ねぇ。法廷とか来客はないですよねぇ~。大体掃除しなくちゃいけないのは先生のせいなのに…まったく。」
私を観察するような目つきをしながら千穂さんはランチに出かけました。私は平静を装いつつ部屋の片づけを終わらせました。2時を回ったところで事務所をでます。駐車場で車に乗り込み空港に向かいます。真理子さんに会えるのが嬉しくなって気づいていると口笛を吹いています。空港には30分ほどで着きました。活気を取り戻している空港は人も多く、人ごみをすりぬけながら真理子さんが到着するゲートにいそぎます。20分ほどはやくゲートについてしまいました。しばらくすると一般の客がゲートから出てきて、それから15分ほどすると真理子さんが出てきました。
「淳平さん、お迎えありがとう。」
「いえいえ、待ってました。お帰りなさい。」
他の乗組員に別れを告げて、真理子さんと私は駐車場に向けて長いコンコースを歩いて行きます。制服を着ている真理子さんは颯爽としていてかっこいいですね。
「真治君は元気? 今学校かしら。」
「そうですね。」
「早く事件が解決するといいわね。」
「本当にそうなんです、今日も私の事務所に泥棒が入りましてね、コンピュータを盗まれちゃったんです。」
「え、それは大変。大丈夫?」
「あんまり大丈夫じゃないけどなんとかしなくっちゃ。」
「真治君の事件に関係あるの?」
「あるような気がします。」
「気をつけてね。」
私はあることを思いつきました。
「真理子さん、どこに駐車しました?」
「このビルの駐車場に停めたけど、何か?」
「ちょっと頼みがあるんだけど。」
「え、何々?」
「ちょっとドライブに連れていってくれないですか。」
「淳平先生と白昼堂々とドライブなんてうれしいわ。」
「あ、僕もうれしいですけど…ちょっと連れていって欲しいところがあるんです。訳ありなもので。」
真剣になった真理子さんは承諾してくれました。
「いいわ、何かお役に立てれば…。」
「あるものを2、3日預かってもらいたいんだ。」
「訳ありなのね。」
「そうなんだ、真治君を無実にするカギなんだ。」
「真治君を助けるためなら協力するわよ。」
私の車のシートがぼろぼろに破かれているのをみてちょっと真理子さんはうろたえていたようでした。謝って我慢してもらいます。真理子さんとともに空港を出ます。
「どこに行くの。」
「うん、コンピュータ屋さん。」
しばらくして、コンピュUSAに到着しました。辺りをうかがいつつも真理子さんと私は店に入ります。修理係のいるデスクに行きパーム・パイロットを受け取りに行きます。しばらく待たされると前回手にしたのと同じのパーム・パイロットを持って係員が戻ってきました。
「これですね。」
係員が事務的に私にパームを見せました。
「そうです。」
「えっと、修理で100ドルいただきます。」
「え、電池の交換だけでそんなにするんですか。」 
当たり前だよという係員が私に請求書を投げるようによこしました。私はしぶしぶ100ドルを払いました。
真理子さんが物珍しげに、
「へー、こんな小さな電子手帳持っているんだ。」
「僕のじゃないんです。」
「え、誰の? 三谷先生の?」
「違うんです、ほら真理子さんが前に教えてくれたじゃない。」
「え、もしかして、これ、福本さんの電子手帳?」
「正解。」
「大丈夫なの、こんなもの持っていて。」
「いや、大丈夫じゃないんです。麻薬の組織がこのパームを探しに今必死になっている。」
「私も巻き込まれちゃったわけか…。」
ちょっと考えるように真理子さんは肩をすくめました。
「ごめん、そういうつもりじゃないんだけど…。」
「いいわ、淳平のためだったらなんでも協力しちゃう。言ったでしょ、この間。」
ジュ、淳平。呼び捨てですよ。なんとなく真理子さんと私、距離が近くなったと思いません? 
「そしたら、これ、2、3日お願いします。」
「いいけど、大丈夫なの。」
「長くても2、3日だから。」
「それならいいけど…。」
色っぽい声でつぶやいてくれました。あまり一緒にいるところを見られたくないので真理子さんを自宅に送り届け、私はダウンタウンの事務所からそう離れていないコーヒーショップに車を停めてから行きました。お別れのキスが素敵でした。ちょっとぼんやりしちゃいます。たまには昼間からコーヒーを飲みながら考えにふけるのもいいものです。ちょっとくつろいでいましたが、携帯電話の音で現実に引き戻されてしまいました。
「はい。」
「あ、千穂です。どこほっつき歩いているんですか。」
「とげのある言いかたじゃないかい。今、コーヒーを楽しんでいるところです。」
「まったく、カニングハムが大陪審出廷の命令を受けているそうです。人に掃除させといて…早く帰ってきてください。」
やっとFBIか検事局の方からカニングハムのことで私にアプローチしてきたようです。鼓動が早くなり、携帯電話を持つ手がぬれてきました。
「なんの容疑っていってた?」
「一連の麻薬騒動の重要参考人ですって。」
私は口笛を軽く吹きました。千穂さんが続けます。
「今事務所にマックブライド捜査官が来ています。」
「今すぐ帰るね。」
残ったコーヒーにお詫びをしながら事務所に戻りました。
千穂さんは複雑な表情をしていました。マックブライド捜査官が横に立っています。
「先生、まったくどこにいっていたんですか。」
「たまにはゆっくりコーヒーでもね。」
マックブライドは傍観していました。私はマックブライドの顔を見て握手を求めました。マックブライドもそれに倣います。
私はもうおなじみになってしまったマックブライドの顔を見つめました。
「一日に二度もお目にかかれるなんて光栄です。」
「連邦検察局はカニングハムに召喚状を渡しました。」
私に語り掛けるようにマックブライドはつぶやきました。
「麻薬関係だそうじゃないですか。」
「首謀者は彼ではないかとの内定を進めていました。」
私は、精一杯驚いた振りをして見せます。続けて
「なんで言ってくれなかったのですか」とマックブライドを軽く非難してみたりします。
「そう言われていても、内定段階でしたから。先日、ほぼ証拠が固まりました。」
「真治君はどうなるんですか。」
「検察局は少なくとも首謀者ではないという認識をしていますが、かといって今の状態で起訴を取下げることはしない方向のようです。少なくとも大陪審の捜査が終わるまではね。」
「まだ真治君がかかわっていると言っているんですか!?」
「麻薬を持っていたことは事実です。」
「持っていたんじゃない。たまたま麻薬があっただけじゃないか。そんなこと知っているんだろ、FBIだって。まあ、こっちも勝つための準備は完璧ですから。」
「カニングハムが命令をくだしているから、あなたの家や車まで荒らされているんですよ。」
「だから何だっていうんだ。俺が真治君を無罪にする努力を全部無駄にしているじゃないかFBIは。いいとこ取りばっかりして。」
「FBIの利益は麻薬のルートを解明することです。フクモトシンジを無罪にすることではありません。」
「そうですか、私の利益は真治君を無罪にすることだけです。それが私の仕事です。水曜日の起訴取下げの申立ての審理を見てくれればわかります。FBIが完璧ではないっていうことがね。」
「真治君の事件やカニングハムの大陪審喚問で忙しくなりそうですよ、FBIも。」
「起訴取下げの申立ては絶対に勝ちます。」
「弁護士さんの幸運を祈っています。もちろん何らかの証拠を出してくれれば今すぐに真治君の起訴取下げを考えてもいいが…。」
私はわきの下に流れる汗を感じました。パームを出してFBIの口車に乗るのも一興です…。ただ、相手方は得はするものの、真治君が必ず無罪になるとは限らないのです。司法取引に頼ってしまうと検事の胸一寸で物事が決まってしまう恐れがあります。来週の起訴取下げの申立てに勝負をかけることにしました。マックブライドは肩をすくめて事務所を出て行きました。
「真治君は大丈夫なのでしょうか…。」
千穂さんが弱々しい声でつぶやきます。
「大丈夫さ。彼には勇気があるから。僕もその勇気をもらっているから。」
 私は断定的に言い放ちました。私は自分の部屋に閉じこもり来週の起訴取下げの申立ての審理のことを考えていました。あのパームに入っている情報が麻薬組織を解明する大事な手がかりであることは間違いなく、あのパームさえあればカニングハムやロビンスの悪事を公けにすることができます。公にするためには起訴取下げの申立てが一番効果的です。裁判所の記録にもばっちり載りますから。もう一度、判例や事実を元に真理子さんに託したパームのことを考えながら全身全霊をこめて申立書をコンピュータがないのでワープロで打っていきます。明後日の朝はカニングハムにとっても私にとっても勝負の日なのです。
昼間コンピュータがなかったせいで遅れた仕事に追いつくために古びたワープロを使って書面を色々書いていると、もう10時を過ぎてしまいました。相当目が疲れているようなので、仕事を打ちきり家に帰りました。おんぼろのボルボのシートを更に切り刻まれるのでおしりが気持ち悪いです。カニングハムに修理してもらいたい気持ちです。家に帰る途中には尾行はついていませんでした。マックブライドが必要ないということを判断したのでしょうか。
もう、日はとっぷりと暮れていました。家に帰るとまったく人の気配がしませんでした。真治君の名前を呼びますがまったくどこにもいない。家のすべての電気をつけて真治君を探します。どこにもいません。
「真治君…。」
むなしく声が響きます。家の電話がなりました。真治君が電話をかけてきているのでしょう。ところが電話は押し殺した声。
「シンジ・フクモトは預かった。シンジはパームのことをまったく知らないといっている。パームを渡せ。今から5分後にそちらにお邪魔する紳士にパームを渡して欲しい。」
そう言って電話はきれました。渡せと言ったって私は持っていませんし、渡す気は毛頭ありません。どうしたらよいのかちょっとまごまごしました。動きが取れない状態で思考いると、賊は家の中に隠れいてたと見えて、音もなく居間に進入してきました。
「パームを渡して欲しい。」
「申し訳ないが、持っていない。どういう情報が欲しいんだ。」
「パームを渡せ。」
手に持っていた38口径とわかるカートリッジ式の銃が私に向けられています。
「持っていないんだ。本当だ。」
私に近づいてきた賊は銃を振り上げ、私の頭に振り下ろしました。反射的にその攻撃をかわした私はソファに体を投げました。振り下ろしが失敗して私に立ち向かってくる賊に床に置いてあった小さなダンベルを投げつけます。
「ズドン」
と賊が撃った拳銃はよろめいたために天井に穴をあけました。無我夢中で拳銃を奪い、殴りつけます。ぐったりしたところで賊の手足をベルトやビニールテープそれにガムテープでぐるぐる巻きにします。覆面を取ると見たこともない白人がでてきました。私はその賊をアパートの玄関前まで引きずっていきマックブライドに電話をします。マックブライドは眠そうな声で電話に出ましたが、
「賊に襲われた。いま、反撃して動きを奪っている。早く捕まえてくれ。」
というコメントを聞いてばっちり目が冴えたようです。
しばらくどうしようかと途方にくれていましたが、またもやFBIの面々が私の前に現れました。
「もう、私とは離れて生きていけないですな、小山弁護士。」
茶化してマックブライドは言います。
「私は男に興味が無くてね。」
私も返しますが、憂鬱です。FBIに事情を説明します。マックブライドは慎重に話を聞いていますが、真治君の略取はカニングハムの仕業ではないかと私もマックブライドもほぼ確信しています。私が縛り上げた男をFBIの捜査官がパトカーの後部座席に押し込みます。マックブライドはFBIも真治君の行方を全力で捜査する旨私に言い残して去って行きました。
暗い部屋で一人になった私は、弁護士の立場でというよりは、汚い方法で証拠を奪取して自分の悪事を隠蔽しようと躍起になっているカニングハムに人間として許せない感情を抱きました。
私は車に乗りこみ、夜の街をおもいっきり飛ばしました。向かうはカニングハムの事務所です。エンバカデロビルの近くに車を停め、ビルに入っていきます。入り口に守衛がいるのを見て舌打ちをします。しばらく様子を見ていると、掃除夫の一団が出入りをはじめました。守衛が用事をするために立ったところで、隙を見つけてビルに入りました。エレベータは35階まで上ります。下りるとまず、かわいい笑顔を見せてくれたレセプションの机の上に張られた事務所の見取り図からカニングハムの部屋を割り出します。まだ、人の気配がありますから用心しなくてはなりません。掃除夫がカニングハムの部屋の掃除をしに来たのは30分ほどたってからでした。それに合わせてカニングハムの部屋に侵入します。部屋を物色しますが、まったくと言って良いほど証拠は見つかりません。秘書の机の中を探しますが、なにも不信な連絡先などは見当たりません。もう一度、すばらしい調度の家具を探してみます。ヘロインらしき粉末が出てきたときには失笑しました。コンピュータを立ち上げてみますが、パスワードで管理されているらしくアクセスができません。暗い部屋でコンピュータとにらめっこしていると、いきなり部屋の明かりがつきました。コンピュータを使っているとあまり良い状況に巻き込まれないな、などと思いつつ振り向きました。
そこには優雅なスーツに身をまとったカニングハムが拳銃の銃口をこちらに向けて、4、5人の男達と立っています。中には真治君の家に最初に行ったときに会ったトニーというFBIの捜査官も立っています。FBIに内通者がいたのですね。私の前に堂々と姿をあらわしているということは、私を殺すつもりでしょうか。
「小山弁護士。オフィスに侵入するとはいい度胸だな。」
「真治君を返してもらおう。」
「それは構わないが、少なくとも明後日の大陪審に私が出席して証言してからだ。」
「ふざけていないで、真治君を自由にしろ。」
「その前に、パームがどこにあるのか教えてくれないか、小山弁護士?」
「知らないね、なんのことだい。これに関係していることかな。」
私は手元にあったさっき発見した白い粉末のパッケージをカニングハムに投げました。
「そういう態度は、私は好きではないな。」
カニングハムはあごで自分の後ろに控えていた男達に指図しました。拳銃を向けられていたこともあり、抵抗はしたもののすぐに床に組み伏せられてしまいました。遠くから見ていたカニングハムはゆっくりと私に近づき、私の顔を高価な革が張られている靴でなじるように踏みました。
「言え、パームはどこなんだ。」
「知らないって。」
カニングハムは拳銃を振りあげ銃握を私の頭に振り下ろしました。私はそこで記憶を失いました。

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