訳例:契約期間の終了/解除 (文脈による)
契約の終了も解除も契約関係が解消されるので、英文契約では総称的にTerminationという単語を使う。日本語の解説で、どちらか一方の意味だけ紹介しているものを鵜呑みにすると、いざ契約書を読む段階になって混乱してしまう。契約上の期限の満了などで契約がTerminationされるのが「終了」であり、債務不履行などを理由として(通常、期限より早く)契約がTerminationされるのが「解除」である。 Termination条項は、「終了」の意味であれば、通常簡潔に記載される。その場合に 重要なのは、事後処理の規定である。契約の終了時に残った未履行の債権債務をどうするのか、お互いに開示した機密情報などをどうするのかなど、契約上の具体的な条項と、契約の解釈に関する適用法令(民法、商法など)を検討しておくことが重要である。 Termination条項で「解除」を規定する場合は、上記の点に加えて、解除の事由についても具体的に考えておくことが重要となる。一般に、契約が継続することで利益を得る立場であれば、解除について制限的に規定することが望ましく、逆の立場であれば、なるべく網羅的に規定することが望ましい。 なお、雇用契約では、Terminationが「解雇」を意味することがあるが、「解雇」については特別法としての労働関係の法令を確認しなければならない。その他にも、消費者が絡んだ契約など、特別法が一方的な内容のTermination条項からの保護を与えている場合も少なくないので、注意が必要である。 また、日本法の解除に「法定解除」、「約定解除」、「解約告知」等の講学上の分類があるように、アメリカ法のTerminationも、Cancellation(概ね「法定解除」に相当)、Termination(概ね「約定解除」に相当)、Rescission(概ね「取消」に相当)に分類することができる。ただし、これらの用語が厳密に使い分けられていない点も日本と同様であり、適用法令と条項の中身の正確な理解が必要である。 Comments are closed.
|
MSLGMSLGのニュース等をアップデートしていきます。メールマガジンへの登録は、ホームからお願いします。 カテゴリ
All
アーカイブ
September 2024
|
All Rights are Reserved, 2000-2022, Marshall Suzuki Law Group, LLP All Photos were taken by Takashi Sugimoto Privacy Policy English Privacy Policy Japanese |