皆様こんにちは。移民チームの伊藤です。
気がつけば、5月も終わりになりました。5月最終月曜日、アメリカはMemorial Dayの祝日で、先週末は3連休でしたが、Memorial Day WeekendといえばBBQシーズン=夏の始まり!同時にモータースポーツ好きにはたまらない「Indy 500」は最後まで大波乱でした!! さて、これまで大まかにビザの種類について、そして永住権とグリーンカードについてご紹介してきました。グリーンカードというカードには有効期限がありますが、たとえ書類であるグリーンカードが失効しても、取得した永住権自体が失効することではないのは前回触れました。 永住権と同じように、非移民類型のビザにも有効期限があります。非移民類型のビザについても目的ごとに本当に様々な種類があり、有効期限についても様々です。Bビザのように最長10年と長いものもあれば、半年間、またはそれ以下の許可という短いものもあります。Jビザのように最長18ヵ月と細かく決まっているものもあります。ですが注意するべきは、ビザの有効期限と、アメリカでの合法的な滞在期間が全く別の基準で判断されるということです。 今回はこの2つの異なる「有効期限」と「期間」について考えたいと思います。 非移民ビザの有効期限とアメリカでの滞在期間については、はっきりと理解されていなかったり、頻繁に間違って捉えられたりしています。実際、それに絡んだ相談が当事務所にも寄せられます。 第一に、ビザはアメリカに入国する際にのみ必要な書類だということを理解して頂きたいと思います。そしてビザの有効期限は、アメリカに入国するためにそのビザを使うことができる最終日のことです。必ずしもアメリカでの滞在期間を示すものではありません。 ビザはアメリカへの入国を保証するものではありません。渡航者がアメリカ国外から入国する際の許可を申請するものです。 国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security。移民局もこの組織に属する。)の税関・国境取締局(U.S. Customs and Border Protection。略して「CBP」。)の職員がアメリカ入国への可否を決定し、渡航者の滞在期間を決定する権限を持っています。 入国が認められるか否か、更に滞在期間は、入国審査官の「裁量」によって行政判断されるということです。 有効なビザを所持していても、何らかの理由で入国を拒否されてしまう可能性は常に存在するのです。 入国が許可されると、滞在期間および滞在条件がI-94に記録されますので、渡航者はそれを厳守しなければなりません。「知らなかった」では済まされないことですから、皆様には今一度ビザの有効期限だけでなく、I-94滞在期間をご確認頂きたいと思います。 では、このI-94が一体どこにあって、どうやって確認できるのでしょうか。 以前は紙のI-94フォーム(出入国記録)を使用していました。渡航者はI-94フォームを記入し、入国審査官に提出すると、その半券がパスポートにホッチキスで留められていたものです。今となっては懐かしい気がします。 現在この手続は、例外を除いて自動化・電子化されています。入国日、許可された滞在資格や滞在期限の詳細は、CBPのウェブサイトから入手することができます。また外国人登録、在留資格、就労資格の証明の為にI-94フォームが必要な場合にも、上記ウェブサイトより閲覧、印刷ができるようになっています。 実は私自身全く知らなかったのですが、今回この記事を書くにあたってリサーチしている過程で、I-94に関するスマホアプリまで存在するということを知りました。しかもCBPとしては、渡航者にこのアプリを推奨しているということで、私も今ダウンロードしてみたところです。iOSからは631件のRatingがあり、星は2.5/5。微妙な感じですね。 因みに、このI-94は非移民ビザ保持者、およびビザ免除プログラム(Visa Waiver Program)いわゆるESTAに適応されますが、永住者いわゆるグリーンカード保持者には適用されません。 余談ですが、私は苦節10年以上の末、グリーンカードを取得できました。しかしその頃はコロナ真っ只中で、2022年秋にようやく一時帰国することが叶いました。実に8年振りでした。 その時初めてグリーンカード保持者として再入国することになった訳ですが、同時にそれは、私が初めて別室(セカンダリールーム)に通されることにもなったのです。それまでに周りの人達から聞かされていたことを、法律事務所で、しかも移民チームの一員として働き始めた直後に経験しようとは…。別室送りにされ、まさに入国が拒否されてしまうかも知れないという思いが少なからず頭をよぎる、実に興味深い体験をしたのでした。 日本は既に梅雨入りしたようですが、カリフォルニアは最高の気候で、野球観戦にでも行きたい気分になります。ただ残念なのは地元チーム。サンフランシスコジャイアンツは何とか勝率5割(Above five hundredと言います)ですが、オークランドアスレチックスは歴史的なペースで最下位独走中。藤浪投手も酷いものです。ニュースになるのはラスベガスへのチーム移転関連のみ。これでは6月1日から始まるNBA Finals、そして3日から始まるNHL Stanley Cup Finalsの方に期待したい今日この頃です。 それでは次回もどうぞ宜しくお願い致します。 Comments are closed.
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