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​MSLG ブログ

MSLGオンラインマガジン 第5回

4/1/2023

 
みなさまこんにちは。マーシャル・鈴木総合法律グループの弁護士、戸木です。
 さて、今回は、私が当事務所に参画してから多く相談を受けている「離婚」についてお話をしたいと思います。
 
偉そうに言う話ではありませんが、私が日本で弁護士登録をしてから留学に出るまで、離婚案件の受任を極力避けるようにしていました。というのも、日本では当事者同士で離婚するか否かの方針が一致しておらず、かつ離婚事由(不貞事実等)がないと、そもそも離婚が成立せずに泥沼化して、長期間にわたって根本的な紛争解決に至らないケースがあり、気後れしていたことが原因です。
しかし、当事務所に来てからは、カリフォルニアに本拠地を移した日本人夫婦、アメリカ人と結婚してカリフォルニアに住んでいる日本人の方々から、カリフォルニアで離婚をするつもりだけど、ネイティブの日本語で相談したいという相談を多く受けるようになり、当事務所以外に担い手となれる事務所がない(少なくとも私が知る限りでは、カリフォルニアに限らず1つも知りません。)ことから、最近は積極的に受任させていただいています。
日本語で離婚の相談を受けられる事務所を知らないと書きましたが、おそらく日系アメリカ人の弁護士が執務している事務所を探せば、一定数は見つかるのではないかと思います。ただ、中にはネイティブの日本語での意思疎通には限界がある方がいて、相談される方が満足できないケースがあるということも聞いています。
 
さて、本題に戻ります。カリフォルニアと日本の離婚に関し、大きく違っているのは主に以下の点です。
  • 協議離婚はない。全て裁判離婚。
  • 離婚に離婚事由(不貞等)は不要。
  • 婚姻費用(Spousal support)の支払義務は離婚後も続く。
  • 親権は共同が原則。
 
それぞれ個別に見ていきたいと思いますが、まず、管轄についてご説明したいと思います。
冒頭に「カリフォルニアに本拠地を移した日本人夫婦」と書きましたが、「日本で結婚した日本人同士の夫婦なのに、カリフォルニアで離婚?」と思われた方もいるかもしれません。この問いに答えるためには、離婚案件をどこの裁判所で取り扱えるのか、いわゆる「管轄」の問題を紐解かなければなりません。
カリフォルニアでは、州裁判所に離婚申立てをできるのは、カリフォルニア州内に直近6か月以上居住しており、かつ、申立書を提出する州裁判所が位置する郡(County)に直近3か月以上居住している人に限る、という居住要件があります(California Family Code 2320(a))。カリフォルニアに住んでいる夫婦であれば、この要件を満たすのは簡単ですね。
日本では、夫婦が日本に住んでいなくても、夫婦の双方が日本国籍であれば、離婚と財産分与についての事件は扱ってもらえます(人事訴訟法3条の2第5号、同3条の12第2号、同3条の13第1項第1号)。しかし、親権に関するものは、子の住所が日本国内にあるとき(家事事件手続法3条の8)、婚姻費用や養育費等の扶養義務に関するものは、少なくともどちらかの住所が日本国内にあるとき(同3条の10)でないと、取り扱ってもらえません。つまり、夫婦と子の全員の住所がカリフォルニアだと、少なくとも、親権、婚姻費用、養育費に関する内容はカリフォルニアの裁判所でしか取り扱ってもらえないという整理になります。もっとも、特別な事情があるときには、法律的には管轄がなくても、日本の裁判所の個別判断で取り扱ってもらえる(自庁処理)ケースもあるようなので、この点は是非弁護士に個別に相談してみてください。
 
具体的な離婚の方法に移りますが、日本では、当事者同士が離婚に承諾していれば、役所に行って離婚届を出せば手続は終わりです(いわゆる「協議離婚」)。財産分与や親権等の条件は話し合う必要があるものの、離婚すること自体は難しくありません。しかし、カリフォルニアでは、協議離婚という概念がなく、全ての離婚に裁判所が関与し、判決をもって離婚させられることになります。そのため、離婚しようとするときには、必ず当事者の双方又は一方が、住んでいる郡の州裁判所の家庭裁判所(Family Court)に、離婚申立書(Petition for Divorce)を提出する必要があります。
とはいえ、離婚やその条件に同意できている方も多くいらっしゃいますので、その場合には、事前に離婚協議書(Marital Settlement Agreement。通称「MSA」)を締結し、そのとおりの内容で離婚を認めて欲しいと申し出ることができ、裁判所はその内容のとおりに判決を下します。また、当事者の一方が離婚を申し立てたが、相手方が何の対応もしなかった場合には、欠席判決が下され、申立書の内容のとおりの判決が下されます。
裁判手続と聞くとややこしそうですが、申立書や答弁書(Response)もその他の書式も、記入欄を設けてあるPDF書式が公開されており、内容も分かりやすく作られています。裁判所に行けばセルフヘルプの窓口もあり、弁護士を建てていない方は、そこで書面の作成方法等について手取り足取り教えてもらうことも可能です。
1つ面白いのは、カリフォルニアでは、離婚申立てから離婚判決まで、必ず6か月以上の期間を置かなければならないことが定められていることです。いわゆる「クーリングオフ期間(Cooling-off period)」と呼ばれる制度で、一時的な感情で離婚することを防ぐ趣旨があるようです。このクーリングオフ期間にどれほどの申立てが撤回されているものなのか、いつか機会があったときに調べてみたいと思います。
 
双方合意しているケースが欠席判決のケースでなければ、申立人は申立書の提出から60日以内に、申立書を受け取った相手方は答弁書の提出から60日以内に、財産の開示(Preliminary declaration of disclosure。通称「PDD」)をしなければならず、この開示をもとに財産分与や婚姻費用、養育費の金額を決めていくことになります。開示を拒んだ場合には、召喚状(Subpoena)を発行した強制的な開示手続やペナルティ等も用意されていますが、細かいので別の機会にお話ししましょう。
 
次に、日本とカリフォルニアの違いで面白いのが、カリフォルニアでは、裁判離婚が認められるための離婚事由は不要という点です。正確には、California Family Code 2310には、(a)和解しがたい相違があり、それによって婚姻が修復不可能な状態に陥っていること、又は(b) 意思決定を行う法的能力を永続的に欠いていること、という要件が定められていますが、当事者の一方の離婚意思が固ければ(a)の要件を満たすことになるので、日本の民法で定められているような離婚原因は求められていないといえます。
個人的には、日本とカリフォルニアのこの差が許容されるのは、婚姻費用の支払義務がいつまで続くのかという問題と大きく関連しているように思います。日本では、婚姻費用は婚姻中(離婚が決まるまで)しか支払義務が生じませんが、カリフォルニアでは、婚姻の期間に応じて、婚姻後にも支払義務が継続します。日本では、経済的に弱い立場にある当事者が離婚によって不利な状況に置かれるのを防ぐために、離婚を簡単に認めずに離婚時期を後ろ倒しにし、婚姻費用の支払によって実質的に救済をするという手法が取られることがあります。カリフォルニアでは、離婚後も婚姻費用の支払が継続することから、このような救済の要否を考える必要がなく、離婚原因が不要であることによる問題が生じにくいのだろうと思います。
 
少し長くなりましたので、婚姻費用と子ども(親権、養育費)の話は次回にさせていただきたいと思います。
 
サンフランシスコ・ベイエリアでは、年末年始の大雨から続いて断続的に雨が振り、涼しい日が続いていますが、天気予報を見ると来週は20℃を超える日が出てくるようで、いよいよ春ですね。
 
今週から野球も開幕しました。本日は阪神からオークランド・アスレチックスに移籍した藤浪選手の初登板ということで、家族を連れ立って観戦に行って参ります。大谷選手との対決も見られますし、天気も良いので、非常に楽しみです。

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