訳例:見出しは参考に過ぎない(実質的な契約内容ではない)
日本でも、法典には「第●条 ●●●」と条文にタイトルがつけられていことがあるが、米国でも同様である。米国の契約書式には、第何条といった条文番号のあとに、当該条文の内容を示す見出し(まとめ)が書かれることが多い。HeadingまたはTitleと呼ばれ、たとえば、「権利の譲渡」とか「当事者」といった書き方になる。 裁判では、契約書の条項があいまい又は誤解を招く場合、契約当事者の意図を解釈するために見出しが使用されることがある。もっとも、見出しの記述が問題となることは、現実的にはあまりない。したがって、見出しは参考に過ぎない(実質的な契約内容ではない)、とする条文は注意規定の意味合いが強い。 実質的な契約内容になるのか否かを明らかにしておくという観点からは、当事者や目的物を表現する場合の単数形・複数形の使い分け(日本でも、「子」と「子ら」のように単数形と複数形を使い分ける場合がある)、および、主語の使い分け(男性(he)、女性(she)、性別がない場合(it)、性別が「男・女」での表現が妥当でない人物の場合(they)など)を当該契約においてするのかしないのか(つまり、これらの表現の違いが契約内容として意味があるのか否か)を確認し、必要に応じて契約書でも言及しておくと良い。 見出しの記述がなくても契約書の効力には影響ないが、実務的にはあったほうが効率が良い。法廷や調停、仲裁などで契約書の内容を短時間で確認しなければいけないとき、コツはあるのだが、重要な条文をまずざっと確認するための指針になる。もちろん、全体を見る必要はあるが、まずは、重要事項を確認し、交渉を継続するか、合意するか、などを決断するための補助となる。また、実務で契約書に多く携わる人にとっては、条文の見出しの記述を箇条書きにしてストックしておくと、新たに契約書の確認をする際の指針にもなる。 Comments are closed.
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November 2024
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