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過去記事「貸主責任」

11/15/2018

 
本記事は、本ブログ作成前(2000年代)にMSLGのメンバーが執筆したコラム等のアーカイブです。現時点の法律や制度を前提にしたものではありませんので、ご留意下さい。

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今回は表題にあるように「貸主責任」、アメリカの法律用語ではLender Liability
という問題を簡単に考えていきたいと思います。貸主責任と言われてもピンとこないと思います。ところが日本でも一時期相当話題になっていたんですよ。例を使って考えましょう。日本では住専問題において、回収会社が金融機関の代表者などの責任を追及していた事件がいくつもありました。この場合、金融機関における責任というのは、相当の担保を取らずにお金を貸して、焦げ付いたことに関し、ひいては消費者に損害を与えたということが根拠になっていたのです。新聞を連日賑わせて退職金まで返上するなどと、当の本人に取ってはダメージの大きな問題になった訳ですが、ちょっと一歩引いて考えてみてください。
 
たしかに銀行の貸金担当の人は、担保を取らずにお金を貸した訳ですが、実際はその借りたお金を返さなかった人が数倍「悪い」訳ですよね。お金を借りて、計画性もなく使って、バブルがはじけて、そのバブルの責任にしてしまう。 ところが、お金を「貸しただけ」なのに責任が生じてしまう。 なんか、不合理なような気がしますね。もちろん住専問題のように社会問題となってしまうと、世論も銀行に対しては厳しい目で見ていく訳ですから、どこかに責任の落としどころがないと世間が納得しないわけです。 しかし、もし皆さんが、友人を信用してお金を貸したのに、第三者がでてきて、「あなたはその友人の信用調査をしなかったし、担保も取らなかったので、あなたも同罪です」なんて言われたら、恩に仇と思いませんか。 たまったものではありませんね。しかし、法律上はアメリカでもちゃんと貸主責任というものを規定しています。上記から考えると、貸し主も「そんなに悪くない」と考えられる例も少なくないわけで、ただ単にお金を貸したからといって、責任を負わせると言うことはあまりにも酷だということになります。ですから、法律はある一定の要件を満たした場合にお金等の貸し主に責任を負わせようということにしたのです。
 
もちろん、以上考えてきたように、「あまり悪くない人」に責任を負わせるという、どっちかというと法的な線引きの問題です。日本では、住専の場合には、代表者の過失という形で責任を追及していきましたが、アメリカでは主にどのように考えられているのでしょうか。 もちろん、アメリカでも住専のように金融機関の過失ということが論じられますが、さらに一歩踏み込んで過失がなくても、ある一定の要件下で、責任を生じさせる傾向があります。こわいことです。いくつか判例が存在しますが、以下のようなシチュエーションにおいて、貸主責任を認める例が見受けられます。大会社の甲があり、その製造の下請けをする乙という会社があるとします。甲が乙の生産量や生産するものの種類などを決定し、さらに乙の会計業務や借財に関しても実質的な決定権を持っていると仮定しましょう。こういった上下関係、支配関係がある場合には裁判所は貸主責任を認める傾向にあります。ですから、(1)親密な関係、(2)会社間の契約内容、(3)実質的に代理として行動していること、といった要件を吟味して、貸主責任が判断されるのです。 また、貸主の動機も重要な要件とされています。つまり、ただ単純にお金を貸しているだけなのか、それとももっとビジネスにかかわっているのか、貸主がどのように考えて行動しているのかを吟味するのです。
 
このようにアメリカではまったく過失がなくても、ビジネスにどの程度踏み込んで関与しているかというところまで、責任の判断材料にされてしまうのです。アメリカで日本の企業が単独で商売をするということは実は少なく、多くの場合、現地の会社と何らかの形で組んでビジネスをしていくということが多いと思います。また、多くの場合、金銭的にビジネスを支援していこうなどということもあるでしょう。この場合、落としやすい論点ですが、この貸主責任ということにも気を遣っていただきたいと思うのです。善意でお金を貸して、ビジネスも実質的に援助しているのに、蓋を開けてみたら第三者に対しての責任が生じてしまっていた、なんて場合も考えられるからです。もっとも単純なお金の貸し借りにまでセンシティブになる必要はないとは思いますが、アメリカでビジネスをする上ではどこか頭の隅においておきたい法律上のコンセプトです。


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