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​MSLG ブログ

過去記事「会社の経営者としての責任」

3/12/2019

 
本記事は、本ブログ作成前(2000年代)にMSLGのメンバーが執筆したコラム等のアーカイブです。現時点の法律や制度を前提にしたものではありませんので、ご留意下さい。

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​今回は皆さんに経営者や会社の関係者としての責任と個人的な責任ということについて考えてみましょう。よく「経営者が責任を取って辞任した」などという新聞の見出しを見ることがありますが、記事をよく読むと経営者自身に問題があるわけではなく、経営者が会社の業績不振や、その他社会的にも取り上げられる不祥事があって辞任するという例を多く見受けます。言ってみれば、本人が悪いかどうかわからないけれども、会社のトップであるが故に責任を取らなくてはいけないという事態が多くあるわけです。 日本でもいろいろな不祥事がありましたが、トップの人が確実に悪いことをしているという例はほとんど表に出てきません。もちろん社内で尻拭いの縦型人事ができているからかもしれませんが、経営者としては、経営不振や部下の不祥事で責任を取らなくてはいけない問題があるわけです。 ただ、職を辞任するということが責任をとるということがほとんどであって、法的にその経営者が、経営をしていたからということを単独の理由として、損害賠償などの責任を負うことはあまり多くありません。経営責任ということと、個人的に経営者が責任を負うということについて少々掘り下げて考えていきましょう。
 
基本的に、会社の経営者が個人的に責任を負わなくてはいけない場合というのは、その経営者が個人的に悪いことをしたり、法的問題が存在するのに故意に対処をしなかったりする場合です。経営者本人が悪いことをしているということが責任を負う根拠になるのです。当たり前ですかね。 よく、会社を設立するという業務を私の所属する事務所でも担当しますが、会社を設立して会社名で業務をすると、社長以下経営陣は個人的には責任を全く負わないと考えられている方もいらっしゃいますが、もしご自身が社長になられて、法的に問題のあることをした場合には個人的に責任を負う場合もあるということを理解していただきます。株式会社を設立するイコールすべての責任は会社に存在するということではないのですね。
 
さて、それでは具体的にどのような例において、経営者が個人的に責任を負うのでしょうか。以下列挙しながら考えましょう。ただこのコラムでご紹介する事例が全てではないので注意してくださいね。
 
まず、時事の話題としても大きく取り上げられることの多い証券取引関係を考えましょうか。証券取引法というのは、証券の扱いを公平なものにして、証券の価値を正当なものにして、一般の人たちの信用を得ようとする目的があります。簡単に言ってしまえば、株などの証券というのは、価値があってないようなものですから、システムをきちっとしておかないと悪用する人が後を絶たないのです。よく聞くのがインサイダー取引という言葉でしょうか。会社内でしか知り得ない特別な情報を使って、株価が上がるのを事前に知り、株を買うことが代表例ですが、経営者などの特別な地位にいる人が個人的な責任を負う典型です。 また、よく聞く例は、会社の合併などが行われることが一般に知れると、株価があがるという場合があります。合併により、より業務が大きくなったり、より効率的になると予想されたり、業界でも力を持ったり、といろいろなメリットが考えられるからでしょう。インサイダー取引などの株価に関しての事柄はアメリカでは証券取引局(SEC)が監視していています。 株により経営者が不当に利益を得た場合、会社から不当利得について訴訟される場合があるでしょうし、損害賠償責任を負う場合もあります。加えて、証券取引局が公的にこの経営者や内部の情報を漏らした者を訴え、場合によっては罰金、禁固刑などが科せられることがあります。
 
経営者という地位においては、会社の秘密情報を多く手にしたり、新製品の開発や、特許の情報などが入ってきますね。 このような情報を事前に漏洩して、自己または特定の第三者が株の利益を得ることをインサイダー取引と呼びます。アメリカの証券取引委員会は私見では、アメリカの連邦機関の中でも特に優秀な人材が揃っているところです。ここで働く弁護士も非常に優秀な人が多く、インサイダー取引に関しては、厳しく法律を運営しています。ですので、アメリカにおいては経営者の責任として常に気をつけなくてはいけないのはが証券取引法です。
 
その他「経営者の責任」といえる代表的なものを考えておきましょう。 まず、取締役の対外的な責任についてです。 アメリカでも日本でも同じだと思いますが、中規模以下の会社であると、お金を借りたりするときには、必ず個人保証を求められ、ほとんどの場合には会社の代表取締役が個人の保証をつけます。なぜかというと、会社というのは、会社財産がなくなったり、倒産をしたり、ということが考えられますが、ある程度財産を持っている個人というのは、簡単には破産や民事再生を申し立てることができません。ですから、ある程度資産を持っている個人に金融機関は責任を持ってもらいたいということになるわけです。 会社が倒産したり、借入金の返済が滞ったときには、通常、保証人となっている会社の経営者が責任をとることになるのです。 
 
次に、契約関係や不法行為関係で、経営者が会社の代表としてではなく、個人的に責任を負う場合があります。 経営者がいくら会社の代表取締役でも、個人的に締結した契約に関しては責任を負うことは明白ですね。たとえば、自分で趣味のボートを買って、その支払いはするのは個人の責任といった場合が考えられます。 難しいのは、不法行為が絡んだ問題です。「不法行為」というのは、法律用語ですから、必ずしも「違法」や「悪いこと」と結びつけないでください。ある人が故意または過失によって人に損害を与えた場合、因果関係が存在する程度では責任を負うという意味です。詳しくは日本の民法の709条でも参照してみてください。 経営者としての不法行為としては、たとえばセクハラや不当解雇などの問題が考えられます。経営者が経営者のキャパシティを越えて、不当に被雇用者に対して損害を与えるような場合には、経営者は個人的に不法行為責任を負います。通常会社の定款等に、どの程度経営者が責任を負うのかが明確にされていますが、ほとんどの会社では、会社の経営上、個人責任を最小限にするように書かれているのが実際のところでしょう。会社が大きくなると、デラウェア州に法人の本拠地を移し、法人登録をするという会社が多いのですが、デラウェア州法では、経営者の責任に関し、最大限に経営者に対して寛容であり、更に今まで多くの裁判例があるので、経営者側としては会社の経営に際して予見できる部分があります。デラウェア州法人の人気の秘密の一つに、この経営者の免責ということが挙げられるのです。
 
もう一つ大きな経営者としての責任は、株主に対しての責任です。会社の持ち主は株主であり、経営者ではありません。もっとも株主と経営者が同じという場合も多くあります。経営者の株主に対しての責任とは、会社の業績面であるとか、会社の運営に関する面であるとか、ビジネスの面がほとんどであり、株主にしても、どの程度その会社の株主になっていることで利益があるのか、という面だけを考えている場合が多いので、お金さえ儲かっていれば、問題がないというのが、通常でしょう。しかし、経営者が違法な行為を犯したり、お金を横領したり、といったことがある場合には、株主は訴訟により、経営者の責任を追及することができます。株主代表訴訟などという言葉をお聞きになったことがあると思います。最近では、ヨーロッパで、会社の経営者があまりにも過大な報酬をもらっているということをベースに株主が訴訟を起こしているという例もあります。
 
このように経営者というのは、対外的にも対株主にも、そして対政府に対しても責任をもって会社を経営していかなければなりません。その責任に対して報酬をもらっているという面があることは確かです。前回今回と経営者というのは決して楽なものではなく、重い責任を課されているということを法律の面から考えてみました。


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