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過去記事「エスクロー」

12/26/2018

 
本記事は、本ブログ作成前(2000年代)にMSLGのメンバーが執筆したコラム等のアーカイブです。現時点の法律や制度を前提にしたものではありませんので、ご留意下さい。

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某テレビ局の「のど自慢」がサンフランシスコで行われました。私もしっかり見てきました。というのも、私の事務所もこのイベントの法律面に深く関わって、歌手やイベント関係者がアメリカに入国するまでは、とても忙しく仕事をしていたからです。このように、良い方向で仕事が成功し、クライアントも事務所のメンバーも皆さん嬉しいというのはなかなか弁護士冥利につきるものです。皆さんも仕事や勉強に燃えていますか。
 
さて、今回は日本には無い制度でアメリカで様々なビジネスを行ううえで、知っておいていただきたい制度をご紹介します。それはエスクロー(escrow)制度です。アメリカで不動産などを購入された経験がある方はご存じかもしれませんが、エスクロー会社は売り手と買い手の中間に入り、買い手からは代金を受け取り、売り手からは不動産の所有権を移転する必要な書類を受け取り、すべて必要な書類やお金が整ったことを確認して、エスクローに入っている書類やお金を受領する当事者に開放します。取引内容を確認する業者とでも考えてください。この制度は不動産取引の安全を考えると非常に有効な制度で、いわゆる日本の民法の理論上、問題になる不動産の二重譲渡の問題や、物権変動においておこる問題がなくなり、円滑で安全な不動産譲渡が約束される手段となります。エスクローといえば、不動産に関するものが皆さんにとっては一般的に目に入るものでしょうが、実はビジネス上でも様々な場面で使われることがあります。もし、アメリカで会社を買うとか、投資をするなどということをお考えになっている方がいらっしゃったら、エスクロー口座を開き、エスクロー会社に取引の一部を任せると、ぐんと安心感が増すと思います。
 
エスクロー口座をどのように使うかは、例を使って考えた方が非常にわかりやすい。ですから、まずどのような取引にエスクロー口座が使えるのか、実際の例を見てみましょう。お店を経営しているYさんは、Xさんに店舗、それにお店にある道具や在庫を売り渡したいと思っています。Yさんの店舗はリースしている物件で、あと三年リースが残っていて、加えて五年間のオプション契約が可能です。Xさんもこれは了承していますが、Yさんの大家さんがYさんからXさんに賃借人の地位を譲渡することを許可するか、または転貸借(いわゆる又貸し)を許可するのか、Yさんの大家さんの意向を知らないと、この店舗の売買が成り立たないことになってしまいます。つまり当事者であるXさんやYさん以外の人の判断を仰がなくてはいけなくなってしまいます。一人、二人と取引に関わる人が増えていくと、取引自体が進む速度が遅くなってくる。これは、各人の思惑の数が増えていくからです。 Xさん側としては、店舗を買い取るわけですから、お金を払えば良いですが、Xさんがもらい受けるもの、すなわち備品や店舗の状態などは、固有のものなので、専門家に検査をしてもらったり、譲り受けるものの内容も確認しておきたいところです。Yさんとしては、現金一括でもらえれば言うことはないでしょうが、Xさんがローンを組むことが条件になるといった場合、確実に融資先からお金が入ることを確認しておきたいわけです。XさんとYさんの間だけでも、このくらい確認したい事項がでてきますので、一日、取引の日時を決めて、「さあ売買を完了させましょう」というのは危険なわけですし、もっとも終わるわけがない。そこで、エスクロー口座を開くわけです。ビジネスエスクロー口座を扱っている業者もありますが、皆さんが使われている銀行や金融機関などもこのサービスを行っているところが多いです。もちろんただで、この役目をやってくれるわけがありませんから、取引の規模や煩雑さによって、数百ドルから数千ドルのエスクロー料金が課金されることになります。これは取引の内容によっては非常に価値のあるものになります。売買の完了を第三者が見届けてくれるのですからね。特に、売買金額が何億円にもなる場合には必須な訳です。
 
XさんとYさんは各々相手に渡す書類、権利、お金についてあらかじめすべて書き出して、エスクロー会社に伝えます。エスクロー会社はたとえば、リースにおける賃借人の地位がXさんからYさんに移転された、もしくは、転貸借が承諾されたという事実を書類で確認しなければ、絶対にXさんから振り込まれたお金はYさんに渡さないわけです。ですから、エスクロー会社は取引に関してある一定の期間、たとえば30日や60日といった期間、をオープンの状態にしておき、その期間内にすべての条件を当事者が整えるよう促すのです。このようにして、すべての条件が整ったときに、無事Xさんは店舗や備品などを手にでき、Yさんは売買代金を手にすることができるのです。こうすれば、リスクも最小限に抑えられますね。
このようにビジネスを売買する、または投資をして株を買う、知的財産権のライセンス契約を締結する、そういった場面でいくらでも使える可能性があるこのエスクロー口座を、皆さんも利用されてはいかがでしょうか。また、会社間の取引なども、時によっては多額の取引が行われることが少なくありません。ですから、ぜひエスクローを利用することで、無駄なエネルギーを使うことを最小限にしてください。


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