■新年のご挨拶
法律ノート読者の皆様、あけましておめでとうございます。2021年がはじまりました。昨年は、生活のあらゆるところが、目に見えないウイルスの影響によってドラスティックに変わってしまいました。今年も昨年の「変化」が続くと思いますが、この変化をなんとか一人ひとりポジティブなものに変えていくことが重要なのではないでしょうか。この原稿を書いている今、サンフランシスコ周辺は雨が強く、快晴の正月とは言えない状況です。この雨がウイルスを洗い流してくれないものかと考えたりしています。サンフランシスコの市内は人影がなく、昼ごはんを探そうと思っても開いている店を探すのが困難な状況であります。 「やはり」という印象ですが、年末年始にかけてコロナ感染者が激増しました。アメリカに限らず、日本でも激増している様子です。東京の街でもかなりの人出がある様子ですし、アメリカでは空港がかなり混んでいたと聞きます。一方でワクチンの接種もはじまり、結局コロナに振り回された年末年始でした。ただ、私の近しい人の中でも医療従事者はワクチンの接種を開始したと言っていましたので、あと少し我慢すれば徐々に罹患する状況は改善していくのではないでしょうか。では、法曹界の状況はどうでしょうか。 2020年は、訴訟の進行も停滞していました。ほぼすべての案件が2021年に先延ばしされ、今年、裁判が再開されるとかなりの混雑ぶりが考えられます。裁判所の職員も自宅待機になっており、必要な書類の処理がなされないなどという状況もありました。リモートのなかで、実際に裁判がどのように進行するのか、先が思いやられるところではあります。2020年にビデオでの尋問も体験しましたが、あまり効果的ではないように感じました。 商用の案件などはほぼすべての場合ビデオ会議が取り入れられ、慣れていな会社でも試行錯誤しながら会議をされていたように思います。ただ、ビデオ会議というのは手軽である一方で、やはり生の会議に比べるとインパクトに欠けるように感じます。また、意見交換の場としては、なかなか「議論」がしにくいな、とも感じました。皆、ビデオ会議に慣れていない状況で、工夫をしているという状況が続くと思います。 サンフランシスコ市内は、ほぼロックダウンや制限によって2020年は、人がいなくなっていました。実際の法律実務については、事務所に行けないわけですから、結局行きもしない事務所に家賃を払うという感じになって、本当にオフィスが必要なのか、高い家賃を払ってオフィスを維持する必要があるのか、など考えさせられました。弁護士のなかには、この機を利用して、事務所を自宅とし、仕事で使う連絡先だけを確保することで経費を浮かせるということを始める人も多くいました。そのほうが、コストが減るので回り回って、顧客にとってもプラスになることは間違いありません。昔の法律業務はとにかく、紙の本が多く必要で大変でしたが、近時では簡単にアップデートされた法令や判例などにアクセスできますので、実際に事務所の家賃を払うよりも、そのようなデータベースにアクセスすることにお金を使ったほうが、クライアントの利益になるのではないかと私も思うようになりました。私は弁護士になった当初から、弁護士というのはきらびやかなオフィスって必要なのかな、といつも疑問でした。ロマンチックなレストランとか、眺望を楽しみに来る人にプラスになる場所であれば良いのでしょうが、弁護士がきらびやかなオフィスを持っていても、実質面では何も役に立たないわけです。事務所を運営していくという観点からは2020年はかなり考えされる年になったのではないでしょうか。2021年にかなりの弁護士が業態を変えてくるのではないかと思います。 法律業界は、コロナの影響をさほど受けなかったとは思いますが、接客を伴う業態に従事されている方々のことを思うと本当に心が痛いです。多くのレストランが経営難に陥り、サンフランシスコや周辺では開いているはずのレストランがひっそり明かりを消しているところが多く、悲しい限りです。ダウンタウンはもうゴーストタウンのようになっています。しばらくこのような状況が続くのでしょうが、気持ちだけは強く持って2021年を過ごしていかなければならないように思います。止まない雨はない、とは言いますが、勝てないウイルスはいない、と信じて、みなさんも今年一年心を強く持っていてください。私も法律ノートを書き続けてがんばっていこうと思いました。また、今年一年どうか宜しくお願いいたします。みなさんにとって、安全で平穏な一年であることを心から祈っております。また、社会に笑顔が戻ってくるのを楽しみにしましょう。 Comments are closed.
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