ベイエリアの49ersがスーパーボール進出を果たしました。週末にパッカーズ との試合を観られていた方も多かったのではないでしょうか。前半すでに大差 で、手に汗握る試合とは言えませんでしたね。心配なのは、ディフェンスで2名 負傷者がでていたことです。スーパーボールに影響しないことを祈ります。三連 休の方も多かったと思いますが、皆さんはどのようにお過ごしになりましたか。
さて、前回考えた2020年に新たに施行される重要な法令について、今回続 けて考えていきたいと思います。前回、労働新法についてかなり考えましたが、 今回もいくつかダイジェストでご紹介していきます。まず、差別やハラスメント 等の訴訟をカリフォルニア州で提起するためには、訴訟の前置として行政機関 (DFEH)に訴えを提出しなければなりません。そして、訴訟の原因となる不法な 行為が行われてから1年以内に、この行政機関への訴え提起をしなければならな かったのですが、短いということで、3年に延長されました。 次に、雇用契約書に関してですが、雇用契約書の記載で、紛争が生じた場合、裁 判所の裁判ではなく仲裁に行くという条項が一般的にあります。仲裁というの は、私的に紛争を解決する方法です。そして非公開という特性があります。です ので、セクハラ事件などは世論を味方につけたい原告側としては、不利な部分も あります。新たに1月1日から法律ができて、雇用に際して仲裁条項を雇用の条 件としたり、強要したりすることが事実上禁止されることになりました。本当は もっと仲裁条項について、制限ができたのですが、ここでは省略します。 あと給与に関する法改正です。給与をオンタイムに支払わなかった場合には、ペ ナルティーが加算されることに1月1日からなりました。現存の違反金に加え、 1人に対する1回の遅滞に関して、一回目は100ドル、二回目以降は200ド ルにさらに違反金が課されることになりました。かなり厳しくなってきています ね。実際、経済の調子が良いといっても、スタートアップなどの企業は不安定で 給与の問題がでてきるということなのですね。 他にも、多々労働法に関する新法が出てきています。たとえば、もともとカリ フォルニア州の15人以上被用者がいる会社においては、被用者が生きているま ま臓器提供をする場合には、給与を払いつつ30日間の休みを与えなくてはいけ ませんでしたが、それに加えてさらに30日間の休み(無給で良い)を与えなく てはいけないということになりました。世界的に先駆している被用者保護の法律 です。 それから、職場で起きた労災事故については、即時に州に対して電話またはオン ラインで報告する義務が強まりました。それから、新法で、一部の例外を除い て、髪型で職場の差別を行うことを禁止しました。すべての髪型ではないでしょ うが、「人種」という差別から保護されているカテゴリーに髪型も入る、と法律 で明確にしたものです。ただ、日本人がちょんまげをつけていったら、どうなる のでしょうかね。 それから、昨年の新法紹介で、カリフォルニア州において、5人以上の被用者 がいる場合には、セクハラ教習の受講義務を課すとした、と書きました。そし て、2020年1月1日までに、その初講習を終えなくてはならない、という話 になっていました。それはあまりにも急だし、対応ができないということで、 2021年1月1日までに対応すれば良いということになりました。 以上のように、労働法の分野はかなり、被用者寄りの改正がなされました。カ リフォルニアには、新しい分野、新しい形態の会社がどんどん出てきて、新しい もの万博のような感じになっています。そこで、労働法の問題がかなり増加して いるのも事実なのですね。一方で、カリフォルニア州では、様々な税金が高いこ とから、企業や高額所得者が多州に逃げて行っていますが、このような労働法の 改正で、企業を経営するのが難しい面が多々でてくると、カリフォルニアから企 業がさらに離れていってしまうのではないかと懸念されています。 労働法ばかり考えてきましたが、次回はいくつか別の分野の法改正にも言及し て、また皆さんから頂いている質問への回答に戻りたいと思います。まだ、ベイ エリアは雨が多いですが、一週間がんばっていきましょうね。 Comments are closed.
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