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法律ノート 第620回 弁護士 鈴木淳司

 私のクライアントで、最近精力的に電子メールを利用される方がいるのです
が、毎回確認の電話をいただき、「メール送ったよ」、とか「メール受け取った
よ」、と教えてくれます。電話がなくてもメールを見ればわかることなのです
が、なんだかほほえましいというか、おかしくなってきました。しかし、メール
をもらうだけではなく確認の電話をもらうと、結構そのことが頭に残るので、交
渉の時など、相手方に覚えてもらうための作戦としてはよいかもしれませんね。
私は風邪で弱っていましたが、皆さんはお元気ですか。

 さて今回から新しくいただいた質問を皆さんと一緒に考えていきたいと思いま
す。いただいた質問をまとめると「日本人学生や日本に興味のある学生同士の互
助を目的として、アメリカでネットワークをつくっています。インターネットや
携帯電話の定額通話のおかげで、交流もスムーズで楽になってきたのですが、最
近は人数も増えてきたので、なんらかの形で団体を登記することはできないかと
の話しがでてきました。登記ができれば、メンバーを増やす作業も容易になるの
ではないかと思っています。ただ、会社を設立したり、非営利団体として正式に
法人化するまでには至っていません。何か方法はないものでしょうか。」という
質問です。

 日本人は外国にいるといつも日本人同士の足を引っ張るイメージが強いです
ね。中国人はお互いに助け合う傾向にあるので、政治家もどんどんでてきます
し、結婚や葬式なども本当に盛大です。日本人や日本に関係のある方々の結びつ
きは本当に薄いな、というのがアメリカにいて思うことですが、今回質問をして
くださった方のように、日本人同士で助けあっていくとか、情報交換をどんどん
していくというのは、良いことだと思います。とくに学生の時代につくった人脈
は大事ですから、がんばってつながりを強くしてもらいたいものです。もちろ
ん、遊ぶ事だけではつまらないですから、お互いのためになるような団体だとよ
いでしょうね。

 さて、今回の質問にある「ネットワーク」はたしかに会社や非営利団体にする
には、少々つながりが緩いのかもしれません。お互いに情報交換をしたり、漠然
と互助をするというだけでは、確固とした団体の目標も掲げられないでしょう
し、会社化してなんらかの利益を追求するということも考えにくいのはたしかです。

 一番簡単な方法は、何もせずに今の形でただ代表を皆の間で決めて運営するこ
とだとは思います。もちろん、会員制にするのであれば、どのような会員になる
ための要件があるのか団体内で決めたり、団体内の自治をどのようにするのか、
規律を決めたり、代表をどのように決めるのか、考える必要はあるとは思いま
す。団体内のルール作りは大事だと思います。時に、会費を集め出すような状況
になったらルールはちゃんと設定しないといけないと思います。団体の内部管理
が緩いと、お金でトラブルになることが多くなるように感じます。

 また、なんらかの登録をしなくても、会の名前等を登録することはまったく構
いません。もちろん株式会社や他の会社と混同するような名称をつけるのは許さ
れませんが、●●の会、という形で名称をつけたらどうでしょうか。名称をつけた
ら、その名称をいろいろなところで使うと良いと思います。一般的にその名称が
なじんでくると、将来その名称を登録するときなどにも便利です。

 このように、団体としての組織を備えて、名称もちゃんとつけ、代表者の選出
方法を決めて運営していれば、政府に登録しなくても、これといって、問題が発
生するわけではありません。しかし、対外的に「会の存在」を示したいと思う
と、なんらかの登録を政府にしたいのが人情ですね。

 問題は、会社でもなく、非営利団体でもない状態の組織を政府に登録するシス
テムがあるのか、ということです。カリフォルニア州会社法第18035条に
「Unincorporated association」というカテゴリーの団体が規定されています。
日本語でいうと、「会社化されていない団体(社団)」ということになるでしょ
うか。定義としては、「2人以上が、お互いに合法的な目的を持ちながら組織を
つくること」なので、今回質問された方の団体もUnincorporated associationと
いうことでカリフォルニア州法では認められると思います。このUnincorporated
associationは営利、非営利どちらでもよいことになっています。紙面が足りな
くなってきたので次回続けていきたいと思います。また一週間寒いですががん
ばっていきましょうね。
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