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●弁護士にもわかる米国会計の基礎講座●  鈴木淳司 著
(弁護士も含め、素人用の会計講座です) 8/29/2002最終更新
 
■バランスシート■

 

まず、「会計」というとバランスシート(日本語では貸借対象表だと思う)が一番巷にも知られていると思います。表の左側にAssetsそして右側にLiabilitiesを記載し、Net Worthを算出する表です。 表の例(ここをクリック)を見てください。エクセル形式です。簡単な表なのでプリントしていただくと、以下の説明を理解するのに簡単だと思います。

さて、このように左側にAssetsそして右側にLiabilityが書かれているバランスシートですが、感覚的にいうとビデオ撮影しているところを一時停止させて、その画像を見ている、つまりスナップショット的な情報が書かれています。ですから例の表にも12月31日と書かれています。これは12月31日の画像を見ていると考えて良いのです。

表の見方ですが、Cashは現金、Account Receivableというのは、支払を受けられる権利を指します。たとえば、商品を売掛した場合ですね。Inventoryは在庫、そしてPP&Eというのは、property, plant, and equipmentの略で道具や機材などが含まれます。

右側のAccount Payableですが、これは、支払をすぐにしなくてはいけないもの、たとえば30日以内に支払わなくてはいけない、なんらかの代金だったりするわけです。 Long-term Debtとは長期の借り入れで発生する支払、たとえば土地の購入ローンなどです。

この左側のAssetsと右側のLiabilitiesの下部の合計が一致するようになっています。Assets からLiabilitiesを差し引いたものが、Net Worth,すなわちオーナーの持ち分となる訳です。

それで、このバランスシートですが、これを見て、一体何がわかるのかというと、はっきり言ってその会社のファイナンシャルのことはほとんどのことがわかりません。私が民事事件で、会社の不正を調査するときに、まず会社側が出してくるのがこのバランスシートの束です。結構な数字は書いてあるし、結構立派に見えるのですが、このバランスシートを見ているだけでは会社のお金の実体的な動きはなんら把握できません。具体的に、キャッシュが入ってきたといっても、ここに記載されているものとズレが生じていても不思議ではないですし、オーナーの持ち分といっても、実際に存在するのかしないのかもわかりません。 

ちゃんとバランスするのは、会計原則のおかげなのであって、バランスシートと呼ばれる所以です。会社が不正なお金を使っていないイコールバランスシートがあっているのではありません。ですから、会社を守ろうとする会計士は、素人には「ほら、バランスシートのバランスがあっているじゃないか」ということを言いますが、これだけでは不正があったかなかったかはまったく語れません。別の項で考えますが他のインカム・ステートメント、それにキャッシュ・フロー・ステートメントなどがあってはじめてある程度の情報が見えてきますので、絶対に、調査を行っている会社のバランスシートだけで、意見を持ってはいけません。

一般的にも知られているバランスシートですが、結局不正を追及したり、調査をするときにはたいして役にたたないというのが私の実感です。

 
●注意! 会計業務に関わる方で、「鈴木の言っていることは、間違っている」とか「こういう考え方もある」という方はぜひご一報下さい junji@marshallsuzuki.com です。 また、ここに書いてある内容は、鈴木淳司の趣味というか、勉強の一環でやっているだけです。 私は法律家であり、会計の専門家ではないですから、そのことを念頭に読んでくださいね。ここに書いてあることについて、何らの責任も負うつもりはないので、宜しくお願いいたします。
 
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