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■ MSLG 判例関係ニュースフラッシュ ■

●アメリカ連邦関係●

■ 労働法・雇用法 (連邦高等裁判所) ●本件で問題となった2種類の医療サービスは、共に、事実上明らかな単独の管理者により経営されていたため、公正労働基準法上、単一企業とみなされ、残業手当の計算に関し労働時間の総計を要請される共同雇用者であると地裁は判示した。州の少額裁判所に持ち込まれた被用者による残業手当請求訴訟が敗訴となったところ、一事不再理の原則に基づき、労働局は、同一被用者に関する残業手当の規定に準拠していないことを理由とする雇用者に対する訴訟の続行を禁止された。
判決日:October 6, 2003 Chao v. A-One Medical Services, Inc. 判決全文はここをクリック
■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●アメリカ合衆国は、外国人に対して、受け入れる政治体制が整っていない国に国外退去を命じることはできない。政治体制が欠如している国に外国人に対し国外退去命令を下した、制定法で定められた移民局の権限に対して異議を申し立てる場合は、移民局内部の救済手段全てを経る必要はなく、裁判所に対しての人身保護の申し立ては適切な手続きであったと判示した。
判決日:September 17, 2003 Ali v. Ashcroft Cite as No. 0335096 判決の全文はここをクリック
■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●移民局が投資による永住権申請を却下した場合、連邦地方裁判所において、移民局の判断を再審理することができると判示した。
判決日:September 17, 2003 Spencer Enterprises, Inc. v. United States ite as No. 0116391 判決の全文はここをクリック
■ 労働法・雇用法 (州高等裁判所) ●被告が、「継続的に、厳しく制限された、かつ極めて要求の多い」血糖値テスト、厳密な監視下における食生活、毎日のインシュリン注射などの療法を必要とする不安定型糖尿病患者であるという証拠能力は、被告の糖尿病が、日常生活における食事を実質的に制限をするか、またそれにより、米国障害者法に基づく障害者であるかどうかという点に関し、裁判上、有効に証拠となり得る。 これに対し、被告の血糖値が極端に高くあるいは低くなった時、被告の思考やコミュニケーション及び被告自身の健康管理に困難が生じる、といった病状は、そういった症状の頻度に関する証拠がないため、日常生活の妨げになるという論点につき、裁判上証拠として使用することができない。 また、実際に障害者であると主張したが、問題となっている事件があった時点において障害があったと真摯に主張をしなかった被告は、損害賠償請求の当事者とはならない。
判決日:September 8, 2003 Fraser V. Goodale 判決の全文はここをクリック
■ 刑法・刑事訴訟法 (連邦高等裁判所) ●本件被告人は、過剰防衛による殺害が成立するか否かという争点について、陪審員が事実認定を行うために裁判官が提供する指示の内容に誤りがあったと主張した。連邦高等裁判所は、過剰防衛の成立にあたって、被告人の被害者に対する恐れが「合理的」でなければならないという要件はそもそもないため、陪審員にこの合理性の要件を考慮することを要求した指示は明らかに内容面で誤っており、かつこの誤りは過 剰防衛が成立するか否か陪審員が判断するにあたって多大な影響があったと想定されるとして、下級審判決を覆した。
判決日:September 22, 2003 McNeil v. Middleton, Cite as 0156565 判決全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 (連邦高等裁判所) ●薬物犯罪で起訴された本件被告は、100グラムから400グラムの範囲でヘロインを配布する共謀に加わったことを認め、陪審裁判を受ける権利を放棄して有罪宣告を受けることに合意したものの、被告人が関与した薬物の量によって量刑が大きく異なる本件のような場合、検察官が薬物の量に関しても挙証責任を負担するということを担当裁判官に告げられなかったため、有罪宣告の受け入れを撤回する申立てを行った。控訴審は被告人の主張を全面的に認め、破棄・差し戻した。
判決日:June 27, 2003 United States v. Villalobos, Cite as 0130066 判決全文はここをクリック

■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●1990年移民法では、加重重罪を犯した外国人が、移民法212条に基づき国外退去処分にならないための救済措置を申請することを禁じる規定が設けられているが、1990年移民法が施行される以前に重罪となる罪状を認めた外国人に対しては、適用されるべきではないと判示した。
判決日:June 30, 2003 Toia v. Fasano Cite as No. 0255436 判決の全文はここをクリック

■ 移民法 (連邦高等裁判所判例) ●正当な許可なしに米国に入国を試みた外国人が入国していないため移民法上の審理ではない迅速な処置により送還され、再度、米国に許可なしに再入国した者に対しては、過去の強制送還を争ったり、退現在審理中の退去事由について審理を受ける権利がないとした判例。
判決日:July 1, 2003 Padilla v. Ashcroft, Cite as No. 0270430 判決全文はここをクリック
■ 人権 (連邦高等裁判所) ●児童インターネット保護法において、図書館が、成人利用者の権利侵害の対象となり得るが、猥褻画像や未成年者に有害とされる画像へのインターネットアクセスをブロックするフィルターソフトを導入しなければ、連邦のE-レート・プログラムに基づく補助金、あるいは図書館のサービスとテクノロジー法に基づく連邦の支援を受けられないと定められている。この補助の制限は、憲法上の国費支出権に基づく合法的な議会の権利行使であり、米国憲法修正第一項の侵害にはならない。
判決日:June 23, 2003 United States v. American Library Association 判決の全文はここをクリック
■ 憲法人権 (連邦高等裁判所) ●刑務所の収容者に対する訪問権に関する制限に関し、(1)近親者以外(弁護士、聖職者を除く)の訪問者の人数制限、(2)訪問可能者に関する制限(3)近親者以外の子供の訪問に関する制限、(4)前収容者による訪問に対するより厳しい制限、及び、(5)薬物濫用で繰り返し収容されている収容者に対する一時的な訪問権の停止を含むが、これらは、LRAの原則に反せず、正当な政府の関与であり、交際の自由、デュープロセス、残虐な刑罰の禁止などの憲法上認められた囚人の権利を侵害するものではない。
判決日:June 16, 2003 Overton v. Bazzetta 判決の全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 (連邦高等裁判所) ●アパートの一室に寝泊りしていた居住者とは認められない客が、所持品であるジムバッグを閉じた状態で、ベッドの下に保管していた。警察官がバッグを捜索する際にも、居住者ではない客がアパートの部屋に寝泊りしていることや当該客の所持品であることw知りつつ捜索を行っており、実際の居住者自身も客の所持品の捜索に対して事実上もしくは外見上同意する権限を有していなかった場合、 当該所持品に対して客は合理的なプライバシーの権利があると認定された。 違法な捜査と武器の押収後に警察官が得た被告の供述に関しても、武器は違法な捜査を行わなければ発見できなかったものである上に、武器を発見しなければ被告に対しても質問をしなかったであろうことから、当該供述は「毒樹の果実」であり、違法収集証拠であると認定された。
判決日:June 11, 2003 United States v. Davis Cite as No. 0110739 判決の全文はここをクリック
■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●アメリカに帰化した市民の、外国で出生した未成年の子供は、(1)判決に基づく両親の別居後、帰化した方の親に親権がある場合、及び、(2)帰化したのが母親で、実父が確定されていない場合は、アメリカ市民権が与えられるが、帰化した方の親が父親で、その父親に親権がある場合、及び両親が一度も結婚したことがない場合、アメリカ市民権は与えられない。両親の結婚歴に基づく市民権出願者の分類は、外国人である親が、もう一方の親の帰化により、親権を喪失することを防ぐという合理的な理由に基づくものであり、性別による差別ではなく、この法令は平等の保護を受ける権利を侵害するものではない。
判決日:June 9, 2003 Barthelemy v. Ashcroft 判決全文はここをクリック
■ 移民・刑事訴訟法 (連邦高等裁判所) ●本件被告は、過去に米国から国外退去されていたが、子供の親権をめぐって米国内裁判所に出廷する目的で特別に1日だけ米国に入国・滞在する許可を与えられた。結果的に被告はこの許可に違反し、2年以上米国に滞在しているところを移民局に探知され、刑事訴追されることとなった。本件では入国自体は合法であったことから、その後の違法滞在のみを理由に刑事犯罪は成立しないと被告は主張したが、控訴審は入国の違法性は犯罪成立の前提条件ではないとして被告の主張を退け、下級審判決を支持した。
判決日:June 6, 2003 United States v. Pina-Jaime, Cite as 0150063 判決全文はここをクリック
■ 知的所有権 (連邦高等裁判所) ●原告による作成後、公有財産となっていた作品を、被告が、コピーして修飾を施し、包装して自らの作品として販売した本件において、被告の販売した作品は創作とみなされ、レンハム・アクトのセクション43(a)にある"リバース・パッシング"の責任を問われないと判示された。
判決日:June 2, 2003 Dastar, Inc. v. Twentieth Century Fox Film Corp. 判決の原文はここをクリック
■ 憲法 (州高等裁判所) ●本件では、モーテルの部屋を30日以上連続で同じ宿泊者に貸すことを禁止するブエナパーク市条例の合憲性が争われた。原告であるモーテル連合ならびに会員は、市による条例規制が正当な補償を欠く公用徴収にあたり、違憲であると主張したが、裁判所は原告の主張を退け、条例の合憲性を確認した。
判決日:May 29, 2003 Buena Park Motel Association v. City of Buena Park, Cite as SOS 2717 判決全文はここをクリック
■ 労働法 ●雇用主が雇用の採用をするにあたり、外国人が不採用となった。雇用者側は不採用の事実は当該外国人のアクセントに問題があることを理由にし、他の資格・経験が劣るものを採用。後日、不採用になった原因はアクセントに問題があるとしらされた。この事例で、裁判所はアクセントを理由に不採用にすることは差別であると認定。雇用者と不採用者の間で、激しいやりとりがあり、雇用者側は、不採用者の言動が強迫であると主張し、原判決ではその主張が認められた。控訴審において、雇用者側が不採用者に対して行った行為は差別に動機づけられて行われた可能性が残るため、原判決は取消の対象となると判示した。
判決日: March 27, 2003 Raad v. Fairbanks North Star Borough School District, Cite as No. 0035999 判決の原文はここをクリック
■ 移民法 ●永住権保持者が複数以上の重罪に基づきアメリカから強制送還される手続において、移民局から、連邦の控訴審に控訴を不可能にさせる立法は憲法上の手続的デュープロセスに反し、違憲である。(この判決は非移民ビザ所持者に対しては判示していないことに注意)
判決日:March 26, 2003 Cedano-Viera v. Ashcroft Cite as No. 0170622 判決の原文はここをクリック
■ 刑法 ●被告人の弁護人が警察に電話をし、死体がおかれている場所を伝えた場合に、その弁護人が担当する裁判の結果が殺人罪において有罪となったケースにおいて、警察に対して弁護人が情報を提供した時点で、弁護人が当該被害者がまだ生存していると信じて、事件から辞任した場合、弁護士の義務に違反していないと判示した。また、弁護士とクライアント間の委任契約には違反していないと判示した。
判決日:April 2, 2003 McClure v. Thompson Cite as No. 0135593 判決の詳しい内容はここをクリック
■ 刑法・刑事訴訟法 (連邦高等裁判所) ●事実を記載した書面と添付書類を実際の捜索に先駆けて送達した場合、連邦刑事訴訟法規則第41条に基づき捜索令状の送達として充分と判示された。当該書面および、添付書類には明確に捜査主体および権限、捜査の対象となる場所および品目が記載されており、捜索後の捜査主体による宣誓書も送達がなされていた。
判決日:April 4, 2003 United States v. Celestine Cite as No. 0050669 判決全文はここをクリック
■ 民法・民事訴訟法 (アメリカ連邦最高裁判所) ●(1)原告の損害が人的でなく経済的なものであり、(2)被告の悪意を立証する証拠が発生地において違法とはされない可能性があり、(3)他の裁判管轄下において懲罰的損害賠償の対象となならない可能性を持つ被告の行為を含み、(4)原告側に損害をもたらした違法行為と同様の行為を被告が定期的に行っていたという証拠が乏しく、(5)判決が被告の行為の程度及び適用される刑事罰に対して不均衡であった民事訴訟においては、填補賠償の145倍にあたる懲罰的損害賠償は過剰と判示された事例。
判決日:April 7, 2003 State Farm Mutual Automobile Ins. Co. v. Campbell No. 01-1289 判決全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 (連邦高等裁判所) ●特定の乗用車が不規則に運転されていると既知の関係者が通報したところ、おそらくその乗用車が見つかるであろうとの報告があった地区で警察がその乗用車を発見し、運転手がハンドルに非常に接近している形で座っており、蛇行運転が明らかで、結果、運転手が飲酒していたという合理的な疑いをもち、その合理的な疑いに基づき停車を命じたのは違法捜査とは言えないとした事例。
判決日:April 8, 2003 Cite as No. 0130398 判決全文はここをクリック
■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●米国に不法滞在している外国人に対する国外退去命令請求手続の通知が過去の住所宛に送付されており、本件申請者は手続が進行している事実を全く知らさ れていなかった。申請者は住所変更届を移民局に提出していたが、移民特別裁 判所の担当裁判官は住所変更の事実を伝えられておらず、住所変更届を実際に 受けた地方移民局は国外退去請求手続が進行しているという事実を知らされて いなかった。このような状況で申請者は、憲法上保障される国外退去請求に関 する告知・聴聞の機会を奪われたと主張したが、高等裁判所は適正手続違反は ないとして申請者の主張を却下した。
判決日:April 11, 2003 Manjiani v. INS, Cite as 01-70415 判決全文はここをクリック
■ 破産法 (連邦高等裁判所) ●破産審査裁判所は、衡平法上の権限に基づき、学資ローンによる債務を部分的に放免することができる。
判決日:April 14, 2003 In re Saxman Cite as No. 0135620 判決全文はここをクリック
■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●外国人がアリゾナ州法上存在する「輸送手段に関する窃盗」の罪で有罪となった場合、この犯罪の構成要件が所有者から物を奪うという故意がなくとも成立する犯罪であるという解釈ができるため、アメリカ国外に強制送還となる前提である、加重重罪犯とはならないと判示した。
判決日:April 16, 2003 Nevarez-Martinez v. Immigration and Naturalization Service Cite as No. 0270049 判決の全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 (連邦高等裁判所) ●子供に対する強制猥褻の嫌疑で起訴・拘留されていた被告人は、起訴から5年以上経過しているにも関わらず自己に対する刑事裁判が行われていないことから、憲法上保障された迅速な裁判を受ける権利(合衆国修正憲法第6条)を侵害されたとして、連邦裁判所に対して公訴棄却を申請した。下級審は被告人の申請を却下したが、高等裁判所は検察官による裁判遅延理由の正当化が不十分であること等を考慮の上、被告人 の迅速な裁判を受ける権利の侵害を認め、破棄・差し戻した。
判決日:April18, 2003 McNeely v. Blanas Cite as 02-15860 判決全文はここをクリック

■ 刑事訴訟法 (連邦高等裁判所) ●薬物犯罪で63ヶ月の服役を終え たフィリピン共和国民である被告人に対して、下級審は8年間の保護観察付き出所を認めたものの、出所の条件として米国からの強制退去を命じた。被告人 は、外国人に対する強制退去命令手続は連邦法にもとづき移民局が行うべきであり、外国人に対して国外強制退去を命ずる行為は裁判所の権限を逸脱すると主張した。控訴審は被告人の主張を認め、下級審命令を破棄した上、差し戻した。
判決日:April 25, 2003 United States v. Tinoso Cite as No.0210128 判決全文はここをクリック

■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●強制国外退去手続の代わりに、移民局が30日以内の自主的出国を外国人に対して認めた場合、30日がどの時点から起算されるのかが本件では争われた。申請者である外国人は、連邦裁判所が移民局による決定を審査の上、誤りがないと判断した時が起算点となると主張したが、連邦高等裁判所は最新の移民法改正にも注目した上、連邦裁判所が移民局による決定を審査中であるか否かに関係なく、移民局が外国人に対して30日以内の自主的出国を認めた時が起算点となると判断した。
判決日:April 25, 2003 United States v. Brown Cite as No. 0130261 判決全文はここをクリック
■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●入国審査を受けずに入国した外国人が、アメリカ市民との結婚に基づいてグリーンカードを得ることによって移民法上の身分変更を行う際、飲酒運転は不道徳行為の犯罪ではないため、飲酒運転の有罪判決に対するwaiver of inadmissibility(不承認免除)は必要なく、その免除がないことを理由にBIA(移民上訴委員会)が身分変更を拒絶し、国外追放を命じたのは誤りと判示された。
判決日:April 28, 2003 Murillo-Salmeron v. Immigration and Naturalization Service 判決の全文はここをクリック
■ 移民法 (アメリカ連邦最高裁判所) ●加重重罪で有罪を受けた永住権保持者に対して、拘留をすること、強制送還審判に付すること、は実体的デュープロセスに反しないが、同時にその永住権保持者が拘留に対する異議申し立てをすることは許されるとした判例。
判決公表日:April 29, 2003 Demore v. Kim Cite as No. 01-1491 判決全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 (連邦高等裁判所判例) ●法廷審問に出席するのを怠ったという罪で告発されている被告人が刑務所で殺されるのを恐れたため出席しなかったと主張した事件において、陪審員が事件を判断する基準となるインストラクション(Jury Instruction)が罪を犯す為の特定意思を要求しているのは、根本的に間違いであり、ハームレス・エラー原則(判決に影響があった審理の間違いという基準に基づいて、控訴審で判断される手続法則)で判断している州裁判所は、明らかに連邦法に反している。
判決日:May 6, 2003 Powell v. Galaza Cite as No. 0115195 判決全文はここをクリック
■ 知的財産法 (連邦高等裁判所) ●本件被告は、既に原告によって連邦商標登録されたPycnogenolという製薬品名を自己のウェブサイト上に掲載するのみならず、サーチエンジンで製薬品名を入力することにより自己のウェブサイトにアクセスされるようにした上、原告の登録製薬品名を継続的に使用するしたため、原告との提携協力関係の存在を消費者に誤信させる可能性があるとして、被告の行為は商標権侵害にあたり、純粋に原告の登録製薬品名を代理宣伝しているにすぎないとは言えないとして、下級審判決が結果的に支持された。
判決日:May 9, 2003 Horphag Research Ltd v. Garcia Cite as No.0156733 判決全文はここをクリック
■ 人権[憲法] (連邦最高裁判所) ●警察官が合理的な逮捕事由無く車両の停止を求めたという訴因に基づき(本件では、警察官の数マイルの尾行を知覚し、尾行の間、原告が法的に問題がなく走行をしていたと明白に事実認定された)、原告が提起した憲法違反訴訟において、警察官は42 U.S.C. Sec. 1983に規定されている特権を防御としては使えないと判示。また、本件においては、憲法上の権利が害されたという明白な訴因は実質審理に適しているといえる。白人の警官が黒人の運転手を逮捕したという証拠については、停止を命じる根拠については、実質審理の対象となるが、事実関係に照らして法の下の平等を侵した人種差別に基づく動機があったという訴因については、実質審理の対象とはならないと判示。 警察官が原告に対し別件の逮捕状が発行されている事実を得ていた場合には、たとえ本件の逮捕が違法の可能性がある車両の停止であった場合でも、「類似事由に基づく逮捕」原則に基づく限り、原告の憲法上の権利を侵害したとはいえず、特権を防御として使用できると判示。 さらに逮捕に際し、原告が原告の兄弟の名前を不当に使用し、名字が同一であるという逮捕事由に基づき逮捕状が発行されているという事実がある限り、本件逮捕に正当性が認められていると判示した。
判決日:May 19, 2003 Inyo County v. Paiute-Shoshone Indians of Bishop Community of Bishop Colony 判決全文はここをクリック
■ 移民法 (連邦高等裁判所判例) ●アリゾナ州法で定義されている加重飲酒運転の罪は、たとえ被告が自己所有の土地において、駐車中の車の運転席に座りながらアルコール飲料を飲むことによっても該当犯罪の構成要件を満たす可能性があるため、移民法上の道徳違反の罪には該当しないと判示。
判決日:May 27, 2003 Hernandez-Martinez v. Ashcroft Cite as No. 0270048 判決全文はここをクリック
■ 移民法 (連邦高等裁判所) ●移民法によると、米国外で生まれた子供の片親のみが米国市民権を後に取得した場合、子供が派生的に米国市民権を取得するには、(1)米国市民権を取得した親が法律上の別居後、子供の親権を有していること、(2)米国市民権を取得した親が未婚の母親である場合には、父親による認知がなされていないこと、のいずれかを証明しなければならない。ハイチ生まれの本件申請人は、米国市民権を取得した父親とともに米国に移住し米国永住権を取得したものの、両親が一度も結婚しなかったことから「法律上の別居」を証明する前提をそもそも欠くという理由で、米国市民権の派生的取得を認められず、本件では上記移民法の合憲性が争われることとなった。連邦高等裁判所は、移民に関する国会の広範な立法裁量を再確認した上、上記移民法は違憲ではないと判断した。
判決日:May 23, 2003 Barthelemy v.Ashcroft Cite as 0171529 判決全文はここをクリック

●カリフォルニア法関係●

■ 家族法 (州高等裁判所) ●本件では、親権を与えられた母親が、成人に達するまで子供を隠匿し、父親の面接権行使を不可能にした場合、隠匿期間中の子供の養育費を、子供が成人に達した後に母親が遡って請求することはできないという下級審判決が控訴審で支持された。
判決日:October 2, 2003 Stanislaus County Department of Child Support Services v. Jensen Cite as SOS 5257 判決全文はここをクリック
■ 家族法 (州高等裁判所) ●本件では、既に発生し、支払遅滞となっている子供の養育費の額を裁判所が遡って減らすことができr権限を有するか否かが争われた。控訴審は、そのような権限は裁判所には認められないとして、下級審に差し戻した。
判決日:September 11, 2003 County of Santa Clara v. Wilson Cite as SOS 4996 判決全文はここをクリック
■ 不法行為法 (州高等裁判所) ●本件原告は、被告が管理・所有するローラースケートリンクにてパーティー騒ぎをした上、薬物(エクスタシー)を服用し、帰りの運転中に事故に遭い重傷を負ったことを理由に、スケートリンクの管理所有者である被告を相手に不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起した。原告は、スケートリンクを本件のようなパーティー会場として使用することをそもそも認めた被告に責任を認めるべきであると主張したが、裁判所 は、スケートリンク上で行われた本件パーティーは法律上「本質的に危険な活動」には該当せず、仮に原告が薬物をパーティーで服用する可能性があることを被告が確知していたとしても、本件パーティーを禁止するまでの義務は被告にはないとして原告の訴えを退けた。
判決日:July 10, 2003 Sakiyama v. AMF Bowling Centers, Inc. Cite as SOS 3678 判決全文はここをクリック
■ 不法行為法 (州高等裁判所判例) ●買主に故意による不当な表示をする不動産仲買人は忠実義務に違反し、原告の実際の損害だけでなく、売買契約における得べかりし利得の損失に対しても責任があると判示。
判決日:July 7, 2003 Second District, Div. Eight Cite as 2003 SOS 3606 判決全文はここをクリック

■ 刑事訴訟法 (州高等裁判所) ●被告人とその弁護士の間で、被告人の責任能力に関し意見の不一致があったが、相反があったとは認められず、被告人はその責任能力に関して自己の弁護人と争うために第二の弁護士の任命を要求したが、裁判所は正当にその要求を拒否できると判示した。また、被告は、精神科医や弁護士に協力しないと断言しており、検査医と話すことを拒否しているため、正当な理由なく責任能力についての鑑定審理に出廷しなかったのは、裁判の進行に本人が協力することを拒否したと推定され、出廷権を放棄したものとみなされた。
判決日:July 3, 2003 People vs. Jernigan 判決の全文はここをクリック

■ 医療法 (州高等裁判所) ●担当医が、患者のストレスに関連した病状及びその影響に関し原告が働くことは「おそらく不可能」であるといった診断を、患者の雇用者に開示した事は、法律の規定に反せず、カリフォルニア州民法56.16条(医療記録の守秘義務法令)の例外規定により守られる。また、情報開示禁止の指示は、法により、文面でなすべきものであり、患者の口頭による指示は拘束力がない。雇用主に医学上の問題を報告し、医療機関を紹介してもらおうとした被用者には、その後の治療に関する合理的なプライバシー権が欠乏しており、医者による雇用者への開示は、コモンロー上のプライバシーの侵害とはならず、被用者の回復は不可能と判示された。
判決日:June 25, 2003 Garrett v. Young 判決の全文はここをクリック

■ 不法行為法 (州最高裁判所) ●大量の電子メールを会社の従業員に第三者が送信する行為は、雇用主の動産を侵害する不法行為は成立しないと判示した。電子通信により、受信者のコンピュータシステムや機能を損傷していない限り不法行為には該当しない。
判決日:June 30, 2003 Intel Corporation v. Hamidi Cite as 2003 SOS 3378 判決の全文はここをクリック

■ 保険業法 (州最高裁判所) ●本件では商用保険条項の「広告活動から生じた損害」の適用範囲が争われた。本件原告は競業ビジネスの顧客リストを不当使用し、新しい顧客を獲得しようとしたという理由で訴えられたため保険会社に対して同訴訟の防御を要請したものの、保険会社は訴因が保険の適用範囲外であることを理由に訴訟防御義務はないとして原告の要請を全面的に拒否した。高等裁判所は顧客リストの不当使用から生じた損害も「広告活動から生じた損害」に含まれるため、保険会社に訴訟防御義務があると判断したが、最高裁判所は適用範囲外であるという結論を下して破棄・差し戻した。
判決日:July 3, 2003 Hameid v. National Fire Insurance of Hartford, Cite as SOS 3508 判決全文はここをクリック
■ 家族法 (州高等裁判所) ●本件では、離婚した妻が、婚姻中に夫婦の財産から支出した夫のロースクール費用の返還請求を行った。これに対して裁判所は、(1)夫がロースクール卒業後司法試験を受け、弁護士になる意思がなかったこと、(2)夫のGPAが2.2であったこと、(3)夫は警察官としてフルタイムで勤務し続けていること、(4)夫が仮に司法試験に合格し、 弁護士になったとしても収入が急上昇するという証拠がないこと、を理由に妻による学費返還請求を否定した。
判決日:May 21, 2003 In re Marriage of Graham Cite as SOS 3229 判決全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 (州高等裁判所) ●執行猶予を認める条件として裁判所により命令された被告人の精神療法に関する記録は、精神療法士・患者間の特権として証拠法上保護されるため、別罪で被告人が再度起訴された場合、検察官は強制証拠収集手続の一環として、被告人の精神療法に関する過去の記録を入手することはできないとされた。
判決日:June 12, 2003 Story v.Superior Court Cite as SOS 3052 判決全文はここをクリック
■ 憲法 (州高等裁判所) ●本件では、警察官の任務に関して悪意をもって虚偽内容の報告書を提出した者に対して名誉毀損損害賠償責任を認めるカリフォルニア州民法上の規定が、憲法上保障された言論の自由に反しないかが争われた。控訴審は被告人の民事責任は、内容が虚偽であることを知り、かつ悪意がある場合に限定されていることから、言論内容自体の規制には該当しないと判断し、合憲性を確認した。
判決日:June 6, 2003 Loshonkohl v. Kinder Cite as SOS 2843 判決全文はここをクリック
■ 医療法 (州高等裁判所) ●Medi−Calプログラムによる州からの支払いを受けている医療提供機関は、医療扶助受益者の人身傷害事件に関する損害賠償の請求、判決、あるいは和解に対する先取特権の設定を、州法によって許可されているものの、連邦法では認められていない。よって医療扶助受益者に対する人身傷害事件に関連した先取特権の主張は、連邦法によって禁じられているが、カリフォルニア州の不公正競争法の違反とはならず、UCL責任からの逃げ場を作っている。連邦法によって封じられた州法のもとに提起した、医療提供機関に対する先取特権に関する不法行為に基づく損害賠償請求訴訟の提起は、特権によって禁じられている。
判決日:June 2, 2003 Olszewski v. Scripps Health 判決の原文はここをクリック
■ 民事訴訟法 (州高等裁判所) ●客観訴訟において、共同原告として加わる可能性のある者と連絡を行うのに裁判所の許可を要求することは言論の自由に対する事前抑制にあたるため、そもそも本件原告は裁判所に対して事前許可を申請する必要はなく、下級審は原告による許可申請を却下すべきであったとして破棄・差し戻した。
判決日:May 29, 2003 Parris v. Superior Court Cite as SOS 2708 判決全文はここをクリック
■ 民事訴訟法・和解契約 ●原告がカリフォルニア民事訴訟法998条に従った被告からの和解契約の申込を承諾した場合で、その和解内容が明白かつ不明点がない事例では(和解金額の支払額、が明らかなケース)、和解契約成立後、原告と被告が和解契約内容とは違う意図を持っていたからといって、和解契約を無効にする証明とはなりえないと判示した。(注:民事訴訟法998条は、ある一定のケースで、訴訟当事者の一方が他方に対して、和解を提示することができることが記載された条文である。)
判決日:March 28, 2003 Roden v. Bergen Brunswig Corporation Fourth District, Div. Three 判決の原文はここをクリック
■ 契約法・和解 ●当事者が訴訟提起前に締結した契約に拘束力をもつ和解条項(binding arbitration clause)が存在する場合、仲裁において、仲裁人に対して当事者が、弁護士費用を仲裁の判定に加えることを請求しなかった場合、仲裁成立後、裁判所に対して、弁護士費用の請求はできないと判示された。
判決日:April 1, 2003 Corona v. Amherst Partners Fourth District, Div. One Cite as 2003 SOS 1657 判決の詳しい内容はここをクリック
■ 刑事訴訟法 ●アリゾナ交通法では自家用車の前後にナンバープレートを付けることが法的義務とされていると警察官が善意だが誤って信じ、その誤信により、被疑者の車を停車させ捜索した場合、違法捜査であると認定した判例。
判決日:April 1, 2003 People v. White 判決の詳しい内容はここをクリック
■ 労働・雇用法 ●会社の代理人(Agent)は未払い賃金につき、たとえ形式的には「雇用者」とみなされても、責任は負わない。ただし、代理人本人が故意ある不法行為を行っている場合にはこの限りではない。
判決日:April 2, 2003 Reynolds v. Bement Second District, Div. Two Cite as 2003 SOS 1677 判決の詳しい内容はここをクリック
■ 物権法 ●商業リースの条項で、テナントが契約に違反した場合には、賃料を倍額にするという条項は公序良俗に違反して無効である。
判決日:April 2, 2003 Harbor Island Holdings, L.L.C. v. Kim Fourth District, Div. Three Cite as 2003 SOS 1735 判決の詳しい内容はここをクリック
■ 刑事訴訟法 ●カリフォルニア州高等裁判所判例: 陪審裁判前に証拠不十分を理由に起訴(薬物犯罪)が取り下げられた後で、被告人が無罪の証明を裁判所に求めたところ、下級審は被告人に証拠提出の機会 を与えることなく請求を却下した。高等裁判所はこの下級審の判断が裁量を逸 脱するものであり、最終的に起訴が取り下げられた被告人に対して法律上、無罪の証明を求める権利が認められている以上、被告人から提出された証拠を検討した上で被告人が無罪であったか否かを裁判所は判断すべきであるとして下級審にケースを差し戻した。
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■ 民法(不法行為) ●<カリフォルニア高等裁判所判例> 雇用主であるUPSにより実施された医療検査の結果判明した従業員の脳腫瘍に関して、従業員が脳腫瘍の事実を告知されなかったことを理由にUPSに対して不法行為訴訟を提起した。高等裁判所は、争点となっている従業員の脳腫瘍が雇用に関連するものであることから、救済措置として一般不法行為訴訟に頼ることはできず、労災上の特別手続を踏まなければならないとして下級審判決を支持した。
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■ 刑法・刑事訴訟法 (州最高裁判所) ●下級審の裁判官が裁判所より指名された被告人側弁護士の解任を認めた後、被告人は自己で弁護をすることを望み、弁護士に委任することを拒んだ。当該刑事裁判が死刑判決の可能性を含む裁判であることを理由に下級審が被告人が新たな弁護士を選任するまで裁判を遅らせるとした。この理由のみで憲法上保障されている被告人の自己弁護権を奪うことは憲法違反と判示し、有罪判決を差し戻した。
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■ 労働法・雇用法 (州高等裁判所) ●慣習法上の不当解雇訴訟において雇用主の復讐的動機による解雇であることを訴訟事由にする場合、公の法的手段に訴える前に、雇用主である団体内部の雇用に関する手続きを経なければ訴訟としての前提を欠き、訴訟は却下されると判示した。
判決日:April 8, 2003 Palmer v. Regents of the University of California - filed Second District, Div. Seven Cite as 2003 SOS 1818 判決の全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 ●<カリフォルニア州高等裁判所判例> 本件被告人は過去に自動車窃盗の罪で執行猶予宣告を受け、執行猶予の条件として、期間中、窃盗犯罪関連捜索を嫌疑なくして受けることがあるということを承諾した(一般市民との関係では、嫌疑なくして捜索を行うことは許されない。執行猶予に服する者に関してはこの原則の適用が大幅に緩和される)。プロべーション・オフィス(執行猶予を監視する公的機関)は捜査機関に対して、嫌疑なくして捜索することができるのは窃盗関連犯罪のみに限るという特定の条件を報告せず、その結果警察官は本件被告人の自宅を薬物捜索目的で捜索し、薬物を発見した。下級審は、本件において捜索を行った警察官に非はなく、善意でプロべーション・オフィスからの報告(嫌疑なくして被告人を捜索する場合、対象犯罪等に関して特に限定はないという報告)を信頼して薬物の捜索を行った以上、判例上確立された違法収集証拠排除法則の例外が適用され るとして被告人の証拠排除請求を退けた。これに対して高等裁判所は、薬物捜索を行った警察官は捜索範囲の限定に関して調査をすべきであったという理由で、違法収集証拠排除法則の例外の適用はないとして差し戻した。
判決日:04/09/03 People v. Spence Cite as C028033 Super. Ct. No. 264837 判決全文はここをクリック
■ 遺言・信託 (州高等裁判所) ●検認済み遺言の執行において、ある種の訴訟による収入は、全ての残余財産受益者ではなく、その訴訟の資金繰りをした受益者に分配すべき、という分配、遺言者の遺言に関する法律上の同意条項に違反するも のではない。
判決日:April 11, 2003 Estate of Strader, Second District, Div. Eight Cite as 2003 SOS 1868 判決全文はここをクリック
■ 家族法 (カリフォルニア高等裁判所判例) ●原審が家庭内暴力差止・禁止処分請求の法廷において、子供たちはアメリカ国外に住んでいたという理由を根拠、および、申立人に対して「申立人は子供達のいる外国に戻り、その子供たちと一緒にいるべきである」という裁判所のコメントは、訴訟上、請求に無関係であり、無用に攻撃的である。原審の請求棄却を無効とし、別の裁判官のもとでの審理のため請求を差し戻す必要があるとした判例。
判決日:April 14, 2003 Quintana v. Guijosa Cite as 2003 SOS 1886 判決全文はここをクリック
■ 不法行為法 (州高等裁判所) ●交通事故で負傷した肩を治す手術をうけることに原告は同意したものの、実際に行われた手術は本件被告である担当医師の判断により、肩を治す段階まで至らない診断上のものにとどまった。原告は、実際に行われた診断上の手術は自分が同意した手術とは大幅に異なり、事前にその手術内容を告知されていれば到底同意はしなかったということを理由に、被告に対する故意にもとづく医療不法行為の訴えを提起した。下級審は、(1)実際に行われた診断上の手術よりも侵害の程度が高い肩を治す手術に原告が実際に同意していたこと、(2)肩を治す手術を続行することにより生じる可能性があるリスクを考慮の上、より侵害の程度の低い診断上の手術に切り替えることも同意の範囲内の行為であるということから、訴えの利益なしとして原告の請求を却下し、控訴審も請求却下判決を支持した。
判決日:April 18, 2003 Conte v. Girard Orthopaedic Surgeons Medical Group, Inc. Cite as 2003 SOS 1949 判決全文はここをクリック
■ 不法行為法 (カリフォルニア高等裁判所) ●被告である学区が一旦退学を受けた暴力の傾向のある生徒を復学させた事実を、後発の暴力事件における学区側の過失を証明するために使うことは法定免責特権に該当すると認めた判例。後発の喧嘩で負傷した生徒が学区を訴えた事件において、学区が、その傷害を生じさせた生徒を、以前、停学処分にしなかったことは、後発の暴行事件とは因果関係はなく、また、事後すぐに停学処分をすることは制定法と州法の正当な法の手続の必要条件を満たさず、当該事件前に起きた他の暴力事件を考慮しても、被告である学区がその生徒を直ちに停学処分を命じなかった事実は、前事件が原告と無関係であるため、被告に義務違反はないとした。さらに、身体に対する暴行は発生しないものの、物損と脅迫行為が絡んだ前事件で進行中の調査が生徒に対して学区が行っているとしても、当該事件との関連性はない。暴行を加えた生徒と原告の間には当該事件前、なんら問題はなく、学校職員に暴行に関する予見可能性がない場合、学区は暴行を加えた生徒から原告を保護する特別な義務を負うものではないと判示した。
判決日:April 17, 2003 Thompson v. Sacramento City Unified School District, Third District Cite as 2003 SOS 2006 判決全文はここをクリック
■ 刑法・刑事訴訟法 (州高等裁判所) ●軽罪とされる暴行を意図した凶器所持の罪は、道徳違反の罪であり、公判において、当該有罪判決を用いて証人適格の反証とすることができると判示した。
判決日:March 25, 2003 判例の公開日:April 22, 2003 People v. Rivera, Sixth District Cite as 2003 SOS 2017 判決の全文はここをクリック
■ 企業・会社法 (州高等裁判所) ●原告が、輸送中貨物に生じた損害に関し、運送業者に対して訴訟を提起した裁判において、被告が、貨物の海上輸送法(COGSA)と船荷証券に基づき、賠償責任は限定されている、と防御した。当該裁判において、原告側が、船荷主は賠償額を上げる交渉を行う公平な機会を与えられなかった、という証拠を提出することで、被告の防御を阻止することが可能であった。しかし、原告は、賠償責任限定規定を含むCOGSA法が船荷証券に明白に記載されていなかった、という証拠を提出しただけにすぎず、その証拠をもとに即時判決を認めるには証拠が不十分であり、誤りであると判示した。
判決日:April 17, 2003 Continental Insurance Co. v. Columbus Line, Inc., Second District, Div. Five Cite as 2003 SOS 1906 判決の全文はここをクリック

■ 家族法 (州高等裁判所) ●保護を受けている子供が他州の親権のない保護者と同居する場合、少年審判において審判された兄弟関係についての配慮の効果は、親権に関する法律または保護監督権のない保護者についての実体的手続に影響しない。保護者の親権に関する法律に優先する裁判所の決定をする場合、兄弟と離れ、他州の保護者と同居すること、また保護を受ける子供が精神的な苦痛を蒙るであろうという証拠により証明される必要がある。
判決日:April 23, 2003 In re Luke M. -filed Second District, Div. Three Cite as 2003 SOS 2126 判決の全文はここをクリック

■ 不法行為法 (州高等裁判所) ●本件被告は危険廃棄物の処理を請負人に依頼したが、請負人の従業員である原告は廃棄物処理作業中に発生した傷害を理由に被告に対する不法行為損害賠償請求訴訟を提起した。陪審員は原告に対する175万ドルの損害賠償を評決したが、控訴審は、原告の傷害に寄与する何らかの積極的行為が認められない限り、原告とそもそも雇用関係を有しない被告に不法行為責任はないとして破棄・差し戻した。
判決日:May 9, 2003 Park v. Burlington Northern Santa Fe Railway Company Cite as No. SOS 2386 判決全文はここをクリック
■ 家族法 (州高等裁判所) ●5才未満の子供に対する激しい虐待の痕跡、及び、その子供が常時両親の保護下にあり常に家族と一緒にいたという証拠は、Welfare and Institutions Code(福祉及び公共施設法)300項(e)における扶養義務者を決定するに際し、両親自身による虐待、あるいは両親が子供に対する第三者による虐待を合理的に知り得た、と確証するのに充分な証拠であり、実際の虐待者の身元を明確にする必要はないと判示した。
判決日:April 28, 2003 Second District, Div. Seven Cite as 2003 SOS 2406 判決全文はここをクリック
■ 知的財産法 (州高等裁判所) ●"マイクロ カラー(micro color)"という言葉を用いたマークの商標侵害訴訟において、当該登録商標は、原告の商品の顕著な特色を表したマークであり、一般的な呼称ではないという推定の根拠となると判示した。また、下級審において当該商標は、消費者が用語を一般的な呼称として使用していた、もしくは理解していた、という証拠なくしては、陪審員による事実認定がなく、一般的な呼称であると判断したのは誤審であるとした。登録商標は、商標が一般名称ではなく、第二次的な意味を得たという決定的な証拠となるものである。被告が自社の商品を市場で売るために、原告の商品の特色を表したマークが使用できるのは、被告の用語の使用と原告のマークの間に混同の恐れがない場合においてのみであり、伝統的なフェア・ユースの適用時のみ許される。第9巡回区控訴裁判所が混同の恐れを判定する8要素テストを考慮に入れると、本件では数々の事実的な問題が存在し、即時判決を認める下級審の判断は誤りであると判示した。
判決日:April 30, 2003 KP Permanent Make-Up, Inc. v. Lasting Impression I, Inc. Cite as No. 0156055 判決の全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 (州高等裁判所) ●過度の暴力を含む暴行罪の量刑を決定する際、家庭内暴力を伴う構成要件にあてはまらない限り、懲役・禁固の代替えとして、福祉・奉仕活動などは刑法2933.1条の制限に服さない。刑法2933.1条は一定の犯罪に対して、懲役・禁固等の代替刑(Conduct Credit)につき、判決を受けた期間の15パーセント以上は、懲役・禁固の代替えは認めてらないとするものであり、本件の犯罪に関しては、刑法2933.1条の対象とはならないと判示した。
判決日:May 6, 2003 People v. Hawkins Second District, Div. Six Cite as 2003 SOS 2347 判決全文はここをクリック
■ 弁護士倫理法 (カリフォルニア高等裁判所判例) ●弁護士には、面会したこともなく、弁護士を雇ってもいない依頼人の配偶者に当該夫婦の子の死亡に起因する訴訟に関するその配偶者の権利について助言する義務はない。また、その配偶者を訴訟の当事者として加えることを怠ったという責任を問うことはできない。
判決日:May 12, 2003 Hall v. Superior Court (Lindrum), Second District, Div. Seven Cite as 2003 SOS 2413 判決全文はここをクリック
■ 刑事訴訟法 (州高等裁判所) ●薬物犯罪で起訴された本件被告は、違法収集証拠排除請求が否定された結果、検察官との交渉により有罪宣告を受けることに最終的に合意したが、裁判官による証拠排除請求却下の決定を控訴で争うための措置を弁護士がとらなかったことから、自己に対する刑事弁護が不十分であったことを主張した。これに対して控訴審は、検察官と被告の間で有罪宣告受諾に関する合意が成立していたこと、裁判官による証拠排除請求却 下を争わないことが合意の内容であった可能性を考慮した上、被告の弁護が法律上不十分であったとは言えないとして被告の主張を退けた。
判決日:May 16, 2003 People v. Hinds Cite as SOS 2481 判決全文はここをクリック
■ 民事訴訟法 (州高等裁判所) ●下級審において、被告側の用意した神経心理学の専門家が原告の検査を行う際に、証言録取で既に質問をした内容や、以前別の専門家が質問をした内容を、繰り返し質問すべきではないと判示したことは裁量権内での命令であるが、専門家が原告から談話的な回答を引き出すことを禁じたのは、裁判所の裁量権を越えた行為であるとした。 神経心理学の検査は、原告の精神的な検査であり、特別な状況がない限り弁護人が一緒に付き添うべきではなく、下級審が当該精神検査をテープに録音する代わりに、裁判記録係が検査内容を記録することを許可した上に、記録内容は医師の質問ではなくそれに対する回答のみ許可したことは、裁量権の乱用であると判示した。
判決日:May 13, 2003 Golfland Entertainment Centers, Inc. v. Superior Court (Nunez) - Third District Cite as 2003 SOS 2421 判決の全文はここをクリック


●日本法関係●

■ 平成15年度相続税贈与税改正について(弁護士 武田昌則) ●平成15年度(2003年度)の税制改正においては、世界一高いといわれている贈与税の税率を含め、相続税・贈与税の双方について重要な改正がなされる見込みですので、改正に関する最新情報を皆様にも知っていただこうと考えています。 武田弁護士の解説はここをクリック
 
 
■ MSLG 所内関係ニュース・フラッシュ ■

■ MSLGの武田昌則弁護士がサンフランシスコ日本町で「アメリカにおける弁護士への依頼方法」について講演しました。 講演の概略はここをクリック。 (May 17, 2003)
■ キャロル・マーシャル弁護士が今年の秋学期からカリフォルニア大学バークレー校のロースクールでMediation(和解・仲裁)のクラスを教えることになりました。

■ MSLGの武田昌則弁護士と移民チーム・リーダーの金澤達朗が移民法(非移民ビザ・永住権)に関する講演をシリコンバレーで行いました。 講演の概略についてはここをクリック。 (March 28, 2003)

■ MSLGの鈴木淳司がサンフランシスコ上級裁判所のパートタイムの裁判官(Pro Tem)に就任しました。 鈴木からのお知らせはここをクリック。 (March 25, 2003)
■ 長谷川美佳(はせがわみか)が新卒採用され、仮採用3ヶ月の研修を開始しました。 カリフォルニア大学卒業。(March 11, 2003) 
■ MSLGと鈴木淳司がサンフランシスコ弁護士会から、扶助を必要とする低所得者に対する無料弁護を行ったことを表彰された記事です(3度目です、PDF形式です)。
■ MSLGの鈴木淳司弁護士がシリコンバレー・ネットワーク「礎」にて遺産相続に関する講演を行いました。 講演についてはここをクリック (April 20, 2002)。
■ サンフランシスコ弁護士会から月間MVPに選ばれました(2000年12月)、2001年の年間MVPにも選ばれました。 The Recorderという法律新聞で記事になりました 記事はここをクリック。 (365K)
 

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