石川県でおこなわれた日本弁護士連合・業務改革委員会主催のパネルディスカッション日本弁護士連合 業務改革委員会
第2分科会
新たな挑戦に向けて ――弁護士業務の新領域を探る
今後伸長する業務とは


午前中の基調報告では、まず、桂充弘会員(大阪)が、5年間で盛んになった業務や新規開拓された業務について、全国52弁護士会にアンケートした結 果を紹介した。大都市と地方都市とで格差が見られたが、今後10年間で伸長する業務としては、知的財産、企業内弁護士、成年後見を挙げたものが多かった。 澤田久代会員(横浜)は、本年3月に視察したサンフランシスコの弁護士事情実態調査を報告し、弁護士のスキルやマインドはいくらでも応用が利くという示唆を得たと話した。 小原健会員(第二東京)は、交通事故、スポーツ分野、取締役への就任状況などを例に挙げ、「弁護士に関する業務規制緩和を進め権限の強化を図る」「日弁連 に立法支援センターを設ける」「民事訴訟の活性化に向けた抜本的改革を行う」など、日弁連がとるべき具体的施策を提言した。
海外に進出する会員たち
午後からは、韓国の大学院に通学する傍ら韓国の事件を多数受任するに至った岡本敬一郎会員(第二東京)、国際協力機構モンゴル法整備支援計画長期専門家として活躍する田邊正紀会員(愛知県)らから、「新領域」での弁護士業務の実情が紹介された。
パネルディスカッション
引き続き、小原会員をコーディネーターとするパネルディスカッションへと移った。 宮澤節生教授(大宮法科大学院大学)は、「弁護士会内部の自己努力による規制緩和、制度改革によって、もっとマーケットが拡大するはずだ」と指摘し、まだまだ弁護士にアクセスできない階層が存在することに注目するよう呼び掛けた。 本林徹会員(東京)は、「今後仕事が増える分野としては、税務訴訟を含めた行政訴訟と知的財産が双璧だろう。弁護士は税法がわからないといって諦める傾向 があるが、突き詰めると民法の解釈が中核となる。弁護士が税務訴訟に積極的に関与していくべきだ」と語り、参加者に具体的な示唆を与えていた。 鈴木淳司氏(カリフォルニア州弁護士)は「アメリカでは民事裁判でも陪審制度があり、これが国民の司法に対する信頼を導いている。信頼できる司法が控えて いるからこそ、ADRが充実し、あらゆる事件で利用されている。これによって弁護士の仕事も増える」と語り、弁護士業務の拡大には司法制度の整備が重要で あると強調した。
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